1.訪問の経緯
帝国戦争博物館を訪問した際、チャーチルの演説DVDの販売場所を尋ねたところ、ここを教えてくれた。
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続きを読む訪問の推奨と展示内容
チャーチルの著作を読んだことのある人にのみ訪問を推奨する。その理由は、チャーチルの人生について、客観的に、要領よく、纏めて展示してある。
いわゆる戦争博物館ではなく、単なる第二次世界大戦中の防空壕の戦争指揮所、会議室である。チャーチルについてある程度の知識と関心が無い者にとってはここを訪問することは時間の無駄である。
3.1953年ノーベル文学賞受賞者
1953年ノーベル文学賞受賞者はチャーチルである。対象となった作品は当時ベストセラーになったチャーチルの著作
"The Second World War"、「第二次世界大戦回顧録」ではないかと思うが、
著者の意図はそれだけにはとどまらない。
「第二次世界大戦回顧録」の序論においては、
著者は第一世界大戦史を著した"The World Crisis"(世界の危機)と
"The Second World War"を一体として、30年戦争の経緯を物語りたかったと述べている。
さらに著者は第一次世界大戦中は海相として、第二次世界大戦中は首相として、両方を経験した唯一の人間であると言ってる。即ち、第一次から第二次世界大戦終了までの間の著作を著すのに最適な人間は自分自身であると述べている。
このChurchill War Roomsにおいてこの第一次第二次世界大戦中のチャーチルについて重点的に説明している。
4.チャーチルの演説と土産物の推奨
チャーチルの著作は日本でも購入可能である。但し、「第二次世界大戦回顧録」の初版本は豊富な図とデータが添付されており、大きな図書館でしか見ることはできない。
ここChurchill War Roomsではチャーチルの有名な演説のいくつかが流されている。チャーチルの演説のすばらしさは
非常にわかりやすい短い単語の組み合わせで構成されている。日本の中学生レベルでも知ってる単語である。但し、その時代背景、イギリスの状況を理解してなければ正確には理解できないが、翻訳は可能である。
最初に結論を言っている。演説の目的がはっきりしており、国民を鼓舞し、団結させる内容となっている。一部の演説にはユーモアをちりばめている。おもわず笑ってしまうことがある。
繰り返し同じ単語を使用しており、詩を読んでいるように感じさせることがある。
ここでしか買えないものは、チャーチルの演説のDVDである。DVDには英文の原稿が添付されおり、大学受験のヒアリングの練習に良いのではないかと思っている。私の場合レコードでチャーチルの演説を聞き、ヒアリングの練習をした。
チャーチルの演説又その一部の言葉は第二次世界大戦後の英米の政治家が好んで引用している。 又は時々、ドラマなどで引用されることがある。
最近では、NHKBSドラマ「刑事フォイル」でamong the few という題名のドラマがあった。これは チャーチルのBattle of Britain の際の演説、
"Never in the field of human conflict was so much owed by so many to so few." から few を抽出して題名のthe fewに使っている。
もともとの演説の言葉の意味は
so much 狭い意味では、イギリスの勝利又は未来 広い意味では世界の将来と平和
so many 狭い意味ではイギリス人、広い意味では世界中の人々
so few 非常に少ない人数で戦い続けたイギリスのパイロット
第二次世界大戦の初期において、イギリス占領を目指すナチスドイツは、イギリス上空の制空権を取ろうと圧倒的多数の戦闘機によって、イギリス戦闘機と戦うが、イギリスの戦闘機パイロット達の働きにより、ナチスドイツは多くの戦闘機を失い、イギリス上陸をあきらめることとなった。即ち、この"few"イギリス戦闘機のパイロットがイギリスと世界を救ったのである。
「刑事フォイル」では、 the few を非常に少ない人数で戦い続けたイギリスのパイロット達の意味で使っている。
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投稿日:2015/12/11