山門を抜けると本堂までの参道は紅葉のトンネルと赤い絨毯が続きます。日本最大級の多宝塔もあります。
- 4.0
- 旅行時期:2022/11(約3年前)
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by Lily-junjunさん(男性)
甲賀 クチコミ:3件
「長壽寺」は、「阿星山」の北東麓にあり、地域では東寺と呼ばれる天台宗の古刹です。その歴史を遡ると「長壽寺」は奈良時代、「良弁僧正」によって建立された勅願寺です。お寺の住職の話によると、当時、「聖武天皇」には世継ぎがなかったので、「良弁僧正」が「阿星山」中の瀑布に籠って子宝の祈願を行ったところ、間もなく皇女の降誕を得ました。「聖武天皇」は、我が子の長寿を願い七堂伽藍廿四坊の寺を建立し「長壽寺」という寺号をおくり、さらに行基菩薩に子安地蔵を刻ませ本尊としました。これが長壽寺の始まりと伝えられているそうです。それと面白い話も聞けました。それは、子供が生まれてくるときに親はどうか無事生まれてくれと願うそうですが、「聖武天皇」は実は子供がいたのですが、幼くして命を落としてしまったので、「長壽寺」では、「長生きして」と願いを込めるそうです。また、私たちツアーは年齢層が高かったので、それを見て冗談交じりに、「長壽寺」はみなさんのためのお寺ですねと言っていました。思わず全員の笑いを誘いました。
やはりここでも「常楽寺」と同じように、お寺の本堂の屋根は、「桧皮葺」になっているので、本堂の屋根の改修は、40年に一度やらなければならず、入山料だけではできないので、クラウドファンディングをやって寄付金を募っているそうです。ここでも歴史的建造物を後世まで伝えるのは大変なことと感じました。
【見どころ】
⑴ 「本堂」(国宝)
「本堂」は国宝で、尊厳と歴史の重みを感じます。「本堂」は、「内陣」と「外陣」を別棟と見立てる「双堂形式」を残しています。「内陣」と「外陣」の両方とも見学することが来ます。「内陣」には、沢山の仏像があり、見ごたえがあります。そして外観は一つの建物に見えますが、中に入れば二棟並んだ構造になっている大変珍しい「本堂」です。鎌倉時代初期に建立されました。
⑵ 「弁天堂」(重要文化財)
「弁天堂」は、小さいながら本格的な構造を持っています。境内にある大きな池の上に凛々しく建っています。かなり時代を感じる外観をしています。
⑶ 「白山神社拝殿・社殿」
「白山神社拝殿」は「長壽寺」に向かって左手にあります。「長壽寺」の山門をくぐり参道を歩いて行くと大きな鳥居があります。この鳥居の先を進めば「白山神社拝殿」がありますが、もちろん「長壽寺」の境内からも行くことができます。「白山神社」は「長壽寺」の鎮守社として建立されましたが、建立年月日については不明だそうです。「白山神社」は、四面に格子を備えるのは珍しい建築様式です。ちなみに、祭神は「白山比大神」です。
⑷ 「多宝塔」
「多宝塔」は、「山門」を潜りそのまま進んで行くと右手にあります。「多宝塔」は、「聖武天皇」の菩提をとむらうために鎌倉時代に建立されました。残念ながら現在は「相輪」が欠けています。日本最大級の「多宝塔」で、この種の石造多宝塔の違例は極めて少なく全国に10基程度が残るのみだそうです。
⑸ 「地蔵曼荼羅」
「地蔵曼荼羅」は、「六臂」の「地蔵菩薩」の周囲に約1万2千体の「地蔵菩薩」を描いた日本で唯一の「曼荼羅」です。目を凝らして見ないと何かの刺繍に見えて「地蔵菩薩」であることが認識できません。住職の話では、常設の「陶板」地蔵曼荼羅はこの曼荼羅を立体で再現し、願いを込めて触れることができるようにしたものです。私も願いを込めてこの曼荼羅に触れてみました。
- 施設の満足度
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4.0
- 利用した際の同行者:
- カップル・夫婦(シニア)
- アクセス:
- 3.0
- JR草津線「石部駅」からバスで約15分、長壽寺バス停下車
- 人混みの少なさ:
- 3.0
- 紅葉時期だったので混んでいました。地元の人々で地産地消の屋台を出すなど地域で取り組んでいる様子がうかがえました。
クチコミ投稿日:2023/10/15
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