もともとはポルトガル国王の離宮として1907年に完成しましたが、1910年に共和政権が樹立し王制は廃止に。 国有財産となった宮殿はのちに個人の所有となり、1913年にホテルとして改装され現在に至っています。
宮殿の設計者はシントラのレガレイラ宮殿も手掛けたイタリア人建築家ルイジ・マニーニで、壮麗なマヌエル様式の装飾が大変見事です。
宮殿の内外を飾るアズレージョは、ポルトのサン・ベント駅のアズレージョの作者としても知られるジョルジュ・コラソの制作で、マヌエル様式の装飾とともにホテルの大きな見所です。
外壁を飾るアズレージョは、ポルトガル最大の詩人であるカモンイスの代表作『ウズ・ルジアダス』から題材を得ており、歴史的場面などが描かれています。
館内のアズレージョには「セウタ攻略」「インド攻略」「ブラジル発見」というポルトガル史上重要な意味を持つ場面が描かれています。 またブサコはナポレオンの侵攻を防いだ「ブサコの戦い」の地としても知られ、その様子も描かれています。
エントランスホールもゴージャスですが、ダイニングルームもとても優雅で華麗な空間ですので、朝食だけでなくディナーも是非ともお勧めです。 サービスも丁寧ですし、お食事もとても美味しかったです。
ワイン好きの方はオリジナルのブサコワインも是非お試しください。 (レセプションでも購入可)
かつては足踏み方式でこの地で造られていたワインは、支配人によると現在はここで造っているわけではなくドウロやダンなどの近隣のワイン生産地で醸造しているそうです。 いずれにしても数量限定ですので、宿泊の際には是非。
客室に関してはもともとホテルとして建てられたわけではないので、同じカテゴリーでも広さやレイアウトも様々なようです。 私たちは6月の宿泊でしたので問題ありませんでしたが、ホテルレビューを読むと空調機能が良くないらしく(建物も古いので)、夏は暑く冬は寒いとか。 できれば気候の良い時期に滞在された方が良いのかもしれません。 お部屋の使い勝手もあまり良くなく、客室に関してはせいぜい4つ星レベルといったところでした。
とはいえ、(時期にもよると思いますが)6月の滞在でスーペリアダブルで197ユーロと5つ星ホテルのわりには料金設定も手頃でしたので、コスパは悪くないと思います。
総合的にとても満足な滞在ができ、お勧めしたいホテルです。