三井寺(園城寺)

西国三十三観音第十四番札所

5.0
旅行時期：2017/05（約7年前）

by azuraさん（非公開）

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三井寺こと園城寺には、三井の晩鐘といわれる
鐘があります。それには、大蛇に纏わる切ない
伝承が残されています。

琵琶湖の湖畔で子供たちが蛇をいじめて遊んでいました。そこに通り掛かった若者が可哀想に
思い、助けて放してやった夜のこと…

家の前に女の人が訪ねてきて、「旅の者です。
一晩だけ泊めてください。」と。
しかし、女性は一晩だけでなくその後もずっと
若者の家に住み着き、やがてふたりは夫婦に
なったそうです。

2人には子どもができ、出産の際、絶対に部屋
に入らぬ様に言われたのに妻の様子が心配で
入ってしまった若者が見たのは、赤子を抱いた
大蛇。大蛇は、あの日助けてもらった蛇だった
のです。

本当の姿を見られたからには戻らなくては
ならないと、子どもの手には健やかに育つよう
玉を持たせたと言い残し去って行きました。
もし、子どもが泣くようなことがあれば
琵琶湖の湖畔で手を三度叩いてくれとのこと。

その噂を聞きつけて、やって来た殿様に
玉を取られてしまった若者。赤子は泣き出し
約束通り湖畔で手を三度叩いてみると、大蛇が
現れ、再び玉を差し出しました。
そして、これは私の目玉です。２つとも無くなったので目が見えなくなってしまった。
これからは、毎晩三井寺の鐘を鳴らして
貴方と子どもの無事を知らせて下さい。と。
そうすれば、自分は幸せだし、ついてくれる
人の幸せも祈ると言い残して、湖に消えた
そうです。

鐘は、三井の晩鐘と呼ばれ、つくと大蛇が
幸せを授けてくれると、今も言い伝えられて
いるそうです。