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<br />1989年4月6日(木曜日)からアンティグアで、スペイン語学校へ通って、個人レッスンを受けている。<br /> 一週間とちょっとたって、学校も調子に乗ってきた。<br /><br />ただ、僕はアンティグアにずーっといるわけではない。<br />アンティグアでしばらく休んだあとは、中米を、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマと下っていく予定だ。<br /><br />そのために、すでに、ニカラグアのビザも取ってある。<br /> 先週の土曜日曜は、身体を休めるために、遅くまで寝て、ごろごろして過ごした。<br /><br />しかし、4月15日、16日の土曜日曜は、休みを利用してどこか観光したいね。<br />そう考えていたら、ホンジュラスの「コパン遺跡(COPAN)」の話があちこちから入ってくる。<br /><br />だったら、コパン遺跡へ行ってみよう。<br />コパン遺跡観光の起点は、グアテマラのチキムラという町。<br /><br />そのチキムラの近くには、キリグア遺跡というのもあるらしい。<br /> 金曜日の午後にアンティグアを出て、土曜にコパン遺跡、日曜日にキリグア遺跡を見ることにした。<br /><br />4月13日(木曜日)に、アンティグアで親しくしている、ワーホリ夫妻と会って、旅行計画を話す。<br /> 彼らは、グアテマラのビザを延長するために、グアテマラの国外に出て、72時間を過ごす。<br /><br />僕と一緒に、ホンジュラスへ行って、そこからエルサルバドルへ陸路国境を越えて、エルサルバドルからグアテマラへ戻ってくる計画。<br /> 4月14日のスペイン語レッスンが終わって、午後1時にドニャルイサで会うことにする。<br /><br />金曜日のレッスンで、僕のスペイン語教師オルガ先生に「今週末は、コパン遺跡とキリグア遺跡へ行きます」と言う。<br /> 「コパン遺跡は有名ですが、キリグア遺跡はなにがあるんでしょうか?」と聞く。<br /><br />すると、確か10センターボコインを見せて、そこに描かれた、ステラ(石柱)を見せてくれる。<br />キリグア遺跡には、たくさんの石柱が立っていて、それが有名らしいね。<br /><br />午後1時にワーホリさん夫妻と、「ドニャルイーサ」の2階で会う。<br />すぐに、アンティグアのバスターミナルから、グアテマラシテイ行きのローカルバスに乗る。<br /><br />ホンジュラス国境近くの町「チキムラ」へは、オリエンテ社のバスが走っているはず。<br /> 現在は、乗り換えの必要もなく、アンティグアから直行のバスが走っているらしいです。<br /><br />地図を見ながらオリエンテ社のバス乗り場を捜すが、これはすぐ見つかった。<br />グアテマラシテイはだだっぴろい上に、1989年には集中したバスターミナルがない。<br /><br />会社ごとに小さなオフィスがあるだけなので、バス会社の位置が間違っていると捜すだけで大変なことになるよ。<br />しかしオリエンテ社は、INGUAT(グアテマラ観光局)の地図通りの所にあった。<br /><br />2.5Q(1ケツァル=50円)払って地図を買った甲斐があったということだ。<br /> 道端にバスが止まっていて、出発寸前。<br /><br />バスは一応リクライニングシートだし指定席だが、古ぼけているのは致し方ない。<br />ここらで使っているのは全部、米国の中古バスという話だ。<br /><br />出発したのは午後2時半、何事もなく舗装道路を跳ばし、チキムラに着いたのは夕やみ迫る午後6時になった。<br />いきあたりばったりで中庭の広い「ウエスペーデ・リオ・ホルダン」を見つけて、今夜の宿とする。<br /><br />3人一部屋なら1人3Q(150円)とのこと。<br />しかし夫婦者と僕が一緒という訳には行かないよね。<br /><br />気を使って、ぼくはわざわざ7Q出して、別に1部屋取る事にする。<br /> 部屋の外の共同シャワーを浴びた後、中華料理屋でビールを飲みながら3人で食事をとり、その日は早く寝た。