昔の方の旅の苦労がしのばれますーー。
- 4.0
- 旅行時期:2017/01(約9年前)
-
-
by norisaさん(非公開)
藤枝・岡部 クチコミ:2件
宇津ノ谷は藤枝市の東に位置する旅の難所で、昔の東海道だったようです。
古代から奈良、平安時代、国の中心は京都、奈良など近畿圏にありましたが、それでも駿河以東、つまり関東、東北、蝦夷は多くの人々が住み、農業、漁業はもちろん諸産業も盛んなため多くの人々、物資の移動が必要でした。
関東への道での最難関は箱根の険だったことでしょうが、この付近も難所。
つまり浜松、掛川から静岡に向かう途中、このあたりには平野がありません。
海沿いは大崩れと言われる断崖絶壁ですから山越えにありますが、それには現在の東名高速で知られる日本坂の上を通るか、この宇津ノ谷を通るしかありません。
本当に大変な旅だったことでしょう。
もっともその古代東海道は豊臣秀吉によって少々ルート変更されます。
といってもそれほど離れてはいませんが、そのことにより旧東海道の「蔦のほそみちもすたれてきました。
この地は紀貫之の伊勢物語でも有名です。
それはこの伊勢物語にあります。
すなわち在原業平と思われる主人公が都落ちして東国に向かう際に詠んだ歌。
「駿河なるうつの山辺のうつつにも夢にも人にあはぬなりけり」
で、如何にこのあたりが辺鄙であるかを表現したわけです。
この宇津ノ谷が東海道でも有数の交通の難所として目立ち、おまけにこの伊勢物語の歌のように「うつつ」など和歌に用いられる単語にもかけやすく、遠く京都に住む後世の(といっても平安後期から鎌倉時代の)知識人の格好の歌の舞台になったようですーー。
ということで有名な方々の歌碑が展示されています。
それは兼好法師だったり鴨長明、藤原定家だったりします。
ここへのアクセスは車で近くの道の駅に向かい、あとは徒歩でアクセスするしかありませんが一見の価値があります。
- 施設の満足度
-
4.0
- 利用した際の同行者:
- カップル・夫婦
- アクセス:
- 2.0
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- バリアフリー:
- 1.0
- 見ごたえ:
- 3.5
クチコミ投稿日:2017/02/14
いいね!:34票
利用規約に違反している投稿は、報告することができます。 問題のある投稿を連絡する