~まがつびよ ふたたびここに くるなかれ 平和をいのる 人のみぞここは~
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- 旅行時期:2017/04(約9年前)
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by たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん(非公開)
広島市 クチコミ:49件
広島平和記念公園の南、広島国際会議場の前にある〝平和の像 若葉〟は、広島南ロータリークラブ創立10周年を記念して昭和41(1966)年5月9日建立されたものです。製作は平和祈念像と同じ圓鍔 勝三(えんつば かつぞう)氏が手掛けたもので、少女を見上げている小鹿に少女が左手をさしのべ、今にも駆け出しそうな姿で立っているものとなっています。
台座には〝中間子理論〟でノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士の筆による短歌が刻まれています。湯川博士がなぜこの〝碑文〟を提供した理由ははっきりしませんが、物理学者として昭和20(1945)年8月6日の広島に投下された原子爆弾の報を聞いた時に語っている『科学者は科学者としての自分に対する責任があることを知った』ということ。また戦後昭和29(1954)年に行われた〝ブラボー実験〟と呼ばれるアメリカの水爆実験に衝撃を受け、昭和32(1957)年7月7日カナダ・ノバスコシア州パグウォッシュに於いて核兵器と戦争の廃絶を訴える世界科学者会議〝科学と世界の諸問題に関するパグウォッシュ会議〟を開催するに至ります。会議の結果はともかく湯川博士は自分自身が物理学者であり、その知識から〝核〟を戦争利用した〝結果〟がわかるため、理由を問わず〝核〟と〝戦争〟について〝絶対悪〟として〝廃絶〟を求めたに違いありません。
その気持ちが台座に刻まれている〝短歌〟に込められているように思います。
〝まがつびよ ふたたびここに くるなかれ
平和をいのる 人のみぞここは〟
この歌に対し否定的な意見を述べている方も少なくはないという話を聞きました。災厄を司る〝禍津日神(まがつひのかみ)〟の仕業であるとすることは〝原爆〟を〝神の仕業とするのか?〟という説ですが、それは全く別次元のことであり、広島平和記念公園という〝原爆被爆犠牲者〟が眠る場所に於いて、災いを招く〝すべてのもの〟は来る必要はない。ここへ来るものは、平和を祈る〝人〟しか来ない場所であることの例えだということは間違いないことです。
知識があるからその悲惨さが頭でわかってしまうことは、人間の心を持っていれば〝自責感〟を持ってしまい、耐えられない気持ちになるやも知れません。それ位は頭の悪い私でも理解することは出来るので、なんとなく湯川博士の〝想い〟が少しわかったかなという気持ちにさせられました。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 5.0
- 平和大橋から歩いてすぐ。
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- 夜の時間は誰とも会いませんでした。
- バリアフリー:
- 5.0
- 塔周辺は整地されています。
- 見ごたえ:
- 5.0
- 銅像と碑文に感服しました。
クチコミ投稿日:2017/05/30
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