2017/03/19 - 2017/03/20
194位(同エリア574件中)
jokaさん
二日目。
時間的に微妙かなと思っていた天狗岳登頂を押し込むことができて大満足のうちに終わった初日。
さて、二日目をどうしよう?
①空は見事に晴れ渡ったので再度天狗岳に登って絶景を見るか。
②それともまったく違うコースを歩くか。
これだけ快晴なら同じ状況に置かれたほとんどの人は①を選ぶと思いますが、同じ道を歩くことが好きではないわたしの選択は②。
結果としてみれば、登山ではなく完全なスノーハイクとなり、体を動かすという点ではほんのちょっと物足りなかったかな。
それでも、歩いている最中には誰一人とも行き会わず、アイゼンが雪を噛む音だけが響く静かな道中はとても心休まる楽しい楽しい時間でした。
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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4時50分起床。
1階の厨房ではすでに朝食の準備が始まってます。
昨晩は20時前には床に就きましたがなかなか寝付けず。テントだとあっという間なのですが、小屋泊はやっぱり苦手みたいです。たぶん“他人の縄張りにお邪魔してる”感がダメなんだと思います。
しかも真夜中近くに部屋の中から甲高い鳴き声が!
せっかくウトウトしかけていた時だったので、声で威嚇!?しただけでそのまま寝ちゃいましたけど……
何だったのか知りたいような知りたくないような……… -
炎の偉大さを知る。
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サンダルで外に出てみました。。
5時15分頃ですが、すでにほんのり明るいです。 -
テント村はとっくに始動しています。
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中に戻ると、先ほどまでは無人だった談話室にも少しずつ活気が出てきました。
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小屋の朝食は6時からなので、いったん部屋に戻って荷物をまとめます。
これは夜の間使ってたメガネを雪山用として偏光レンズに入れ替えているところ。
ふだんの生活ではメガネを使用していますが、山では雨滴が付着したり、汗の蒸気で曇ったりしたレンズをいちいち拭き取らないといけないのがめんどうで、基本的にはコンタクトを使用しています。
不器用なのである程度大きい鏡がないと装着にとても手間取るのが悩みの種。
小屋だと洗面所があるのでなんとか大丈夫だけど、テン泊の際がとても困ります。 -
黒百合ヒュッテでは冬の間洗面所の水が使用不可なので、洗顔シートやボディシートは必需品。もちろんテント泊にも。
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一通り準備を終えて、5時45分再度小屋の外へ出るとすっかり明るくなってました。
ここのところ比較的暖かい日が続いたためかつららも迫力がありません。 -
高校の山岳部集団が来ているため、圧倒的なダンロップ率。
昨日天狗岳に向かう際に通り過ぎたとき女子部員が男子部員に
「ね~ね~♪男子はテントの中でどんな話してるの?」
と聞いていたのを思い出しました。
どんな話をしたんでしょうね。
ちなみにこの頃がちょうど日の出時刻のはずです。 -
お仲間発見!
現在入院中のマイテントは赤い方の色違いです。 -
6時きっかり朝食開始。
おかずはちょっぴり寂しいですが、ご飯とみそ汁はおかわり自由です。
わたし自身は、朝からラーメンだろうがステーキだろうが焼肉だろうが何でも来いな体質だし、エネルギー効率を考えても朝食が一番高カロリーであるべきだと思うのですが、どうしてそんな当たり前のことが世の習慣として定着しないのか理解に苦しみます。黒百合ヒュッテ グルメ・レストラン
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卓上に出ている総菜を足してちょっぴり豪華にしてみました。
最初の一膳を席に着いて30秒で平らげると速攻でおかわり。
昨晩と同じく今朝もぶっちぎりの一番でした……
大盛二杯おかわりして7分で朝食終了。 -
朝食風景をパチリ。
わたし以外全員集合です。 -
部屋に戻って身支度を整えます。
室温は安定の11℃。
昨晩小屋のスタッフに今日のルートのトレース状態を尋ねると「この時期にそのルートはあまり人気ではないのでラッセル必要かも」と。
もしそうならシェルパンツを履いた方がいいのだけれど、暑がりのわたしにとってはなるべく避けたい選択肢。しばし悩んだ末“北八ヶ岳のメインルートの一つだし、いくらなんでもノートレースなんてことはないだろう”と判断してソフトシェル+ゲイターでいくことにしました。 -
一晩お世話になりました。
けっきょく謎の生物とはお目にかかることなく無事出発です。 -
平坦な道のりなのでピッケルもザックに付けて、アイゼンのみの手ぶらで歩きます。
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6時41分黒百合ヒュッテを出発です。
あんまり熟睡はできなかったけどいい小屋でした。黒百合ヒュッテ 宿・ホテル
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小屋から5分で中山峠。
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昨日は右の天狗岳方面に向かいましたが、本日は左手に進みます。
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今朝は快晴。
予報では今日は晴れだが強風が吹き荒れるとのことだったので、昨日の午後天狗岳登頂を強行しましたが、このくらいの風だったら今日でもよかったかな。
まあ、そのぶん人も増えるだろうから一概にどうこう言えないけど。
