こちらのお店、場所は西麻布の通称“ビストロ通り”から小道を20mほど入ったところにある一軒家です。エントランスを入ってビル...
続きを読むの1階はカジュアルな「ビストロボーテ」、脇の階段を上がって2階に「アムール」があります。
店内は4人掛けの丸テーブルが数席と2人掛けのテーブルが2卓ほど。あわせても20席ほどだと思います。天井は高くありませんが、空間を贅沢に使ったテーブル配置なので落ち着いた雰囲気のもと、ゆったりと食事を楽しむことが出来ます。
メニューは“シェフのスペシャリティ”のワンコース(13000円)のみ。
スペシャリティのコースは、後藤シェフがこれまでに培ってきた料理の集大成とも言うべきコースで、メニューには、各品の左に「2009」「2011」などの年号が記載されています。これは、初めてお客さんに提供した年を表すのだそうです。
その年号の記載からは、後藤シェフが「エキュレ」の初代シェフ時代に提供していた品が多いことが窺い知れます。
この日いただいたコースは、アミューズに始まり、小さなお皿に盛られた前菜が4皿、続いて「とかちマッシュとカワハギ」「ホタテ貝とカリフラワー」「フォワグラとセップ」と続き、メインの「シャラン鴨」へとつながります。
更には「タルトタタン」「ショコラとドライフルーツ」と、デセールが2皿。
食後の飲み物は「ブルーマウンテン」「ダージリンティー」「フレッシュハーブティー」「リキュール」から選べ、同時に供されるミニャルディーズは、大きなお皿に盛り合わせになって出てきます。
前菜にも大ぶりの鮑を使っていたり、鱧を食材としたりと、高価な食材を惜しげもなく使っています。
ソムリエの方の説明では「コースは和のテイストが入ったものからスタートし、徐々にフレンチに移行していく」との事。
確かに「鮑」「鱧」などの食材をメインに、やや和テイストで仕上げた品から始まり、フォワグラ、そしてメインの鴨と、フレンチの流れで締めくくるコースでした。
前菜のひと皿ひと皿からメインに至るまで、素材の選択から味付け、ソース、全てが繊細かつ絶妙に掛け合わされた、至福のお皿の連続です。
アミューズから、カフェ、ミニャルディーズまで入れると、全部で12品からの構成です。かなりの量を食べていると思うのですが、女性も無理なく完食でき、非常に高いレベルで満足感を味わえる素晴らしい晩餐でした。
更にお会計時の嬉しい驚きとしては、13000円というコース料金に、税・サービス料、ミネラルウォーター代までが含まれている事。コストパフォーマンスの高さを実感しました。
食事のクオリティはもちろんの事、お店の門をくぐり、3時間半後にお店の前でお見送りいただくまでの時間を、非常に高いレベルでプロデュースされた、そのセンスと能力、努力を賞賛したいと思います。
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投稿日:2013/01/20