<br /><br />翌日は4時半に起きた。<br /> 生来気が小さいので、早起きの時は必ず夜中の1時、3時には目が覚めてしまう。<br /><br />この日も例外ではなく、そのせいで少し頭がぼーっとしている。<br /> 確認してあるのだが、チキムラからホンジュラスへ国境へのバスは、朝6時が始発だ。<br /><br />僕は今日中にコパンの遺跡を見て、またグアテマラまで戻ってくる予定なので、早く出る必要がある。<br />ワーホリさん夫妻はコパンの遺跡を見ることもあるが、もっと大きな目的がある。<br /><br />2人のグアテマラの滞在許可を更新するためなんだから。<br />だから、ワーホリ夫妻は、そんなに急いでいた訳ではない。<br /><br />ただ僕が、僕があいさつに行ったのかな、ワーホリ夫さんが、僕を見送りに来た。<br />ところが、バスの出発時刻に余裕があって、それで一緒に行くことになってしまった。<br /><br />確かに、国境を越える時は、他の人と一緒の方が、何かと心強いからね。<br />バスは午前6時にチキムラのターミナルを出て8時半に国境に着く。<br /><br />このバスは国境までしか来ない。<br /> 国境は普通の山道にあった。<br /><br />グアテマラとホンジュラスの国境のポストが10mほど離れて立っている。<br /> 一応道の真ん中に遮断機状のものがあって、交通を止めている。<br /><br />僕の場合は今日中に帰ってくるので、正式の出国とはならないようだ。<br />グアテマラ側で特別に5cm四方の普通の紙に、グアテマラの出国スタンプを押してくれた。<br /><br />つまり、正式に出国したことにはならず、グアテマラの入国状態は続いているわけだ。<br />ワーホリ夫妻は、ここで正式に出国するのが目的で、パスポートにスタンプを押してもらう。<br /><br />この国境は「コパンの遺跡を見るだけ」のために、日帰りで通る人が多い所らしい。<br /> 出国税が3Q、ホンジュラスのポストでは入国税10L(レンピーラ)を要求される。<br /><br />中南米の国境では国境を越えた所に必ず両替屋さんがいる。<br />レートは1Q=1.15L。つまり1L=約44円。<br /><br />この時期のレンピーラの公定レートはU$1=2Lで、実勢レートは3L。<br />つまり、1L(レンピーラ)は、正規のレートならば60円以上するわけだ。<br /><br />それが、実勢レートでは、40円ちょっと。<br /> 入国管理のポストの横で両替する、実勢レートが、実質的には正規レートだといってもいいだろうね。<br /><br />係官の目の前で、20Qを23Lに替えて、10Lを払う。<br />ここからコパンの遺跡までのバスを捜すと、「あれで行くのさ」と教えてくれる。<br /><br />見るとそれは、ありふれたピックアップトラックだ。<br /> 料金は最初5Lといっていたが、3人で運転手と交渉して一人3Lになった。<br /><br />しかしその後両替屋さんに聞くと、1人2Lが地元の料金だそうだ。<br /> 旅行者はどんなにうまくやったつもりでも、旅行者料金から逃げられないものさ(涙)。<br /><br />ワーホリ奥さんを、ピックアップトラックの助手席に乗せる。<br />もう1人がっしりしたアメリカ人と一緒に、ぼくらはピックアップの荷台に乗り込む。<br /><br />それから、国境から未舗装の山道を、いやあ跳ばすの跳ばさないのって、荷台にしがみついているのが精一杯だ。<br />アメリカ人の青年とも、出身地がモンタナ州というのを聞き出した話を止める。<br /><br />だって、振動で舌を噛みそうで、口の中が血だらけになってはいけないからね。<br /> 後は落ちないように荷台に体を固定するので精いっぱいだ。<br /><br />目をつぶっていると、ディズニーランドのスペースマウンテンみたいにがくんがくん揺れる。<br />このまま30分、コパンの町に着いた時にはすっかり疲れ果てていた。<br /><br />アメリカ人は町の中心のソカロ(広場)で下りて宿を捜しに行く。