宏村 先祖から伝わる格言
- 4.5
- 旅行時期:2009/03(約16年前)
-
by haoziさん(女性)
黄山 クチコミ:4件
宏村は民家と水辺の風光が織りなすのどかな村。その美しい田園風景は桃源郷にも例えられます。
でも、宏村の魅力はそれだけではありません。
宋代から徽州商人として活躍したこの地の人々の生き様、心持ちがしっかりと受け継がれてきたからこそ、宏村は古き良き時代の姿を今なお保っていられるのではないでしょうか。
そんな彼らの思想がわかるのが、家々に掲げられた多くの対聯。
清末の塩商人汪定貴の邸宅「承志堂」で目にした格言の一部をご紹介します。
[1]“快楽毎従辛苦得,便宜多自吃虧来”
満ち足りた気持ちは、苦労してこそ得られる。得をしたと思った時は、実は根本では損をしていることが多い。
[2]“能受苦方為志士,肯吃虧不是痴人”
苦労できる人こそが志士となれる。進んで損なことをする人は愚か者ではない。
[3]“読書好耕田好学好便好,創業難守業難知難不難”
学問でもいい、農作業でもいい、何でもしっかり学べばそれはいいことだ。事業を始めるのは難しい、それを守っていくのはもっと難しい、しかしその難しさがわかればもう難しくはない。
[4]“惜衣惜食非為惜財縁惜福,求名求利但須求己莫求人”
衣服や食べ物を大切にするのは、財物を惜しむからではなく、福のありがたさを重んじるからである。名利を追うなら、自分の努力によるしかなく、他人に頼ってはならない。
[5]“澹泊明志,清白伝家”
名利にこだわっていては、しっかりした志を持つことはできない。清廉潔白に身を持していなければ、家の繁栄は続かない。
[6]“敦孝悌此楽何極,嚼詩書其味无窮”
年長者を敬うのは何と嬉しいことか。書物をかみしめて読むのは何と楽しいことか。
[7]“詩書執礼,孝悌力田”
文化知識と礼儀を重んじ、年長者を敬い、農作業に精を出そう。
[8]“善為至宝一生用,心作良田百世耕”
善良な心は最も貴い宝で、一生役に立つ。心を善良な畑とすれば、子子孫孫耕していける。
古代の社会では商人の地位は低く、たとえどんなに成功して財をなしても、商人としてのコンプレックスは捨てきれなかったようです。そこでしきりに学問と勤勉に働くことの大切さを唱えたのですね。その他は、先祖を敬うこと、親孝行すること、家を守り伝えていくことといった内容が多いようです。
そこから見えるこの地の人々の生活態度には全く頭が下がります。
- 施設の満足度
-
4.5
- 利用した際の同行者:
- 社員・団体旅行
- 観光の所要時間:
- 半日
- アクセス:
- 2.5
- 屯渓から65キロほどの場所
- 景観:
- 5.0
- 白壁黒瓦に馬頭墻の古式ゆかしい家並み、牛の形になぞらえられた村の配置、今なお現役で活用されている人工水系。ファンタスティック!
- 人混みの少なさ:
- 2.0
- 世界遺産になって観光客が押し寄せている
クチコミ投稿日:2012/12/24
いいね!:1票