同里の最大の見所は、名園の退思園
- 5.0
- 旅行時期:2011/05(約15年前)
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by そんざーさん(男性)
蘇州 クチコミ:7件
退思園は、西暦1885-1887年、清の光緒時代に造られた庭園で、蘇州からバスで30分ほどの距離にある同里という古鎮にあります。
退思園を造った任蘭生も清朝に勤めた役人で、園名の「退思」は『春秋左氏伝』(中国の春秋時代<紀元前750年から500年頃>の歴史を解説した書で、春秋学も生まれた)にある「進思尽忠,退思補過」に(官として仕える場合は誠心誠意を尽くして皇帝に奉仕し、また官から退く場合は過去を反省し過ちを補う)に由来しているとされています。
同僚の讒言により官を追われた任蘭生が、隠者の道を選び、故郷の同里に庭園を造ったのが退思園です。隠者とは、決して世捨て人になるのではなく、中央の政治から身を隠しつつも、心と目を今の社会に向け、時節が来ればまた再起をしようという熱い志を胸に秘めている人のことです。実際に、任蘭生は退思園完成後の2年後に、また、役人に復職したそうです。
退思園は、庭園兼邸宅です。いわゆる私家庭園と言われるものです。その敷地面積は約6500?と庭園としてはさほど広くはないのですが、閑静で簡素で、そして池を中心に建築物が無駄なく配置されているのが印象的です。
中国の庭園専門家は、退思園を「貼水園」(水に貼りつく庭園)と呼んでいますが、上の写真などを見ると、確かに池の水面が高く、建物が池の水に貼りつくように建てられていることが分かります。池周辺の景は、他の蘇州古典園林のどの庭園であっても、この退思園の景に勝るものはないと、私は思います。
退思園は2001年に世界文化遺産に選定されていますが、特に「貼水園」としての池の景が高く評価されたそうです。
退思園の特徴としては、「貼水園」という一面と、もう一つ、清代の庭園らしく「立体的な庭園」であることを挙げたいと私は思います。
清代に作られた庭園では、一般的に敷地面積が狭いなかで、建物を二階建てにしたりしながら、見る高さを変えて庭の変化をつけようとしている庭園が多く見られます。蘇州のおう園や揚州の个園や何園がその典型的な例ですが、退思園も同様です。特に、攬勝閣からの絶景は、退思園のハイライトです。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 観光の所要時間:
- 半日
- アクセス:
- 3.5
- 蘇州から同里へは公共バスで40分ほどです。
- 景観:
- 5.0
- 蘇州の庭園の中でもでも抜群の美しさです。
- 人混みの少なさ:
- 4.0
- 名園ですから、さすがに混んではいますけど、拙政園や留園ほどではありません。
クチコミ投稿日:2011/11/12
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