わたしの場合、どんなに絶景でも周囲に人が増えるごとに100点満点→80点満点→60点満点というように基準点が下がってしまうので、条件のいい状態で景色を満喫するというのがとても難しい。 -
誰もいない道っていうのはやっぱり気持ちがいい♪
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道の大部分は踏み固められていますが、ちょっとでも外れると簡単に太ももまで踏み抜いてしまいます。
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7時ちょうど、にゅう(乳)分岐です。
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ここを右に行くとにゅう(乳)経由で白駒池にたどり着きます。
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トレースはばっちり!よかった♪
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アポロチョコ発見。
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見渡せばあちこちに。
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これは……
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場所の問題なのか時間の問題なのか、このあたりの雪はサラッサラのパウダースノーで、いくら歩いてもつま先にまったく雪が付着しません。
気持ちよかったな♪
スマホの電波がバリバリに入るので、10分以上立ち止まって知り合いにメールを送ってたらすっかり体が冷えてしまいました。 -
たぶんここを登るんだと思う。
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7時45分、にゅう(乳)に着きました。
標高2352m、いちおうピークの一つです。 -
晴れ渡る空。
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山座同定は苦手です。
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にゅう(乳)を下るとひたすら樹林帯が続きます。
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写メがうまく撮れていませんが、倒木の上に一回り大きな同じ形で雪が積もってます。
芋虫というかモスラみたい。
どうしてこんな積もり方になるのでしょうか? -
開けた場所に出ました。
白駒池!?
にしては少し小さいか… -
白駒湿原だそうです。
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どうやら着いたみたいです。
けっきょくここまで誰にも会いませんでした。 -
8時24分、白駒池。
大きな池が全面凍っています。
煙が目指すのは高い所だけですが、バ〇は高い所だけでなく端っこや真ん中も大好きなので、無意識に池の中心に向かうわたし。白駒の池 自然・景勝地
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薄っすらとシュカブラ(雪上の風紋)ができてます。
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お仲間たくさん。
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来し方を振り返ってみた。
ほぼ池の中心です。 -
そこから建物が見える方へ向かってみる
建物周辺の岸辺には20人ほどが雪遊びをしているのが見えます。
黒百合ヒュッテを出発以来初めて見た人影です。
これだけ広い池なのに、なぜか岸から2~30mの範囲に固まってそこから動こうとしないため、池の中心部の氷が薄くなっていたりするのかと一瞬焦りました。 -
スノーシューの跡ですね。
実は昨年スノーシューも購入済み(諭吉4枚!!!)なのですが、スノーシューやらヒップそりやらの雪遊びにまったく興味が持てなくてどうしたものか困ってます。もちろん今回も持参する気ゼロ。
“時として雪山登山用具として有用だから購入した”なんてのは言い訳で、要するに“カッコよくてなんとなく欲しかった”からに過ぎません。
こうして改めて考えてみると、わたしが好きなのは楽しい道をひたすら歩いてテントに泊まることであって、正直景色ですらおまけ程度なんだなあと。ましてや山上でのアクティビティなんてどうでもいい。
もちろん晴れてる方がいいけど、それは景色云々というより歩いてて気持ちがいいから。
実に安上がりな性格です……
無駄に物欲さえなければ……… -
2015年から通年営業に変わったとのことですが、わたしが通った時には人気がなく、冬季閉鎖中なのかと思ってしまいました。
白駒荘 グルメ・レストラン
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あっちかな。
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目指す高見石小屋への道はこのようにとてもきれいに整備されています。
どうやったんだ、これ? -
8時58分、高見石小屋着。
到着時、スタッフ以外誰もいませんでした。 -
黒百合ヒュッテに比べると地味でこじんまりした印象ですが、こちらも雰囲気のいい山小屋として有名です。
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テン場は小屋前のこのスペースのみ。10張り前後が限界か。
そのうえ全体的に傾斜してるので平らな一等地は1、2か所かな。 -
つららはこちらの圧勝。
小屋のスタッフに喫茶室は開いてますかと尋ねると、「9時半からです」と。
残念!
