外観だけでなく館内も美しく保存されています

4.5
旅行時期：2018/01（約8年前）

by T04さん（非公開）

秋田市クチコミ：29件

明治期に多く建てられた煉瓦造り・煉瓦張りの建物ですが、天災・戦災や戦後の再開発などによって多くは姿を消してしまいました。かろうじて外観が保存されている建物であっても、館内はすっかり変わってしまっている建物も少なくないと思います。その点、この秋田銀行本店本館は、当時の美しい姿を留めている数少ない建物の一つだと思います。外観の最大の特徴は、1階部分が白色磁器タイルで2階部分が赤煉瓦であることだと思います。窓の形状も1階はアーチ、2階は楣入りで上部には彫刻が施され、それぞれの窓に取り付けられているスチールシャッターは明治時代の国産品とは泣けてきます。館内はかつての銀行時代の造りがよく残されています。中央部分には吹き抜けの天井、大きくて豪華なシャンデリアの根元には美しいレリーフ、懐かしラジエターもありました。欅の一枚板のドアの向こうにある頭取室には、紅縞石と薄雲石で造られた美しい暖炉がありますし、建物の解説資料も置かれていました。美しい大理石の階段を上がった2階には貴賓室がありますが、こちらの造りも圧巻です。床は欅の寄木板張り、暖炉は蛇紋岩で素人目にも凄さが分かります。館内には、他にも館内には秋田市の伝統工芸品などの展示室、秋田の版画家・勝平得之さん(不勉強で知りませんでしたが…)の記念館、人間国宝の鍛金家関谷四郎さんの記念室などもありました。