ゴスラーの町はやはり魔女たちの祭が一番印象に残る。
- 4.5
- 旅行時期:2005/05(約21年前)
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by jijidarumaさん(男性)
ゴスラー クチコミ:5件
“北ドイツ周遊の旅”2005年4月21日(木)~5月5日(木)15日間 ;
1982年から数えて 23年ぶりの北ドイツです。
5/01 (日) 快晴日差しの強い一日
ゴスラーの町は魔女たちでいっぱいだった。もしハルツ地方を旅行するのであれば、この時期が一番楽しいだろう。
A7を35km走ると、分岐点のSeesenゼーゼンに至る。ここから、Harzハルツ山地が始まる。“魔女伝説”で知られるハルツ地方は旧東西国境地帯に位置していた為、統一以前は入ることが出来なかった。
だから、ゲッティンゲンからB27を南に32kmという近くに、現代史---東西ドイツの遺跡ともいえるWahlhausenヴァールハウゼン・Grenzmuseum国境博物館がある。
旧東独の地域は統一後、旧西ドイツからの資金も流入して、歴史的遺産、木組みの家並みの保存や、町の改良工事が、何処も盛んだ。
1970、80年代、西から東に入った時の、暗く、貧しい印象は今も私の記憶に残る。統一の1990年から、既に15年が経過しているが、彼我の差を無くすには、まだまだ、10年以上の年月が必要と思われる。
【ヴァルブルギスの前夜祭(29日)、魔女の祭り(30日)と5月柱】
ハルツの各地---ゴスラー、ハーネンクレー、ターレ、ブロッケン山の村---では、この4月29日、30日、5月1日にかけての夜、“冬の終わりと、春の訪れ”を祝って、女性が魔女の装いをして、燃え上がる炎を囲んで、踊りを楽しむという“ヴァルブルギスの夜”祭りを催す。零時をこえると其の年の“5月の女王”が選ばれ、春の踊りが始まる。
17世紀の文献には、『この4月30日に、魔女達が箒の柄に乗って、空を飛び、ブロッケンの山頂に参集して、悪魔と饗宴を催した。暁を知らせる鶏の声と共に、彼らはいっせいに姿を消し、5月1日から、春が始まる。』という伝説があります。ドイツの作家ゲーテの“ファウスト”にも描かれて、良く知られている。
本来、春迎えの儀式は古代の神々の領域でしたが、キリスト教の到来と共に、古代の神々は異教の神として追われ、悪魔として扱われ、古代の神を信仰するものも、魔女とされました。
悪魔と魔女は冬を象徴し、冬が追われ、春がキリストの神と訪れるというものです。
19世紀になって、ハルツの人々は民間伝承の話を、春迎えの祭りとして、新しく、復活させ、前述のような形になりました。これは16世紀のルターの宗教改革後に起こった新旧両派の権力闘争や、諸侯の世俗の争いが火種になり、不都合な相手や、敵を男女の別なく、魔女として告発するという“魔女狩り”とは趣が違う。
16~17世紀の“魔女狩り”の嵐は、当時、全ドイツに吹き荒れて、魔女裁判による犠牲が10万人を超えたと云われている。
5月柱“Maibaumマイバウム”は5月1日になると、ドイツの各地のマルクト広場に立てられる。人々はこの柱の周りを廻って、踊り、春の訪れを祝う。
元来は、古代の神々、“樹木信仰”から来たものであるが、キリスト教に合体した形で、キリスト教の宗教行事になってしまっている。
カトリックの強い南ドイツは特に立派なマイバウムを立て、祝いの行事も盛んである。
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ゴスラーの町はやはり魔女たちの祭が一番印象に残る。
- 施設の満足度
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4.5
- 利用した際の同行者:
- カップル・夫婦(シニア)
- 観光の所要時間:
- 1日
クチコミ投稿日:2019/04/10
いいね!:8票
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