<br /> 僕とワーホリ夫妻は、そのまま町を通り過ぎて終点まで行って、バスを下りる。<br /><br />ここから遺跡までは歩いてすぐだ。<br /> 僕はとにかく、まずビールを飲む。<br /><br />SALVA VIDA(安全生命)とは生命保険会社みたいな訳の解らない名前のビール。<br /> 小びん1本で2L(90円)、良く冷えているので、おいしい!<br /><br />町から、ちょっと歩いて、コパン遺跡へ。<br />コパンの遺跡もなかなか良く整備されていた。<br /><br />入口で入場料4Lを払って建物の中に入ると、同じ建物の中が小さな博物館になっている。<br />そこから小道をたどり、林の中に入って行く。<br /><br />途中で日本人が2人歩いてくるのに出会う。<br /> 日本人旅行者はあきれるほどどこにでもいるが、ここまで来て出会うとはちょっと意外かな。<br /><br />情報を入手しようと一応挨拶してみると、青年海外協力隊だという。<br /> 適当に世間話をして別れる。<br /><br />土曜日なのに人が少ないのはとても嬉しい。<br />パレンケの遺跡に行った時が丁度セマーナサンタの休日にぶつかって、人で一杯だったが。<br /><br />チチェンイツアでも、日本からの団体とぶつかって押し合いへしあいして疲れてしまった。<br /> 1989年でも、中南米の遺跡も日本人旅行者でいっぱいだった。<br /><br />林を抜けて遺跡へのゲートをくぐり、しばらく歩くと急に開けた。<br /> 地図を見ると、ここが遺跡の中央広場みたいだ。<br /><br />確かに興味深い石碑が数本たっている。<br />グアテマラの有名なティカルの遺跡と比べると、こっちの石碑の彫りがぐっと深いのがわかる。<br /><br />石碑のマヤ文字が浮き彫りになっているのもきれいだし、双頭の亀の彫刻なんかもある。<br /> 可愛いので頭をなでたりする。<br /><br />右に曲がると見慣れた建物がある。<br />これはマヤのどの遺跡でもぶつかる球戯場だ。<br /><br />ここの球戯場はチチェンイツアのに比べるとぐっと小さい。<br /> 形も一番初めに見たオアハカ(メキシコ)のモンテアルバン遺跡のものを思い出す。<br /><br />そこを過ぎるとコパンの遺跡の真打ち、碑文の階段が現れる。<br /> 階段の中央にマヤの人像数体が立っている。<br /><br />今はその修復作業をやっているようだ。<br /> 更に奥に進むとピラミッドの中に入る道がある。<br /><br />懐中電灯を取り出して中へ入る。<br /> 通路はそれほど深くないが、奥で2つに分かれている。<br /><br />こういう思いがけないことを予期して、懐中電灯を持つというのは旅行者の常識だね。<br />コパンの遺跡をあっちへ行ったりこっちへ行ったり、上ったり下りたり、上から見たし下から覗いたする。<br /><br />2時間ほどうろついて、遺跡の外に出ることにする。<br /> 別の場所にも何やら遺跡があるらしく、ゲートを出た所に矢印があって道が続いている。<br /><br />疲れているがせっかくなので、ワーホリ夫妻と3人で励ましあって歩く。<br /> 道は林の中を曲がりくねってどこまでも続く。<br /><br />途中で白人旅行者3人が反対方向から帰ってくるのに会う。<br /> 何があるのか聞くが、「何もない」との返事。<br /><br />それでも進むと開けた所に出た。<br /><br />あれー!向こうに見えるのはコパン遺跡の管理事務所ではないか。<br /> 反対に歩いたのに、出発点に戻ってしまった。<br /><br />狐につままれたような気分だったが、また歩いて戻ることを考えると嬉しい。<br />この不思議な体験をワーホリ夫妻と僕は「コパンのミステリーゾーン」と名付けました。<br /><br />僕は、このまま、今日中にまた国境を越えて、グアテマラのチキムラへ戻ります。<br />ワーホリ夫妻は、コパンの町で泊まって、それからエルサルバドルへ向かうでしょう。<br /><br /><br /><br /><br /><br />