仕方ないのでテラスのベンチで行動食のスナックを2本食べました。 -
小屋の裏には小屋名の由来となった高見石があります。
せっかくだから登っていくか。
小屋のテラスから先はアイゼン禁止なのですでにアイゼンは外してあります。
あらためて装着するのもめんどうなのでおそるおそるノーアイゼンで進みました。 -
1分で上まで。
小屋を振り返るとこんな感じ。 -
けっこう広い頂上部。
夜、星を眺めるのに最高の場所だと思います。 -
眼下には先ほどまで歩いていた白駒池がくっきりと。
高見石 名所・史跡
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9時15分、小屋前に戻って出発しようとするとスタッフが「軽食できます」と。
行動食食べちゃったけどせっかくなので寄ることにしました。 -
が、食事メニューはあらかた売り切れ。
三連休最終日だから仕方ないね。
というわけで三転、四転の末オーダー決定。 -
休憩スペースから見る限り黒百合ヒュッテよりもかなりこじんまりした印象ですが、実は定員150人と同規模です。
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先に提供された本格派のナンカレーを食べながらゆったり。
なぜか撮ったはずの写メがありませんでした。 -
天井にはランプがたくさん。
“らんぷと星空の宿”たる所以。 -
山小屋においてストーブは神様です。
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デザートはこちら。
高見石小屋名物“揚げパン”
ロールパンを揚げて砂糖とフレーバーをまぶしたものです。
“山で揚げたてが食べられる”
これこそが何よりの贅沢♪
いくつかある味のうち、きな粉と抹茶をいただきました。 -
9時34分、小屋を出発。
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入れ違いで団体さんが到着しました。
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あとはひたすら下るだけ。
体もほぐれてきたのでサッサと歩いていたら、トレース上にもかかわらずがっつり股下まで踏み抜いてしまいました。
ゆっくり歩いていれば問題なかったのでしょうが、勢いがついていたため踏み抜いた右足がそのまま引き抜けてしまい、体勢が低くなった左足に接触! -
やってしまった……
下のベースレイヤーまで貫通。
サクサク歩くのが好きだし、トレースを踏み外したわけでもないので避けられない事故だと思ってますが、懐には少々痛い。
まあシェルレイヤー履いていたら損害は倍では済まないのでツイてると言えないこともない…のか……ホントに?
そういえばアイゼンでパンツやゲイターに穴を開けたって話はよく聞くけれど、ケガしたって話は聞かないな。今回だって肌に密着しているベースレイヤーまでスッパリいってるのに足は無傷。とても不思議です。
太ももざっくりいってたら救助ヘリ要請の可能性だってあるわけだからやはりラッキーということにしておきましょう。 -
樹林帯をあるくことしばし。
いきなり開けた場所に出ました。 -
ここが賽の河原か。
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上を見ても
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下を見ても
気分爽快♪
地名と裏腹にとても気持ちのいい場所です。 -
無風にもかかわらず枝がなびいたまま固まってます。
ふだんどれほど強い風が吹いているか想像に難くない。 -
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『かさこじぞう』ならぬ『ニットキャップじぞう』。
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時間にすれば10分程度の道のりでしたが、歩くのがとても楽しい場所でした。
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渋の湯の登山口から黒百合ヒュッテ、高見石小屋へのコースタイムはほぼ同じですが、こちらの高見石小屋ルートの方が開けた場所が多くて歩いていて楽しめると思います。
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橋も沢も雪の中。
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入り口近くの分岐まで降りてきました。
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10時25分、渋の湯登山口です。
あまり時間が余り過ぎないように時間調整しながら歩いたつもりでしたが、予定より30分以上早く着いてしまいました。 -
川面の石の上の雪が凄いことに。
ホイップクリームのっけたみたいです。 -
アイゼンとゲイターを外します。
ぱっと見そんなに鋭いようには見えませんが、これがなかなかエグイんですよ。 -
当初の予定ではそのままバスに乗るつもりでしたが、出発時刻まで1時間以上もあるので急きょ計画変更。
バス停前にザックを置いて -
目の前の渋の湯さんへ。
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この立地だと登山客が多いのは当然。
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古びた昔ながらの温泉旅館の風情です。
受付で入湯料1000円を支払います。 -
長い廊下の突き当りのこちらが男子浴場。
入れ違いに人が出て行って貸し切り状態でした。 -
狭いながらも雰囲気あります。
露天風呂がないのが残念。 -
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髪と体を洗ってこちらに入ろうとすると
冷った~~い!
