「金沢21世紀美術館」へのアクセスは、「JR金沢駅東口」の7番のりばから「城下まち金沢周遊バス」(右回りルート)に乗り、「...
続きを読む広坂・21世紀美術館」停留所で降りて徒歩1分ほどです。
しかし、残念ながら2024年1月1日に石川県能登地方で発生したM7.6の「令和6年能登半島地震」で施設内の一部が損傷しているということで、有料エリアへは入館することができず、「金沢21世紀美術館」の外周にあるアート作品と無料エリアの見学のみになりました。楽しみにしていた「レアンドロ・エルリッヒ」作の通称「レアンドロのプール」は、地下から見ることができませんでした。とりあえず、見ることのできなかったアート作品等については、事前に調べた「金沢21世紀美術館」の情報を発信したいと思います。
「金沢21世紀美術館」への入口は、「広坂口」(北口)、本多通り口(東口)、「柿木畠口」(南口)、「市役所口」(西口)がありますが、「広坂・21世紀美術館」停留所からは、「広坂口」(北口)又は本多通り口(東口)になります。
「金沢21世紀美術館」は、平成16年 (2004年)10月に建設された地上1階、地下1階建ての建物で、円形の総ガラス張りとなっていて、全てが正面に見えるという不思議な構造で案内板がなければどこがエントランスか迷うほどです。それもそのはず、この建物のコンセプトは、円形の建物にすることで「正面」という概念がなく、いろんな場所から館内に入ることができるように設計されているそうです。それと美術館の外と中の境界をなくすために、外と接する壁は全てガラス張りになっているので、光が差し込む開放的な造りになっています。立地に関しては、「金沢21世紀美術館」は、愛称が「まるびぃ」で金沢市の中心に位置し、「兼六園」、「金沢城公園」などに隣接しているので、美術館賞をした後に効率的に観光名所を散策することができます。「金沢21世紀美術館」は、有料の「展覧会ゾーン」と「無料の交流ゾーン」に分かれていて、美術館内外に様々なオブジェやアートが点在しています。「草間彌生」、「横尾忠則」、「アンディ・ウォーホル」など1980年以降に制作された国内外の現代美術作品を多数所蔵しています。特に人気が高いのは、「光庭」のひとつに設置された「レアンドロ・エルリッヒ」作の通称「レアンドロのプール」と呼ばれている「スイミング・プール」です。「レアンドロのプール」は、水中から水上を見上げる不思議な体験ができる有名な作品で、また、地上から覗くとまるでプールの中に人が入っているように見え、プールを介して地上と地下で人と人が交流することができる体験型の作品です。
「金沢21世紀美術館」の見どころは、建物と館内に収蔵されている作品ばかりではありません。美術館を囲む芝生には、代表的な作品として、音の迷宮である「フロリアン・クラール」作による「アリーナのためのクランクフェルト・ ナンバー3」、色の三原色を活かした「オラファー・エリアソン」作による「カラー・アクティヴィティ・ハウス」など様々なオブジェやアートが点在しています。
「金沢21世紀美術館」には、ガラス張りの開放的な空間がおしゃれなカフェレストラン「Fusion21」があります。ランチやディナーは、加賀野菜をはじめ旬の地元食材を取り入れたメニューで、また、ビュッフェ式のランチや金沢の老舗ケーキショップ「メープルハウス」が手掛けるスイーツなど、充実した内容です。ちなみに、「カフェレストラン「Fusion21」のコンセプトは、「美術館で第2の感動」だそうです。
「ミュージアムショップ」は、丸くフェンスに囲われた2つの「ミュージアムショップ」があります。「Shop1」では開催中の特別展オリジナルグッズやデザイン性に優れたグッズやアート関連の書籍などです。「Shop2」では、現在は海外のアートブックや開催中の展覧会オリジナルグッズやカタログなどを展開しております。
《「金沢21世紀美術館」のお薦め鑑賞順路》
まずは、「金沢21世紀美術館」の屋外に配置されている恒久展示作品とその他の展示を見てから館内を見学することにしました。また、館内へは「柿木畠口」(北口)から入場しました。若干の順路のズレはありますが、この順番で見学してみました。
01_[屋外]
①「カラー・アクティヴィティ・ハウス」オラファー・エリアソン作⇒
