寝屋長者屋敷跡は寝屋川市寝屋2丁目で 最寄駅のJR学研都市線「星田」下車、駅前通りを西へ約300m、不二鉄工所の前にある。...
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寝屋川市には「鉢かづき姫」の伝説があり、鉢かづき姫が育ったとされる寝屋長者屋敷跡がある。寝屋川市は「鉢がづき姫」をモチーフにした「はちかづきちゃん」をマスコットにした「案内碑」を寝屋川市内の寺社仏閣、史跡などを置いており、観光客の目を楽しませている。
「寝屋長者はちかづき」の伝説は河内の国交野郡の寝屋長者といわれ1279年頃実在していたという寝屋備中守藤原実高が、大和の長谷寺の観音に祈願して女の子を得たことにはじまる。「鉢かづき姫」の主人公・初瀬姫が十三歳のとき、母が病気になって死ぬ直前に姫の頭に、物をのせ、その上に大きな“はち”を冠らせて、“さしも草深くぞたのむ観世音ちかひのままにいただかせぬる”と歌を詠んだら“はち”は姫の頭から取れなくなった。鉢かづき姫は父・藤原実高の後妻にいじめら屋敷から追い出され山陰三位中将(やまかげさんみちゅうじょう)という公家の湯殿番をすることになった。
鉢かづき姫は山陰三位中将の四男の御曹子宰相(さいしょう)の君と恋仲になり二人の仲を許さない周辺の人たちは「嫁くらべ」を催そうとし二人は駆け落ちしようとすると、「はちかづき」の冠っていた“はち”が前に落ち、金、銀、豪華な衣装など宝物がざくざくと出てきた。“はち”のとれた姫は美しく「嫁くらべ」でも両親に喜ばれ結婚を許された。
父寝屋実高は出家し宰相の君は相続者となり、宮中に出仕・出世し二人には三人の子どもができた。鉢かづき姫が幸福に感謝し長谷の観音にお礼に参ると父寝屋実高の修行僧姿に会い、喜びを分かち合ったというハッピーエンドだ。
継母にいじめられるが辛抱してまじめに自分の役割に一生懸命に努めていると幸せになれるという「日本版シンデレラ」の伝説で日本中で知られている昔話だ。
寝屋長者屋敷跡近くには鉢かづき姫と、その母の照見の方が、信仰していたといわれる千手観音立像が安置されている西蓮寺(さいれんじ)もあり、周辺は寝屋長者のように大きな旧家が並んでいる。
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投稿日:2012/01/04