濁り具合と言い、見るからに効きそうですが…… -
こちらに入りました。
漬かり終わったら板を戻して蓋をする決まりのようです。 -
けっきょく最後まで貸し切りでした。
脱衣場にはドライヤーはもちろん鏡すらありません。
秘湯感たっぷり。 -
なるほど、源泉は冷たいんですね。
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風情あるなあ。
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リスのはく製。
小動物のはく製を見るとなんだかもの悲しい気持ちになります。 -
出発時刻11時35分の20分前にバス停に戻るとこの並び。
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11時18分バスがやってきました。
これがまさかの長椅子装備。街中を走ってる座席数の少ないタイプです。
満員の登山客を乗せるには不向きだと思うけどな~
三連休に人気の山域の登山口に行くバスとしてはかなり大胆な選択です。 -
約1時間で茅野駅着。
12時45分発の甲府行に乗り込みます。茅野駅 駅
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甲府駅で乗り換えて、13時59分石和温泉駅で下車。
もともとの計画では石和温泉で日帰り入浴をしたあと昼食だったため、余裕をみて16時15分発の特急の指定席をとっていましたが、渋の湯で入浴を済ませてしまったためそれだと時間が余りすぎます。
みどりの窓口で尋ねると、うまい具合に15時31分発のかいじに変更できました。
大学時代にサークルの旅行で訪れた時はもっと鄙びた印象だったので、垢ぬけた駅舎にびっくり。
20年以上も前の話だから変わって当たり前か。石和温泉駅 駅
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足湯もあります。
ここから歩いて15分ほどの店に向かうもまさかの昼営業終了!
ネットの情報では15時までとなっていたのに、店の前の表示が14時に書き換えられてました。
大好きな鶏もつ煮と生ビールで乾杯したかったのに…
仕方ないので連食予定だった2軒目に向かいます。石和温泉駅前公園あしゆ 温泉
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というわけで14時28分、やっとのことで目的地に到着です。
『三角屋』0552-62-2942
創業明治42年という日本最古クラスのラーメン屋。
とはいえ、2017年現在、現存する最も古いラーメン屋は兵庫県尼崎市にある『大貫本店』であるとする説が有力です。
あちらは大正元年創業。つまり創業年が本当ならば『三角屋』がラーメンの提供を始めたのは開店からしばらく経ってからなのではないかと推定できます。三角屋 グルメ・レストラン
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おそらく近年改装されたであろう店舗ですが、落ち着いた雰囲気で“現役バリバリの老舗感”が程よく感じられます。
わたしが地方のラーメン屋巡りをする際最も重視するのが、老舗の味を守りながら現在も地元住民に支持されているという点で、“流行りを追ってはいけない。でも枯れてもいけない”という絶妙なバランスが大切なんです。
いいね♪いいね♪ -
店内にはサインがいっぱい。
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三角屋さんに来たならやっぱり“ブドー酒(赤)”で“肉皿”をいただきたいところですが、高見石小屋から5時間水分を摂っていない身としてはビールを選ばざるを得ない。
本当なら一軒目でビールを補給してるはずだったので“ブドー酒”イケたのに。 -
こちらが三角屋名物の肉皿。
見ての通り桜肉(馬肉)の煮つけです。
チャーシューの切れ端と大根の漬物はアルコールの突き出し。
気が利いてますね。 -
かんぱ~い♪
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ビールをおつまみを楽しんだところでラーメンを注文。
昔ながらのオーソドックスなスタイル。
味?そんな野暮なことを行ってはいけません。
地元で長年愛されているラーメンが食べられる。その幸せを嚙み締めましょう。 -
ごちそうさまでした♪
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道路わきの狭い用水路に大きな鯉がたくさん。
人影を見ると情景反射でこちらを見上げながら口をパクパクしてました。 -
15時31分発の特急かいじで一路自宅まで。
予期せぬ小屋泊という形ではありますが、念願の雪山デビューが果たせて大満足の旅でした。
とはいえ天狗岳はあくまで入門レベル。アイスクライミングをやるつもりはさらさらないけれど、厳冬期の甲斐駒ヶ岳や唐松岳、五竜岳ぐらいには登れるようになりたいなと思うので先はまだまだ長い。
体力的には問題なくても、高所恐怖症のわたしが果たして雪山のナイフリッジを歩けるようになるのか我ながら甚だ疑問ではありますが、まああくまで目標ということで。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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黒百合ヒュッテ
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旅行記グループ 2017年3月北八ヶ岳
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