“樹気との対話”
- 3.5
- 旅行時期:2014/08(約11年前)
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by しそまきりんごさん(男性)
枝幸・中川・音威子府 クチコミ:60件
彫刻家、砂澤ビッキ氏の作品を展示している美術館です。小学校の廃校跡を利用した彼のアトリエだった場所ですが、建物の外観や彼の作風とは異なって、建物内はきれいに改装されています。ただ、壁には当時の在校生の名札が貼られたままになっていたり、ほうきやちりとりが掛けてあったりと、素材の雰囲気が活かされています。
漂泊の彫刻家、砂澤ビッキ氏は、昔、林業の盛んだったこの音威子府に移住し、創作活動にふけったそうです。円空仏を思わせるような荒々しい削り。入口から進むと冬の北海道の厳しい強風の音が流れ、彼の世界へといざなってくれます。
そして、彼のデスマスク。穏やかそうで苦渋の影が潜んだ表情に見えました。そして最後の部屋は“樹気との対話”。樹気…。彼が死の5日前に残した言葉だそうです。彼が追い求め、ひたすら作品に吹き込み続けた言葉のように感じました。そして残された作品たちは、まるで彼の化身のごとく、今もその存在感をはなっています。
最後の部屋で、そんな彼の作品を観賞しようとしても、暗くて中に入れません。備え付けの懐中電灯で足下を照らしますが、それでも見えず、目が慣れないと、足下に何があるか分かりません。しばらく部屋の入口で目が慣れるのを待ちました。まるで作品のささやきが聞こえるようになるまで、心を落ち着かせているような…。彼に会うための儀式みたいでした。
部屋の中では、水が流れ、作品を鑑賞しやすいよう、椅子が置かれていました。心落ち着く空間で、静かに彼との“対話”を楽しむことができます。
- 施設の満足度
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3.5
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 2.5
- コストパフォーマンス:
- 3.0
- 人混みの少なさ:
- 4.0
- 展示内容:
- 3.5
- バリアフリー:
- 3.0
クチコミ投稿日:2014/09/04
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