【ドイツ バイエルン州;バイエルン王国の周遊】
:アルペン街道・キーム湖・ドナウ、イザール、イン川を巡る:
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続きを読む期間 :2008年4月17日(木)~5月1日(木)15日間の旅
目的地: 今春の旅はドイツ南部、バイエルン州のOberbayern高地バイエルンと呼ばれるアルプス地方とOstbayern東バイエルン地方を巡る旅である。
バイエルン州は見所も多く、魅力的な町々が散在するので、今回の旅は“古来のバイエルン王国”を周遊した。
中でも、“ザルザッハ川(長さ250km)”流域にあるBurghausenブルクハウゼンの1km程の長い城は難攻不落の堅城として知られ、一度は見てみたい城だ。
4.27(日) 大快晴 23℃、 217km
【1km程の長い城は難攻不落の堅城・南ドイツのBurghausenブルクハウゼン城を訪ねる】
まず見るべきはBurgブルク(城)である。
ヨーロッパで最も長い城で距離は1030m(観光案内では1000m、或いは1043mとあるが、中を取った)、防衛上、実に恵まれた川と湖に城の周辺が囲まれている。
中世の城はザルザッハ川とWoehrseeヴォール湖(川の流れが変わって、取り残された湖と思われる)に挟まれた、せまい小高い丘の背に建っている。
丘の城を望むザルザッハ川畔に沿って発展した旧市街も整然と中世の面影を残す美しい街である。
このブルクハウゼンにも子供達がまだ小学生の頃に、訪れた記憶がある。
夏の盛りで、子供達が冷たいジュースを飲みたいと駄々をこねられたことがあった。
その日のように上天気で、長い城郭の右端っこにあった城の駐車場から城内に向かって歩くと汗が出てきた。
ブルク(城)は右手の駐車場がある外郭を6Hofホフと称し、順次、左に向かって1HofのHauptburgハウプトブルク(本丸)まで、合計6区画はそれぞれが独立した区域になっている。
昔は跳ね橋であった木橋や深い空堀が其々を遮断し、独立した城郭が出丸、一の丸、二の丸といったように、配置されている。城壁はがっちりとしたものであり、傾斜のある自然の山塊は難攻不落の要害となっている。
実際、この城は一度として、敵に侵攻されたことがないと云う。
この城の歴史は1180年バイエルン公・Wittelsbachヴィッテルスバッハ家の居城として築城された事に始まる。
Landshutランズフートに居城を持つNiederbayernニーダーバイエルン公の第二の宮殿として、1255年から1503年の間に現在の大きさにまで拡張された。
1475年、Georgゲオルク公爵(*「夢のようなランズフート結婚式」で知られる)は命を発し、国内随一の強固な城を完成させた。
16世紀にはオスマントルコの襲来に備え、更に城壁が強固(堅城鉄壁)にされた。それは4000人が10年をかけてようやく完成したと云う。
現在もなお、この城は中世の建築・城郭の最も大きな記念碑であり、支配者・バイエルン公の強大な権力と意志を示した存在となっている。
<6Hofホフ>には中央にUhrturm時計台があり、その昔は醸造所で、今は”Burg Cafeブルクカフェ“となっている軽食用のレストラン、ホフのKastenamt管理事務所などがある。
<5Hof>は市民用のBurgkapelleブルク礼拝堂、Spinnhausl織物小屋
<4Hof>には目の前にHexenturm魔女の塔と称する牢獄が立ちはだかるように立っている。中には左手にHaberkastenハーバーカステン(ハーバーの学校?にはテアターアカデミーが附属)の建物がある。
<3Hof>には右手に大きなKornkasten穀倉の建物とZeughaus兵器庫があった。
また、ここにはヴォール湖を下に見る景観の場所がある。
今は自然の市民プールが出来ていて、暑いころは市民で賑わう。
本丸から左手奥の湖畔にそって、城壁が向い側の外廓まで伸びているのが見て取れた。
ブルクハウゼン城は次の写真が分かりやすいが、ザルザッハ川とWoehrseeヴォール湖(川の流れが変わって、取り残された湖と思われる)に挟まれた、せまい小高い丘の背に、中世の城は建っている。
<2Hof>にゲオルク公爵の建てたGeorgstorゲオルクの城門があり、右手にPfistereiパン屋・醸造所などがある。左手に行くとStephansturmシュテファンの塔などがある。
<1Hof>そして自然の山塊の一番奥に1HofのHauptburgハウプトブルク(本丸)の城郭が出て来る。本丸の城郭に橋が架かり、空堀も深い。橋の向こうに「1HofのHauptburgハウプトブルク(本丸)」が立つ。
左に高くBergfried天守閣、Palasパラス(宮殿)、Schlosskapelle城内礼拝堂(聖女エリザベート礼拝堂)が並び、右にStadtmuseum郷土博物館がある。
城郭から外のWoehrseeヴォール湖に向かって手を伸ばすように城壁があり、途中にWoehrtorヴォールの門、Pulverturm火薬庫(塔)が立っている。
尚、4と3、3と2、2と1の間には防衛上の橋が架かり、深い空堀が見られた。
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丘の城から眼下に望む、ザルザッハ川畔に沿って発展した旧市街も整然と中世の面影を残す美しい街である。
今日のザルザッハ川はちょっと濁っていた。上流で降った雨が影響しているのだろう。眼下の旧市街は赤屋根が周辺の緑に映えて大変美しい。
歴史あるこの街はゴシックから様々な様式の建物が軒を連ね、とりわけStadtplatzシュタットプラッツ(町の広場)周辺はパステルカラーのInn-Salzachイン・ザルザッハ様式の典型的な家並みである。
Alte Brueckeアルテ・ブリュッケが独墺両国の岸に掛かる。これから「ホフ6」傍の駐車場に戻って、城郭を降りた。アルテ・ブリュッケを向こう岸に渡ると、高台に展望台があると云うのでそこに行ってみる。オーストリア側の展望台から、欧州一の長いブルクハウゼン城を見てみたいのだ。
旧市街を車で抜け、ザルザッハ川に架かるアルテ・ブリュッケを渡り、オーストリア側に入った。昔は川の両側に国境守備隊がそれぞれガードしていたが、今は遮るものは何もない。
狭い急坂を上がると、「Aussichtkanzelアウスジヒトカンツェル展望台」がある。
ここから見るブルクハウゼンの城や旧市街の眺望は絶景だ。
この城の長さは実際に歩いた事と、隣の国の展望台からの眺めで良く分かった。
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投稿日:2024/01/12