今年(2017年)はドイツの旅に代り、5月から関東近辺の小旅行をしている。
今日は以前から気になっていた千葉の名所旧跡を...
続きを読む訪ねることにした。
日本の小旅行⑤:匝瑳・飯高檀林・松山庭園美術館、旭市・刑部岬・防災資料館(2017年11月26日~11月27日)と称して1泊2日の小旅行をした。
27日、かんぽの宿旭を出て、旭市飯岡の侠客たちの墓や碑を巡った。
これに続いて、2017年12月1日に下総の侠客たちが争闘を繰り返したという利根川沿いの東庄町(とうのしょうまち)を訪れた。
<東庄町・天保水滸伝遺品館>
〒289-0601 千葉県 香取郡東庄町 笹川580-1
開館:9時~17時 休館日:月曜日 、入場券200円
浪曲や講談で有名な「天保水滸伝」は、土地を潤す利根川と共に、昔から語り伝えられてきた東庄(江戸末期の千葉県の東総地域)が舞台になり、地元の笹川の繁蔵と漁師町・飯岡の助五郎、二人の侠客の勢力争いの物語である。
天保水滸伝遺品館には天保水滸伝にちなんだ文化財50点が保存されている。
笹川の繁蔵の手配書である高札が最初に目に入った。
高札は天領・私領の区別なく巡回し、治安の維持や犯罪の取り締まりにあたったほか、風俗取締なども行っていた関東取締出役(かんとうとりしまりしゅつやく、俗称で八州取締役)の手配人相書きである。
現代で言う、指名手配書であり、正式には「警察庁指定被疑者特別指名手配」と称する。
笹川繁蔵が愛用していたキセル、三度笠、平手造酒愛用の手鎗、徳利、勢力富五郎(せいりきのとみごろう)の短筒など当時の侠客の風俗を物語る遺品や重要文化財として保存されている古文書などが展示されているから面白い。
展示品は個人所有のもので何人もの人が関わっているそうだ。
下総の地は関八州(上野・下野・常陸・上総・下総・安房・武蔵・相模一円)の地、博徒とか侠客といった人種が大手を振って活躍?!していた地域ですが、面白いことに天保水滸伝遺品館には「明治23年版と称する・・・近世侠客有名鏡」の展示がありました。
映画や小説で知っていた、錚々たる名前がそれに掲載されていました。
大関には関東一の大親分と称された武州・大前田英五郎、関脇に「赤城の山も今宵限りか」の名文句で知られた上州・国定忠治がすわり、勧進元には浅草・新門辰五郎、下谷・幡随院 長兵衛、会津・会津の小鉄、それに名前も知らなかった京橋・金看板甚九郎、浅草・花川戸の助六の名があります。
下総の笹川(岩瀬)の繁蔵、勢力富五郎と飯岡の助五郎は前頭に、「次郎長三国志」で有名な駿河・清水港の長治郎(清水の次郎長)、甲州・黒駒の勝蔵も前頭です。
関八州を中心に、東日本(奥州、信州など)の侠客を番付表にしたもので、この地が幕府の直轄領(天領)、直参旗本の領地、寺社領、大名領の飛び地が多く、「関東取締出役(かんとうとりしまりしゅつやく、俗称で八州取締役・・映画・TVにもなっている)」を必要とする、一種治外法権の地であった様子が伺われます。
それにしても天保水滸伝関連の映画作品の数々には一寸驚いた。
前館長で、現在は東庄郷土史研究会の顧問である海上 義治氏のご丁寧なご案内を受けた。
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投稿日:2022/05/21