2016冬の北欧で女性2人はデザインと買い物に興じる③コペンハーゲン

2016/12/16 - 2016/12/23

ベストシーズンでないことは百も承知．いっそこの時期であればオーロラ鑑賞かとも思うが，いやそれも違う．自然界が魅せる神秘よりも，人の手で作った建築物や作品に美しさや感動を得るし，凍る空気に色をさすような，鮮やかで緻細な北欧雑貨を手にしたいから行くのです．
海外旅行経験は殆どない彼女と，毎回出鱈目に行き当たりばったりの自分とで，全くのトラブルなくとは当然いくはずもありませんが，気心知れた相手との1週間ってとても楽なもの．女子旅らしい旅って初めてかもしれません．

エリア コペンハーゲン(デンマーク)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 友人
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行なし）

ストックホルムからコペンハーゲンまで約5時間．驚いたのが，結構な数の犬たちも列に並んでいて，それでいて車内は一切鳴き声はしなかったこと．なんて皆お利口．
それにしても列車移動で困るのがスーツケースの置き場所．ガラスの腰を持つ今の私，決死の覚悟で頭上の棚に抱え上げようとしたところ，数席前の体格の良い老年男性が手伝ってくださいました．降りる際にも気掛けてくださり，おかげで無事3カ国目へ入国．旅先で出会う優しさって本当に嬉しくて，つくづく感謝です．

ストックホルム中央駅 駅

物語の舞台のような駅舎．石畳の歩道もかわいらしく普段なら好ましく思うのですが，スーツケースの車輪がよくまあ引っかかりその度，腰に響きます．ホテルまでの道中，それはもう慎重に慎重に歩いたこと．

コペンハーゲン中央駅 駅

それでも貴重なコペンハーゲンの夜をふいにする訳にはいかず，痛み止めを飲んでいざ夜のチボリ公園へ．滞在時間を考え，コペンハーゲンカードではなく乗り物なしの入場券を購入しました．しかし手元のガイドブックよりも若干値上がりしている模様．この旅あるあるです．
イルミネーションの美しさと，あとあまり寒くないことで，デンマーク，既に3カ国の中で一番好きな国確定．

チボリ公園 テーマパーク・動物園・水族館・植物園

入って早々，壁から生える白くま達に遭遇．いつも居るのかクリスマス仕様なのか．でも嫌いではないこのセンス．

ただの遊園地と侮るなかれ，本物とは，いい歳した大人2人が決してベストでないコンディションで臨んでも，一瞬で我を忘れはしゃがせてしまうものを言うのでしょう．
それにしても遊具の高さとか速さとか回転具合が，とても日本ではあり得ないもので，見ているだけで笑いが出てくる程でした．恐怖で．

夕食はチボリ公園内のレストランで．
デンマークといえば豚肉のようなイメージであったので，メインを選択．添えてあるじゃがいもの無骨な存在感がヨーロッパ大陸であることをつくづく思わせます．あとカールスバーク，この旅で一番美味しいビールでした．

グロフテン 地元の料理

ホテルのロビーがさすがというか，お洒落度ハイレベルの雑貨屋のよう．いいなあ，こんな部屋にしたいなあ．

コンフォート ホテル ヴェスターブロ ホテル

翌朝まずコペンハーゲン駅へ向かい，翌日の空港行きの時間を考慮しながら24時間のシティ・パスを購入．そのままバスにて街中へ．
出掛け先と滞在時間により交通カードの選択肢を最も考える都市でした．損をしたくないと思えば買ってしまった瞬間，滞在中の行動が決定されてしまうというか，行き当たりばったりに振るまいたいと思えば余裕を持った購入をやむをえず，うーん…貧乏症なのです．

クリスチャンスボー城 城・宮殿

クリンスチャンボー城側の，ガンメル・ストランド乗船場から乗るつもりでしたが，船は出たばかりで時間を持て余しそう．どうしたものか．

カナル ツアー アクティビティ・乗り物体験

歩いてストロイエまですぐに出たので，そのまま幾つかの店をウィンドーショッピング．
ロイヤルコペンハーゲン前で中を伺いながら健気に待つ子．ご主人さまはお買いもの中でしょうか．

ロイヤルコペンハーゲン 専門店

結局ニューハウン乗船場まで歩いてきてしまい，ここでちょうどよく出航となりました．もう少し青空が見えていれば最高だったのですが，元々雨の予報だったことを思うと，幸運と思うしかないのかもしれません．

