蕎麦も出汁も蕎麦湯もかき揚げも旨い、飾らない田舎そばがいい

4.5
旅行時期：2015/11（約10年前）

by toshikunさん（男性）

東根クチコミ：1件

山形空港でレンタカーを借りて平日の12時半頃、伊勢そばに行った。空港から10分以内の近さである。店の前に40台ほどは駐車できそうな広大な駐車場がある。すでに殆どのスペースが車で埋まっているが、空きがないわけではない。店の前には待っている人が座れるようにだろうか、ベンチが設えてあって、人気の高さが伺える。ただし、今日はここで待っている人はいない。夏だけ利用しているのかもしれない。中に入って左の方の注文口でもり天大盛880円を注文して金を払うと番号札をくれる。テーブルが空いたら、座って待つ。おじいさんが常に見回っているので、どの番号札がどこに座っているかは把握しているようだ。しばらく待つと皿に大盛にされたそばと、かき揚げと出汁が来た。そばは割り箸と同じくらいの太さがあり、長さもマチマチ。かき揚げはしっかりと揚がっていてそうっと食べないと口の中を切りそうに堅い。出汁も結構広めの器に入っている。そばを出汁に付けて頂くが、普通のそばのように一束を箸で挟んで、と言う訳にはいかない。堅くて不揃いの蕎麦なので、そばの皿から出汁の皿に移す感じ、だから出汁の皿も広めでないとうまく入らないのだ。勿論そばの端だけを出汁に付けてなどと粋がることもできない。出汁の皿にそばをどっぷりつけないと食べられないのだ。そこは良くしたもので、ちゃんとそれなりの出汁の辛さにしてある。折角そばが旨いのに、関西人には出汁が辛すぎて旨く食えない東国の店が多いのだが、ここはそんなことはない。出汁もしっかりと取ってあり、旨い。かき揚げもクッキーのように削って食べていくとこれまた旨い。蕎麦とは本来こういう野趣溢れた食べ物であるべきなのだろう。見回りのおじいさんが、食べ終わったころを見計らったように、蕎麦湯がたっぷり入った器をテーブルに配ってくれる。出汁がたっぷり残っているので、出汁に蕎麦湯を入れると辛くなる。空いたそばの皿で蕎麦湯と出汁を混ぜて、何杯も頂く。蕎麦湯も旨い。全国でそばを食べ歩いてきたが、五本の指に入れてよい店だと思う。