軽みの極致
- 3.0
- 旅行時期:2015/09(約10年前)
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by Happy Stationさん(男性)
ミナミ(難波・天王寺) クチコミ:91件
大江神社の中の「芭蕉句碑」。
江戸時代に立てられたもので、文字が非常に読みづらくなっていますが、
「あかあかと日はつれなくも秋の風」
いかにも晩年の芭蕉らしい、どこにも引っ掛るところがなく、軽みの極致といえる句かと。
(「秋の風」といえば、芭蕉はこの句とほぼ同じ時期に、「塚も動けわが泣く声は秋の風」と弟子の死を嘆く句も作っていますね。)
ツクツクボウシがかしがましく啼く残暑真っただ中、あかあかと太陽の光量は相変わらず(つれなし)だが、肌に感じる風は、今までのようにジメっとしておらず秋の気配を感じさせる。
限りなく明るい風景の中、どことなく哀しげな心情。
まばゆさ・けだるさ・寂しさ・やるせなさ。
まるでアラン・ドロン主演の映画「太陽がいっぱい」のテーマを聴いているような気分にさせる句・・・なんて、知った風なことを書いていますが、この先50歳、60歳と自分の齢を重ねて人生の喜怒哀楽の経験を積まないと、本当の意味でこの句の情趣を体得したことにはならないのだろうな、と思いました。
- 施設の満足度
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3.0
- アクセス:
- 4.0
クチコミ投稿日:2017/12/27
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