北松地方を走る長距離ローカル線
- 4.0
- 旅行時期:2021/12(約4年前)
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by おけいはんさん(男性)
佐世保 クチコミ:7件
JR佐世保線有田駅から伊万里、たびら平戸口、松浦、佐々を経由して佐世保に至る57駅、93.8kmを結ぶ第三セクターの路線。1988年、JR松浦線を継承した路線で、地元では頭文字を取って「MR」とも呼ばれています。九州の北西、長崎県佐世保市から平戸付近を経由して佐賀県伊万里市あたりまでの北松(ほくしょう)地方と呼ばれる旧松浦半島を走り、西側はリアス式海岸による美しい景色が続く一方で、北側はなだらかな田園風景が続く路線。鉄道法による普通の鉄道路線としては、日本最西端を走る鉄道であり、途中、日本最西端の駅であるたびら平戸口駅を通ります。また、佐世保中央駅と中佐世保駅の間は距離にして200mしかなく、路面電車などを除くと日本最短駅間距離の一つとなっているなど、さまざまな日本一を持った鉄道でもあります。このほか竹筋を使用したユニークなアーチ橋である福井川橋梁や、車両と山並みが川面に映える第2江迎川橋梁、第3江迎川橋梁、玄界灘に面した志佐川橋梁、長大な有田川橋梁など見どころのある橋、昭和初期に珍しかった高架橋やトンネルなど多数通ります。
広大な路線のため歴史もさまざまで、有田~伊万里間は明治31年(1898年)、有田焼の陶磁器を輸送するため開通。一方、佐世保近郊の路線は北松浦半島に点在した石炭を軍港である佐世保港に運ぶことを目的に開通、戦時色の強い時代に住宅密集地を走るための高架化やトンネルを貫いたり、前述の竹筋の橋梁を作るなど、現在では考えられない工法で作られた区間も多く、興味深い。また、かつては博多から筑肥線を経由して伊万里から松浦線を走る長崎行の「急行平戸号」が乗り入れており(筑肥線の廃止後は唐津発)、鳥栖や佐賀を通らない博多~長崎を結ぶ第二のルートでしたが、第三セクターへの転換時に急行が廃止され、それを引き継いだ線内の快速もすでに廃止されています。
現在、全線を直通する列車はなく、伊万里で分かれています。有田~伊万里間には朝夕は1時間に2、3本、そのほかの時間帯は1~2本。途中の折り返し列車はありません。伊万里~佐世保間のうち佐々~佐世保間は1時間に2本の高頻度で運転されており、下りは朝4本、上りは朝3本、夜1本の快速も運転されていますが、佐々~たびら平戸口~伊万里間は1時間に1本程度の運転となっています。伊万里から佐世保間は2時間30分、有田から伊万里まで30分程度かかるので概ね3時間とかなりの時間がかかる路線でもあります。
たまたまだと思うが、車内から写真を撮っていたら運転手さんにやや差別的な嫌味を言われたことがなかなか忘れられず残念でした。
- 施設の満足度
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4.0
- コストパフォーマンス:
- 4.0
- 人混みの少なさ:
- 4.0
- 車窓:
- 5.0
クチコミ投稿日:2022/02/21
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