東大寺二月堂修二会の期間中、参籠する練行衆(お坊さんたち)が一日にたった一食だけ頂ける食事を模した精進料理「二月堂由緒料理...
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これを奈良公園内にある料理旅館:青葉茶屋でのみ一般人も頂く事が出来ます。
奈良の定期観光バスで修二会のコースに参加すると、国立博物館の修二会の特別展などを見た後16:30~団体客として旅館でこの精進料理を食べられることを発見したのですが、旅のプラン上、個人で、しかも一人でお昼に頂いてみたいと思いました。
駄目モトで電話で問い合わせると大変丁寧な応対で、「そこまで興味を持ってお問い合わせ頂いたのですから、お一人でもお部屋が空いていればお受けいたします。」とのこと。
ラッキー! 後で分かったのですがそれは女将さんでした。流石です。
もうこの予約の電話だけでほのぼのとし、お料理に期待が持て奈良行きが楽しみになりました。
宿の前には多くの鹿たちがたむろしているのを見ながら時間調整。
予約時間の12:00ジャスト、宿の玄関に。
宿自体は年季が入っていてそれなりですが、通されたのは眺めのいい個室。既に暖房が程よく効いています。
料理は御主人が担当だそうです。
先ず、ウェルカムでおはぎと塩茶が出て来ました。
その後、最後のお抹茶と和三盆を使った釣鐘菓子まで、写真のお品書きのとおり(多少順番は前後しましたが)一品ずつ丁度いい頃合いで運ばれて来ました。
「きゅうり・梅干し・大和柿・三輪素麺の天ぷら」なんていうのも初めてお目にかかりました。
朱塗りの大きなお盆は「練行衆盆」といい、福井で塗られている物との事。
食堂作法では本来食べ終えた食器を置くお盆として使われるそうです。
圧巻は大きな朱塗りの鉢に盛ったお茶の葉が散らされた大量の御飯。
練行衆にはしゃもじを差した御飯の鉢がそれぞれ供されるそうです。
「あの~、一人なのでいくら何でもこんなに沢山持って来ないで下さいね。」と、お願いすると、
「しゃもじは立てなければならないのでそれなりにお持ちします。」とのこと。
練行衆は残しておいた御飯を外で投げて鳥獣に施す「生飯(サバ)投げ」を食後に行うのが作法で、御飯は余る程出すのがこの精進料理の特徴なんだそうです。
お昼御飯に客を取ったお部屋は、その日は夕食のみの客も宿泊者も取らないそうです。
だから、「食後昼寝をしていっても構わないのでゆっくりして下さい。」との女将さんの弁。
修二会の期間中は宿泊者の夕食は基本的にこの「二月堂由緒料理」だそうです。
ネットからだと一人客は宿泊申し込みは受け付けていないのですが、電話で問い合わせれば場合に拠っては一人での宿泊も可能だそうです。
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投稿日:2016/03/16