カッパドキアの地下には無数の迷宮が眠っている。
その迷宮の名は地下都市。
新石器時代には、アナトリアの大地の地下には人々...
続きを読むが生活をする地下都市;岩窟住居があり、現在、カッパドキアの地下空間で確認されている地下迷宮の数は100以上だ。
地下都市の発掘作業は今も続けられていて、2014年にはネブシェヒルの街の地下に、過去最大級規模となるであろう地下都市が発掘された。
この地下都市巡りはカッパドキアのツアーの目玉商品でもあり、カイマクルやデリンクユの地下都市は大人気の場所だ。
しかし、近年の研究では、地下都市だと云われてきたカイマクルやデリンクユの地下都市は、実はジャガイモの貯蔵倉庫だったのではないかとの説が有力視されている。
もともと、カイマクルやデリンクユの地下都市遺跡からは人々が生活を営む上で必要であった遺物が何一つ出土していない。人々が生活していたならば、壁へのいたずら書きや台所跡などが必ずある筈なのだが、そのような人間の生活跡が何一つ見つからなかった。
あるのは地下へと延びる階段と、階段が結ぶ部屋だけだ。
ただ、カイマクルやデリンクユはカッパドキアの地下都市として世界中にその名をアピールしてしまっている以上、もう後に引くことはできない。だから、今更、ここは実はジャガイモ倉庫でしたなんてことは声を大きくしては言えずに、今でも何万人もの人たちが隠れ住んだ地下都市である…という事にしてある。(もともと、これらの地下都市の各部屋の案内は、こんな風にして使われていたのではないか…という想定を元に、説明板が付けられ、裏つけのある事実は存在しないそうだ)
では、他には本当の地下都市;ローマ時代やビザンチン時代に人々が生活をした地下都市は、存在しなかったのか。
答えは…存在する。
そして、観光客がガイド付ならば見学することのできる地下都市もある。
それが、Mazi村(マズ)の地下都市だ。
マズの地下都市からは、王の居住区や台所、馬屋といった王宮施設が発見されていて、王宮の背後には約6万人が暮らしていたと推測される地下都市が広がり、その規模も大きいが、見学できるのは王宮エリアのみで、中には人口の灯りは無い。
管理事務所で、一人ひとつずつ、懐中電灯を借りての見学となる。
地下都市には馬小屋、台所、王の居室…と見所は多いが、絶対に忘れてはならないのが緊急時に王が利用した脱出用滑り台と暗殺者が隠れていた天井裏だ。
そして、この地下都市巡りは、ただの地下都市巡りでは終わらない。
地下迷宮巡りの締めくくりは、竪穴梯子のぼり。
地下都市から地上へと脱出するためには、出口のある上へ上へと登らなければならない。
その手段が石でできた垂直の竪穴トンネルを登ること。
トンネルは何本かあり、一番高度差がある竪穴で8m位。
足を滑らせ落ちたら、怪我をする高さだ。
一応、命綱も準備されているので、心細い方は命綱で確保してもらう方が良いかも。
団体ツアーでは行けない様なアドベンチャー型下都市巡りだが、個人手配のガイドで回る方にはお勧め♪
本当の地下都市は、どんな風なのか…。
マズの地下都市を自分自身で体感して欲しい。
なお、地下都市探検では、岩に体をぶつけたり洋服が汚れるのは避けられない。汚れてもよい服、打ち身用の湿布の準備はしておく方が安心だ。
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投稿日:2015/05/28