②「ラッピング」LAR/フェルナンド・ロメロ作⇒
③「乙女の像」畝村直久作⇒
④「アリーナのためのクランクフェルト・ ナンバー3」フロリアン・クラール作⇒
⑤「球体のパビリオン まる」妹島和世、西沢立衛作⇒
⑥「ドロップチェア」
02_[館内]
①「ブルー・プラネット・スカイ」(タレルの部屋) ジェームズ・タレル作⇒
②「市民ギャラリー 2004.10.09 -2005.03.21」マイケル・リン作⇒
③「緑の橋」パトリック・ブラン作⇒
④「雲を測る男」ヤン・ファーブル作⇒
⑤「スイミング・プール」レアンドロ・エルリッヒ作⇒
⑥「あなたは自分を再生する」ピピロッティ・リスト作⇒
⑦「L'Origine du monde」アニッシュ・カプーア作⇒
⑧「SANAAチェア」
01_【「金沢21世紀美術館」の見どころ】
⑴ 屋外展示(恒久展示作品とその他の展示)
① 「カラー・アクティヴィティ・ハウス」オラファー・エリアソン作
「広坂口」(北口)付近に設置されている「カラー・アクティヴィティ・ハウス」は、コペンハーゲン(デンマーク) 生まれ作家の「オラファー・エリアソン」の作によるものです。平成22年(2010年)に制作された「カラー・アクティヴィティ・ハウス」は、色の三原色であるシアン、マゼンタ、イエローの色ガラスの壁が、一点を中心に渦巻き状のパビリオンを形成しています。渦巻き状の壁の間を進むと、まさに、光のイル―ジョンで、異次元の光の世界にいるような感じです。
② 「ラッピング」LAR
「広坂口」(北口)入口手前付近に設置されている「ラッピング」LARは、メキシコ・シティを拠点に活躍している「フェルナンド・ロメロ」の作によるもので、平成17年(2005年)に制作されました。「ラッピング」LARは、6つの突起があり子どもが内部に入って遊ぶこともできるようになっています。
③ 「アリーナのためのクランクフェルト・ ナンバー3」
「アリーナのためのクランクフェルト・ ナンバー3」は、「金沢21世紀美術館」の建物を取り囲む芝生に設置された12 個のチューバ状に開いた筒で、旧西ドイツのシュトゥットガルトうまれの「フロリアン・クラール」の作によるもので、平成16年(2004年)に制作されました。「アリーナのためのクランクフェルト・ ナンバー3」は、地中を通る管が2 個ずつペアでつながっていて伝声管の役割を果たしています。このペアはかならずしも隣同士のラッパではなく、思わぬところへ声が伝わり、思わぬ声が聞こえてくるそうです。大人も子供の楽しめるオブジェです。ちなみに、ドイツ語の作品タイトルの意味は、「音のフィールド」です。
④ 「球体のパビリオン まる」
「球体のパビリオン まる」は、平成26年(2014年)の「金沢21世紀美術館」開館10周年を記念して、「金沢21世紀美術館」を設計した日本の建築家ユニット「SANAA」の妹島和世、西沢立衛によって制作された作品です。直径1.8mのステンレスの鏡面の球が16個集まって全体とし1つの球となる形のオブジェです。「まる」は内部に入ることもでき、中に入ると鏡面に小さな自分がたくさん写り込んで、どれが本当の自分か分からなくなってしまいそうでした。ここもまた大人も子供の楽しめるオブジェです。
⑤ 「ドロップチェア」
「ドロップチェア」は、「金沢21世紀美術館」の建物を取り囲む芝生に設置された銀色に光り輝くユニークな形の椅子です。ちなみに、この「ドロップチェア」をデザインしたのは、「金沢21世紀美術館」を設計した「SANAA」です。柔らかなカーブを描く丸い椅子は、「雫」(drop)の形をしているからドロップチェアと呼ばれるそうです。丸く、和を描くように並べられているので、グループや家族でもくつろぐことができます。「SANAA」がデザインした椅子には、この他にも「ラビットチェア」や「フラワーチェア」があります。
⑵ 屋内展示(恒久展示作品とその他の展示)
① 「ブルー・プラネット・スカイ」(タレルの部屋)
「柿木畠口」から入った所にある「ブルー・プラネット・スカイ」は、人間の知覚体験に働きかける作品で、米国ロサンジェルス生まれの作家の「ジェームズ・タレル」の作によるもので、平成16年(2004年)に制作されました。「ブルー・プラネット・スカイ」に入ると、正方形の天井の中央部分にある正方形に切り取られた空へと視線が自然と向かいます。そして、ここで年間を通じて、四季を通じて朝から夜まで絶え間なく変化する光を体感することができます。この何の変哲もないような空間ですが、私たち自身が普段は気づいていない何かを感じます。
