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裏切りの館【黒い糸の伝説-2】/オレンジ庭園

  • 5.0
  • 旅行時期:2019/12(約4年前)
ウェンディさん

by ウェンディさん(女性)

シラーズ クチコミ:18件

Qavam Houseは19世紀に作られた商人の邸宅で、その最初の所有者はガヴァーム家。
とある才能から莫大な財産を築いたガヴァーム一族は、シラーズの中央部に鏡のモザイク細工でキラキラと輝くきらびやかな邸宅を建築し、欧州の生活様式にあこがれた当主は、召使に欧州の女性が着るようなドレスを着させたりと、欧州かぶれの生活を送っていました。
そんなガヴァーム家ですが、現在のシラーズにあるQavam Houseは彼らの所有ではなく、シラーズ大学の所有で、大学が修復を行い、オレンジ庭園という名で観光施設となっています。

Qavam Houseの入場料は500円で、建物本体のみだけではなく当時の風俗や欧州の影響を強く受けた内装絵画などは見ごたえがありました。

ところで、ガヴァーム一族が財を成したという才能…とは何だったのでしょうか。

それは、裏切り行為と商人としての才覚。
ガヴァーム一族が最初に大金を手にしたのはザンド朝の終焉の時。
ガヴァーム家の先祖の一人が、ザンド朝王朝転覆を狙う敵側に寝返り、夜中に城壁の扉の閂を外す裏切り行為に出たのです。

そして敵側は見事、手薄な夜間の城内へと侵入し、ザンド朝の王族を皆殺にし、ガヴァーム家の先祖はその功績で巨大な富を手にしたそうです。
もっとも、この時に裏切りの手引きをしたガヴァーム家の当事者の男は、結局は新しい侵略者の王にも信用ならない奴として見切りをつけられ、その後はパッとしなかった人生だったそうですが、しかし大金を手にしたカヴァーム一族は、商人の才覚を生かし、ザンド朝滅亡から50年後にはオレンジ庭園と呼ばれる豪華な邸宅を建築できるまでになりました。

シラーズ市内にある有名な観光施設のカヴァーム庭園とキャリーム・ハーン城塞は、何も知らなければただの昔の邸宅と城跡ですが、歴史を少し紐解くと黒い糸でつながれた因縁の縁があり、興味深い場所でした。

このガヴァーム家ですが、今はこの邸宅の持ち主の末裔はイランにはいないとのこと。
贅沢三昧の生活を享受していたガヴァーム一族はイランの1979年の宗教革命の時に持てるだけの財産を手に海外へと逃亡したそうです。
そのままイランに残っていたら、どんな運命が彼らを襲うのか知っていたのでしょうね。

でも、現在でもシラーズの近郊にはガヴァーム一族の傍流の方たちが暮らしているそうです。
裏切りの一族とレッテルを貼られた彼ら。
その汚名を払拭するにはまだまだ時間が必要なのではないでしょうか。

(黒い糸の伝説-2は、キャリム ハーン城塞の口コミ↓からの続きです。)
https://4travel.jp/overseas/area/middle_east/iran/shiraz/kankospot/10426995/tips/13968559/

施設の満足度

5.0

利用した際の同行者:
家族旅行
観光の所要時間:
1-2時間

クチコミ投稿日:2020/02/29

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