ニューハウン 散歩・街歩き

後ろ姿だけですが，船上から人魚姫の像を拝見．図らずして世界3大がっかり像を2年続けて見ることになりました．ということは，来年はシンガポールか…．小便小僧も彼女も，特にがっかりという印象もないのですが．

人魚姫の像 モニュメント・記念碑

友人に，中行きたいでしょうと見透かされていた王立図書館．たぶん，時間があって1人だったらそうしていたでしょう．ストックホルムのそれとはうって変わって，近代的な外観です．ブラックダイヤモンドという異名にもだいぶ心をくすぐられるSF好きの性．

王立図書館（ブラック ダイヤモンド） 博物館・美術館・ギャラリー

約１時間のクルーズを終え，同じ場所で下船．昨夜から白くまをよく見るのはどうしてか．
このホテル前でもクリスマスマーケットがずらり軒並みそろえていました．身体がホットワインを欲するも，ごめんなさい，デンマーク通貨を持っていないのです．もう面倒で，カードだけで乗り切ることにしました．

D'Angleterre ホテル

お茶と昼食を兼ねて，ロイヤルコペンハーゲンのカフェで一休み．食事目的というよりは，ここまで来た記念に，という扱いで良いかもしれません．

ロイヤル カフェ カフェ

そう易々と買いやしませんが，文具，生活雑貨，家具，食器，時計，どの売り場というか展示も，これぞ北欧という造形にうっとり．コペンハーゲンではデザイン系の美術館には入りませんでしたが，百貨店を見ているだけで，それに近い満足が得られます．

イルムス ボーリフース (コペンハーゲン店) 専門店

その中でも出発前に男性誌で見つけたこちらの時計，LARS LARSENに夢中になってしまい，旅の記念に買って帰ると意気込んでいたのですが，２大デパートで手に入るとたかをくくっていたのが間違い．あれこれ彷徨い，最終的に４トラベルのＱ&Ａにて購入できるお店を教えていただいたのですが，時間上断念．日本では深夜帯だったでしょうに，ありがとうございます．

代わりにと言っては失礼ですが，ストロイエに路面店のあるSKAGENで，友人を巻き込み腕時計を購入．結果満足に至ります．実は旅先で免税対象となる額の買い物をしたのは初めてです．

夕刻ともなると賑やかな通りに明かりが灯り始めて，街全体のおとぎ話感が増すよう．

ストロイエ 散歩・街歩き

あれこれ寄り道をしながら，駅前の市庁舎まで歩いて戻ってきました．
突如ブルガリア人を名乗る男性に一緒に写真を撮ろうと声をかけられ，これは以前クレジットカードを盗られた時と同じ状況だと身がまえたのですが，おれは琴欧州の従兄なんだとか，息子はスモウレスラーにするんだとか散々軽口を叩いた揚句，ありがとう，サヨナラと言ってその後，奥さまと息子と合流し去っていきました．疑ってごめんよ…。

コペンハーゲン市庁舎 建造物

チボリ公園を眺めるアンデルセンさん．思っていたよりも大きな像です．
童話と触れる年の頃は，誰のものであるかなど気にもせず読み聞きしていましたが，彼のお話は結構哀しみを纏ったものが多いのですよね．

アンデルセン像 モニュメント・記念碑

最終日は移動だけ．なんせ初心者なもので，免税手続きにかかる時間に恐れをなし，市街地から15分で着く空港に3時間以上前から向かいましたが，結果大した行列もなく，その上航空会社の出発カウンターは2時間前にならないと開かないという待ちぼうけをくらうことに．まあ，免税できない乗れないよりはずっとましですし．

コペンハーゲン中央駅 駅

コペンハーゲン国際空港からフィンランド経由で帰ります．乗り継ぎの際に感じたのが，フィンランドのアジア圏に向けた観光業がいかに成功したかということ．いやはや見事．街の具合を思っても，ヘルシンキは抜きん出て観光され慣れしていると感じましたし．

カストルップ国際空港 (CPH) 空港

帰りの便，ふと覗いた窓から緑色の帯状のものが見えた様な見えない様な気がして，興奮気味に友人に声を掛けましたが，既にコンタクトを外した彼女に見えるのは夜の空だけ．手持ちのカメラに映る程のものではないし，機内アナウンスもなく確かめる術なし．しかし自分がオーロラと思えばそれがオーロラでしょう．生涯唯一かもしれませんし，見たことにしておきます．