高度な技術、失われつつある伝統を学べる貴重なお店

4.0
旅行時期：2013/12（約12年前）

by 月兎13さん（女性）

嵐山・嵯峨野・太秦・桂クチコミ：1件

小じんまりとした決して目立たない店ですが、いわゆる一般の和小物の店では決して入手できない味わいのあるハガキや便箋、紙が購入できます。

紙製品や扇子のほかに、和紙を糸状に撚って編み上げた帽子や敷物、和紙を織物に仕上げた小物入れや軽くしなやかな帯も扱っていらっしゃいます。

ここを訪ねた折に、店の女主人からいろいろなお話を伺うことができ、店の奥の帯などがあるコーナーにも案内していただきました。
特に、帯に関しては山形の宝来織に和紙が2～3割使用されていることは知っていましたが、嵯峨野工房さんの帯は材料がほぼすべて和紙とのことで、絹に比べてしなやかで強い和紙の帯は100年程は持つそうです。ただ、織りの技術の習得は大変困難で、今後継承していくのは難しいとのことでした。

こちらの工房では仏像の衣の修復も手掛けたそうで、その写真も店に展示してありました。

ふらりと立ち寄った小さな店にこれほど高度な技術があることを知り驚かされる一方で、高度な技術の継承が叶わず失われつつある伝統があることを知り残念に思いました。

お店の方は和紙に大変造詣が深い方ですので、特に和紙が好きな方や書道をなさる方は嵐山方面へ行かれるときにぜひ立ち寄っていただきたいおすすめのお店です。