② 「市民ギャラリーA」
「ブルー・プラネット・スカイ」から先に進むと、「金沢21世紀美術館」の人気スポットの一つである「市民ギャラリー」があり、無料の休憩コーナーです。台湾の現代美術家である「マイケル・リン」の制作による「市民ギャラリー 2004.10.09 -2005.03.21」があります。「交流ゾーン」の「市民ギャラリーA」展示室にある壁の一面を使ったこの作品は、伝統工芸の「加賀友禅」をモチーフにして作られた作品で、「加賀友禅」の古典図案から構想された花模様が壁いっぱいに広がる空間で、まさに休憩スペースでなく、一つの美術館そのものです。現代と伝統をうまく折衷した作品であると思います。また、壁の前に置かれた「ロッキングチェア」は、これまた《SANAA》とのコラボレーションによるもので、ひとつひとつ柄のデザインが違っているのが特徴です。「ロッキングチェア」は、かわいらしい、華やかな花模様が描かれたオシャレな椅子でという感じです。
③ 「緑の橋」
「市民ギャラリーA」の右手には、「緑の橋」があります。「緑の橋」は、フランスのパリ生まれの「パトリック・ブラン」作で、ガラスの廊下をまたぐようにつくられています。「緑の橋」は、平成16年(2004年)に制作され、壁の両面に植栽されているのは、金沢の気候に適した約100 種類の植物で、日射量等の条件が異なる南北の各面で、それぞれ条件に適した植物が植えられているそうです。
④ 「雲を測る男」
「雲を測る男」は、ベルギーのアントワープ生まれ作家である「ヤン・ファーブル」の作によるもので、平成10年(1998年)に制作されました。「雲を測る男」は、アメリカの映画の「終身犯」から着想を得て制作されたそうです。この「雲を測る男」由来は、監獄に入れられた主人公が独房で小鳥を飼い、鳥類学者となった実話に基づいていて、映画の終わりで研究の自由を剥奪された主人公が、「今後は何をして過ごすのか」と問われ、「雲でも測って過ごすさ」と答えたそのセリフが題名になったそうです。
⑤ 「スイミング・プール」
「スイミング・プール」は、「金沢21世紀美術館」の「光庭」にあり、一番人気のスポットです。「スイミング・プール」は、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれの作家「レアンドロ・エルリッヒ」の作によるもので、平成16年(2004年)に制作されました。「金沢21世紀美術館」の象徴ともいえるこの有名な作品は、地上と地下で異なった見えかたが面白いので、特に、上から見るとプールの中を人が歩いているように見え不思議な感覚にとらわれます。ちなみに作品のトリックは、波立つプールを見下ろすと、あたかも深く水で満たされているかのように見えますが、実際は、透明のガラスの上に深さ約10センチの水が張られているだけで、ガラスの下は水色の空間となっているそうです。
⑥ 「あなたは自分を再生する」スイスのラインタール生まれ
何と驚くなかれ「金沢21世紀美術館」の「展示室3」と「展示室12」の付近のトイレの中にも芸術作品があります。それは、「あなたは自分を再生する」という作品です。「あなたは自分を再生する」は、スイスのラインタール生まれの作家「ピピロッティ・リスト」の作で、平成16年(2004年)に制作されました。「ピピロッティ・リスト」は、誰もが必要とする浄化の場所であるトイレを神聖な場所に見立て、30センチ四方の祭壇を設け、中にクリスタルと美術館をモデルとしたオブジェを配しました。
⑦ 「L'Origine du monde」
「金沢21世紀美術館」の「レクチャーホール」の付近に、インドのムンバイ生まれ「アニッシュ・カプーア」の作による「L'Origine du monde」があります。「L'Origine du monde」は、平成16年(2004年)に制作され、展示室に入ると一面を構成する傾斜したコンクリートの壁面に、巨大な黒い楕円形が見えるシンプルな作品です。ちなみに、「L'Origine du monde」は、フランス語で「世界の起源」という意味で、19 世紀のフランスの画家「ギュスターヴ・クールベ」による同名の作品を参照しているそうです。