『ワーホリ夫妻と、ローカルバスでグアテマラからチキムラへ、翌日、ホンジュラスのコパン遺跡へ』@コパン/ホンジュラス

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1987/09/07 - 1990/05/05

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みどくつ

みどくつさん


1989年4月6日(木曜日)からアンティグアで、スペイン語学校へ通って、個人レッスンを受けている。
一週間とちょっとたって、学校も調子に乗ってきた。

ただ、僕はアンティグアにずーっといるわけではない。
アンティグアでしばらく休んだあとは、中米を、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマと下っていく予定だ。

そのために、すでに、ニカラグアのビザも取ってある。
先週の土曜日曜は、身体を休めるために、遅くまで寝て、ごろごろして過ごした。

しかし、4月15日、16日の土曜日曜は、休みを利用してどこか観光したいね。
そう考えていたら、ホンジュラスの「コパン遺跡(COPAN)」の話があちこちから入ってくる。

だったら、コパン遺跡へ行ってみよう。
コパン遺跡観光の起点は、グアテマラのチキムラという町。

そのチキムラの近くには、キリグア遺跡というのもあるらしい。
金曜日の午後にアンティグアを出て、土曜にコパン遺跡、日曜日にキリグア遺跡を見ることにした。

4月13日(木曜日)に、アンティグアで親しくしている、ワーホリ夫妻と会って、旅行計画を話す。
彼らは、グアテマラのビザを延長するために、グアテマラの国外に出て、72時間を過ごす。

僕と一緒に、ホンジュラスへ行って、そこからエルサルバドルへ陸路国境を越えて、エルサルバドルからグアテマラへ戻ってくる計画。
4月14日のスペイン語レッスンが終わって、午後1時にドニャルイサで会うことにする。

金曜日のレッスンで、僕のスペイン語教師オルガ先生に「今週末は、コパン遺跡とキリグア遺跡へ行きます」と言う。
「コパン遺跡は有名ですが、キリグア遺跡はなにがあるんでしょうか?」と聞く。

すると、確か10センターボコインを見せて、そこに描かれた、ステラ(石柱)を見せてくれる。
キリグア遺跡には、たくさんの石柱が立っていて、それが有名らしいね。

午後1時にワーホリさん夫妻と、「ドニャルイーサ」の2階で会う。
すぐに、アンティグアのバスターミナルから、グアテマラシテイ行きのローカルバスに乗る。

ホンジュラス国境近くの町「チキムラ」へは、オリエンテ社のバスが走っているはず。
現在は、乗り換えの必要もなく、アンティグアから直行のバスが走っているらしいです。

地図を見ながらオリエンテ社のバス乗り場を捜すが、これはすぐ見つかった。
グアテマラシテイはだだっぴろい上に、1989年には集中したバスターミナルがない。

会社ごとに小さなオフィスがあるだけなので、バス会社の位置が間違っていると捜すだけで大変なことになるよ。
しかしオリエンテ社は、INGUAT(グアテマラ観光局)の地図通りの所にあった。

2.5Q(1ケツァル=50円)払って地図を買った甲斐があったということだ。
道端にバスが止まっていて、出発寸前。

バスは一応リクライニングシートだし指定席だが、古ぼけているのは致し方ない。
ここらで使っているのは全部、米国の中古バスという話だ。

出発したのは午後2時半、何事もなく舗装道路を跳ばし、チキムラに着いたのは夕やみ迫る午後6時になった。
いきあたりばったりで中庭の広い「ウエスペーデ・リオ・ホルダン」を見つけて、今夜の宿とする。

