沖縄県最後の官選知事島田叡氏。
- 5.0
- 旅行時期:2019/06(約5年前)
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by たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん(非公開)
那覇 クチコミ:64件
沖縄での地上戦が始まる直前に大阪府内務部長から沖縄へと赴任した島田叡氏。在任は半年足らずのことではあるものの、自らを顧みずに行った戦時中の沖縄県民に対する処遇は今でも沖縄県民の心の中に生きています。
その島田知事を顕彰するために建立されたのは意外にも遅く平成27(2015)年6月26日のことでした。今では戦跡を含め戦時中の沖縄県庁所縁の地では必ず島田叡という名前は出てきますが、大きな功績に対し評価されることになったのはごく最近のことです。
それは島田知事が素晴らしく行動力に長けた方であったとしても、一文官である以上戦時中に物資を集めることに軍の賛同なしには出来ないという現実がありました。実は島田知事は第32軍参謀長の長勇中将や海軍沖縄根拠地隊司令官太田實少将とは仲が良く、そのため第32軍司令官牛島満中将を含めた軍部と良好な関係を築いていたことが知られています。このような背景があったからこそできた三千石もの高砂米が沖縄へと送られることに繋がりました。
勿論島田知事の人間性は滅私奉公そのものであり、彼に対する逸話には疑う余地のないものばかりだと思います。しかしそれを軍との密接な関係を保っていたことが戦争アレルギーを持つ者からは面白くないとして語ることもなかった歴史がありました。
島田知事に限らずどんなに素晴らしい人間であっても個人の力では出来ることは限られてしまいます。そのためにプラスになる要因を加えることにより不可能が可能になることもあるでしょう。戦中戦後に於いて島田知事のような功績の持ち主が顕彰されることもなく現在に至っているケースも少なからずあるようです。
偉人の功績は背景を認めた上で出来たことなのかを知ることは、簡単なようで難しい事なのかも知れない・・・そんな思いに駆られた島田叡氏顕彰碑の再訪でした。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 5.0
- 奥武山公園駅からすぐ。
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- 顕彰碑を訪れている方はいませんでした。
- バリアフリー:
- 3.5
- 足元は芝生敷きです。
- 見ごたえ:
- 5.0
- 顕彰碑というモニュメントです。
クチコミ投稿日:2019/07/23
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