⑧ 「SANAAチェア」
「金沢21世紀美術館」には、先ほど取り上げた「ドロップチェア」と「ロッキングチェア」の他に、「うさぎの椅子」の愛称で親しまれている「ラビットチェア」、「フラワーチェア」があります。「ラビットチェア」は、うさぎの耳のような背もたれがキュートな椅子で、「柿木畠口」(南口)と「市役所口」(西口)の中間あたりにあります。「フラワーチェア」は、見た目は三枚の花弁を持つ花のようでもあり、三つ葉のクローバーのようにも見えます。設置されている場所は、地下一階、エレベーター付近です。
02_【「金沢21世紀美術館」の一口メモ】
⑴ 住所…〒920-8509 石川県金沢市広坂1丁目2-1 電話:076-220-2800
⑵ 開館時間…①展覧会ゾーン:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで) ②交流ゾーン:9:00~22:00
⑶ 休館日…①展覧会ゾーン:月曜日(休日の場合は直後の平日)、年末年始
②交流ゾーン:年末年始 *各施設の休室日は展覧会ゾーンに準ずる。
⑷ 入館料・展覧会観覧料について
美術館の建物への入館で「交流ゾーン」は無料ですが、「展覧会ゾーン」への入場は展覧会観覧券(有料)が必要となります。当日の窓口販売チケットは9時30分から閉場の30分前までです。
03_【「金沢21世紀美術館」へのアクセス】
バスを利用して「金沢21世紀美術館」へ
⑴ 城下まち金沢周遊バス
①城下まち金沢周遊バス右回りルート
・バス乗り場:「JR金沢駅東口」(7番のりば)
・6停留所目(「兼六園下・金沢城(石川門向い)」の次の停留所) 所要時間約15分
・9時から17時の間に1時間平均4便(始発8:35、終発18:05)
・「広坂・21世紀美術館」停留所で下車し「金沢21世紀美術館」まで徒歩1分75m
⇒バスは「広坂・21世紀美術館」停留所に停まるので下車した後、バスの進行方向と反対方向に50mほど戻ると横断歩道があります。左折して横断歩道を渡ると、前方に「金沢21世紀美術館」への小道があります。
②城下まち金沢周遊バス左回りルート ※2024年1月6日(土)から当面の間、左回りルートを運休
・バス乗り場:「JR金沢駅東口」(7番のりば)
・5停留所目(「本多町」の次の停留所) 所要時間約20分
・9時から17時の間に1時間平均4便(始発8:30、終発18:05)
・「広坂・21世紀美術館」で下車し「金沢21世紀美術館」まで徒歩1分75m
⇒バスは「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」停留所に停まるので下車した後、バスの進行方向と反対方向に50mほど戻ると横断歩道があります。左折して横断歩道を渡ると、前方に「金沢21世紀美術館」への小道があります。
⑵ [金沢駅前(東口)] ⇒[金沢学院大学行]≪北陸鉄道:18号(花里)≫
・バス乗り場:「JR金沢駅東口」(3番のりば)
・6停留所目(「香林坊(県道沿い)」の次の停留所) 所要時間約12分
・9時から17時の間に1時間平均2~4便
・「広坂・21世紀美術館」で下車し「金沢21世紀美術館」まで徒歩1分75m
⇒バスは「広坂・21世紀美術館」停留所に停まるので下車した後、バスの進行方向と反対方向に50mほど戻ると横断歩道があります。左折して横断歩道を渡ると、前方に「金沢21世紀美術館」への小道があります。
⑶ まちバス(金沢ショッピングライナー) ※土日祝日のみの運行
・バス乗り場:「JR金沢駅東口」(5番のりば)
・7停留所目(「近江町市場」の次の停留所) 所要時間約20分
・10時から17時の間に1時間平均2便
・「金沢21世紀美術館・兼六園(真弓坂口)」で下車し「金沢21世紀美術館」まで徒歩5分75m
⇒バスは「金沢21世紀美術館・兼六園(真弓坂口)」停留所に停まるので下車した後、バスの進行方向と反対方向に110mほど戻ると信号があります。左折して80mほど進むと、左手前方に「金沢21世紀美術館」への小道があります。
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投稿日:2024/03/26