3人一部屋なら1人3Q(150円)とのこと。
しかし夫婦者と僕が一緒という訳には行かないよね。

気を使って、ぼくはわざわざ7Q出して、別に1部屋取る事にする。
部屋の外の共同シャワーを浴びた後、中華料理屋でビールを飲みながら3人で食事をとり、その日は早く寝た。

翌日は4時半に起きた。
生来気が小さいので、早起きの時は必ず夜中の1時、3時には目が覚めてしまう。

この日も例外ではなく、そのせいで少し頭がぼーっとしている。
確認してあるのだが、チキムラからホンジュラスへ国境へのバスは、朝6時が始発だ。

僕は今日中にコパンの遺跡を見て、またグアテマラまで戻ってくる予定なので、早く出る必要がある。
ワーホリさん夫妻はコパンの遺跡を見ることもあるが、もっと大きな目的がある。

2人のグアテマラの滞在許可を更新するためなんだから。
だから、ワーホリ夫妻は、そんなに急いでいた訳ではない。

ただ僕が、僕があいさつに行ったのかな、ワーホリ夫さんが、僕を見送りに来た。
ところが、バスの出発時刻に余裕があって、それで一緒に行くことになってしまった。

確かに、国境を越える時は、他の人と一緒の方が、何かと心強いからね。
バスは午前6時にチキムラのターミナルを出て8時半に国境に着く。

このバスは国境までしか来ない。
国境は普通の山道にあった。

グアテマラとホンジュラスの国境のポストが10mほど離れて立っている。
一応道の真ん中に遮断機状のものがあって、交通を止めている。

僕の場合は今日中に帰ってくるので、正式の出国とはならないようだ。
グアテマラ側で特別に5cm四方の普通の紙に、グアテマラの出国スタンプを押してくれた。

つまり、正式に出国したことにはならず、グアテマラの入国状態は続いているわけだ。
ワーホリ夫妻は、ここで正式に出国するのが目的で、パスポートにスタンプを押してもらう。

この国境は「コパンの遺跡を見るだけ」のために、日帰りで通る人が多い所らしい。
出国税が3Q、ホンジュラスのポストでは入国税10L(レンピーラ)を要求される。

中南米の国境では国境を越えた所に必ず両替屋さんがいる。
レートは1Q=1.15L。つまり1L=約44円。

この時期のレンピーラの公定レートはU$1=2Lで、実勢レートは3L。
つまり、1L(レンピーラ)は、正規のレートならば60円以上するわけだ。

それが、実勢レートでは、40円ちょっと。
入国管理のポストの横で両替する、実勢レートが、実質的には正規レートだといってもいいだろうね。

係官の目の前で、20Qを23Lに替えて、10Lを払う。
ここからコパンの遺跡までのバスを捜すと、「あれで行くのさ」と教えてくれる。

見るとそれは、ありふれたピックアップトラックだ。
料金は最初5Lといっていたが、3人で運転手と交渉して一人3Lになった。

しかしその後両替屋さんに聞くと、1人2Lが地元の料金だそうだ。
旅行者はどんなにうまくやったつもりでも、旅行者料金から逃げられないものさ(涙)。

ワーホリ奥さんを、ピックアップトラックの助手席に乗せる。
もう1人がっしりしたアメリカ人と一緒に、ぼくらはピックアップの荷台に乗り込む。

それから、国境から未舗装の山道を、いやあ跳ばすの跳ばさないのって、荷台にしがみついているのが精一杯だ。
アメリカ人の青年とも、出身地がモンタナ州というのを聞き出した話を止める。

だって、振動で舌を噛みそうで、口の中が血だらけになってはいけないからね。
後は落ちないように荷台に体を固定するので精いっぱいだ。

目をつぶっていると、ディズニーランドのスペースマウンテンみたいにがくんがくん揺れる。
このまま30分、コパンの町に着いた時にはすっかり疲れ果てていた。

アメリカ人は町の中心のソカロ(広場)で下りて宿を捜しに行く。
僕とワーホリ夫妻は、そのまま町を通り過ぎて終点まで行って、バスを下りる。

ここから遺跡までは歩いてすぐだ。
僕はとにかく、まずビールを飲む。

SALVA VIDA(安全生命)とは生命保険会社みたいな訳の解らない名前のビール。
小びん1本で2L(90円)、良く冷えているので、おいしい!

町から、ちょっと歩いて、コパン遺跡へ。
コパンの遺跡もなかなか良く整備されていた。

入口で入場料4Lを払って建物の中に入ると、同じ建物の中が小さな博物館になっている。
そこから小道をたどり、林の中に入って行く。

途中で日本人が2人歩いてくるのに出会う。
日本人旅行者はあきれるほどどこにでもいるが、ここまで来て出会うとはちょっと意外かな。

情報を入手しようと一応挨拶してみると、青年海外協力隊だという。
適当に世間話をして別れる。

土曜日なのに人が少ないのはとても嬉しい。
パレンケの遺跡に行った時が丁度セマーナサンタの休日にぶつかって、人で一杯だったが。

チチェンイツアでも、日本からの団体とぶつかって押し合いへしあいして疲れてしまった。
1989年でも、中南米の遺跡も日本人旅行者でいっぱいだった。

林を抜けて遺跡へのゲートをくぐり、しばらく歩くと急に開けた。
地図を見ると、ここが遺跡の中央広場みたいだ。

確かに興味深い石碑が数本たっている。
グアテマラの有名なティカルの遺跡と比べると、こっちの石碑の彫りがぐっと深いのがわかる。

石碑のマヤ文字が浮き彫りになっているのもきれいだし、双頭の亀の彫刻なんかもある。
可愛いので頭をなでたりする。

右に曲がると見慣れた建物がある。
これはマヤのどの遺跡でもぶつかる球戯場だ。

ここの球戯場はチチェンイツアのに比べるとぐっと小さい。
形も一番初めに見たオアハカ(メキシコ)のモンテアルバン遺跡のものを思い出す。

そこを過ぎるとコパンの遺跡の真打ち、碑文の階段が現れる。
階段の中央にマヤの人像数体が立っている。

今はその修復作業をやっているようだ。
更に奥に進むとピラミッドの中に入る道がある。

懐中電灯を取り出して中へ入る。
通路はそれほど深くないが、奥で2つに分かれている。

こういう思いがけないことを予期して、懐中電灯を持つというのは旅行者の常識だね。
コパンの遺跡をあっちへ行ったりこっちへ行ったり、上ったり下りたり、上から見たし下から覗いたする。

2時間ほどうろついて、遺跡の外に出ることにする。
別の場所にも何やら遺跡があるらしく、ゲートを出た所に矢印があって道が続いている。

疲れているがせっかくなので、ワーホリ夫妻と3人で励ましあって歩く。
道は林の中を曲がりくねってどこまでも続く。

途中で白人旅行者3人が反対方向から帰ってくるのに会う。
何があるのか聞くが、「何もない」との返事。

それでも進むと開けた所に出た。

あれー!向こうに見えるのはコパン遺跡の管理事務所ではないか。
反対に歩いたのに、出発点に戻ってしまった。

狐につままれたような気分だったが、また歩いて戻ることを考えると嬉しい。
この不思議な体験をワーホリ夫妻と僕は「コパンのミステリーゾーン」と名付けました。

僕は、このまま、今日中にまた国境を越えて、グアテマラのチキムラへ戻ります。
ワーホリ夫妻は、コパンの町で泊まって、それからエルサルバドルへ向かうでしょう。





旅行の満足度
4.0

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