北中南米12か国を巡る弾丸旅行08～ボリヴァルが夢をかけた国（コロンビア）の首都、ボゴタ

2015/12/23 - 2016/01/02

　今回の旅行で、不思議に思っていたことがあった。それはエクアドル、パナマ、コロンビアにはシモン・ボリヴァルという政治家の像が必ず建ち、ボリヴァル広場とよばる広場が必ずあるのだ。

　ボリヴァルっていったい誰？？気になって仕方なかった。だって不思議ではないか！国が違うのにボリヴァルという人物は尊敬の念で観られているのだから。

　国境を越えて敬愛されるボリヴァルとはいったい何者なのだろうか？帰国後調べてみるとその人の偉大さが改めてわかった。ベネズエラ人でありながら、コロンビア、ペルー、ボリビアの大統領を歴任した驚くべき経歴。多くの部下を失いながらもアンデス山脈を越えスペイン軍を破り、コロンビアを建設したその行動力・・・。

　ボリヴァルは1830年にコロンビアで逝去し186年が経過した今、コロンビアはようやく平和を取り戻し、旅を楽しめるまでに治安も改善した。ボリバルという人物に少し触れながら旅行記を綴ってみたい。

　

～～～～～～旅程～～～～～～～～

12/23　関空6：40⇒羽田7：40
　　　 成田18：15⇒バンクーバー10：15（日本航空）
　　　※航空券はKIX～YVRを通してJALマイレージで手配
12/24　バンクーバー6：00⇒ロサンゼルス8：55（アラスカ航空）
　　　ロサンゼルス10：52⇒メキシコシティ16：51（アエロメヒコ）
12/25　メキシコシティ1：30⇒キト7：30（アエロメヒコ）
　　　 ※航空券はYVR～UIOを通してスカイマイルで手配
12/25　キト18：28⇒パナマ20：30（コパ航空）
12/26　パナマ11：50⇒サンペトロスーラ13：10
　　　（アエロリプブリカ）
※航空券はUIO～SAPを通してUAマイレージで手配
12/27　サンペトロスーラ7：05⇒エルサルバドル7：53（アヴィアンカ）　
　　　エルサルバドル8：35⇒ベリーズシティ9：40（アヴィアンカ）
　　 　※航空券はSAP～BZEを通して購入）
12/28　ベリーズシティ12:15⇒エルサルバドル13：20（タカ航空(AV)）
　　　エルサルバドル20：06⇒ボゴタ0：01（タカ航空(AV)）
　　　※航空券はBZE～BOGを通してUAマイレージで手配
12/29　ボゴタ18：08⇒パナマ19：54（コパ）
　　　パナマ21:20⇒マナグア22：07（アエロリプブリカ(CM))
　　　※航空券はBOG～MGAの通してUAマイレージで手配）
12/30　マナグア16：33⇒サンホセ17：45（ラクサ航空(AV))
12/31　サンホセ8:46⇒グアテマラシティ10：33（アエロリプブリカ(CM))
　　　※航空券はMGA～GUAを通してUAで手配）
12/31　グアテマラシティ19：25⇒メキシコシティ21：42（アエロメヒココネクト(AM))
1/1　　メキシコシティ7:05⇒ロス9：00（アラスカ航空）
　　※航空券はGUA～LAXを通してスカイマイルで手配
　　　ロス13：10⇒
1/2　　⇒関空18：40
　　※航空券はLAX～KIXでJALマイレージにて手配。

エリア ボゴタ(コロンビア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 船 自転車 タクシー 徒歩 飛行機
• 航空会社: アメリカン航空 アエロメヒコ航空 アラスカ航空 アビアンカ コパ航空 JAL
• 旅行の手配内容: 個別手配
• 利用旅行会社: ブッキングドットコム

サンサルバドル観光を終え、エルサルバドル・コマラパ国際空港には出発２時間前に戻ってきた。
乗り継ぎ時間を利用した観光なので、チェックインも不要。そのため空港到着後30分以内に保安区域にたどり着く。

エルサルバドル国際空港 (SAL) 空港

アビアンカ航空のラウンジで、時間迄ゆっくり寛ぐ。ラウンジはサラダがあり、道中の繊維不足を補う。

アビアンカ航空VIPラウンジ (エルサルバドル国際空港) 空港ラウンジ

エルサルバドル・コマラパ国際空港からボゴタ・エルドラド国際空港まで三時間のフライトはビジネスクラス。意外と満席だった。ベリーズシティからエルサルバドル、エルサルバドルからボゴタまでのユナイテッドマイルはビジネスクラス利用で僅か20000マイル。パフォーマンスは高い。
エルサルバドルからボゴタまではアヴィアンカ航空だが、機材はタカ航空(TA)

アビアンカ航空のビジネスクラスの機内食はホンマにおいしい。ビーフステーキを注文したが、味は濃いものの、柔らかくおいしかった。

空港に深夜に到着し、旧市街のホテルまではタクシーブースで手配。約15分位でホテルに到着した。到着した時にはすでに1時近くになっていた。旧市街の中心部のカサキンタホテルに宿泊。ブッキングドットコムで手配し、温かいお湯も出て、朝食もついて2400円はかなりお手頃。部屋ははこじんまりとしていたが、清潔感あって居心地がよい。

Casa Quinta Hotel Bogota Centro ホテル

8:30頃と少し遅めに朝食を食べにいったせいか、宿泊客は誰もいない。。。

Casa Quinta Hotel Bogota Centro ホテル

ホテル周辺の眺め。意外と高層マンションが多いことに驚いた。

Casa Quinta Hotel Bogota Centro ホテル

小さなホテルだが、フィットネスがある。標高の高いボゴタでこんなことしてたら高山病になりそうだ。

Casa Quinta Hotel Bogota Centro ホテル

ロビーは吹き抜けになつており、食道から眺めることもできる。

Casa Quinta Hotel Bogota Centro ホテル

ホテルの朝食。普段コーヒーは飲まないが、中南米のコーヒーは味が日本のものより濃いので美味しく感じる。

Casa Quinta Hotel Bogota Centro ホテル

食事を摂ったら町歩きを開始！鮮やかな黄色は宿泊したカサキンタホテルの壁。

Casa Quinta Hotel Bogota Centro ホテル

リカルド・パルマ像及びリカルド・パルマ広場

リカルド・パルマ（1833-1919）を調べてみるとペルーの作家だというのに、なぜボゴタに像が建てられていたのか、しかもコロンビアの国定史跡に指定されているラスアグアス聖母教会の前に広がる広場が彼の名前を冠しているのか、今一つ理由がわからない。
広場は写真からもわかる通りのんびりしており、治安は悪くない。

リカルド パルマ広場 広場・公園

モンセラーテの丘の麓にある、ペリオディスタス公園Parque de los Periodistas。ホテルから徒歩2分の場所にある。トランミレニオＪ線の発着場があり利便性は高い。公園はやや坂になっており、水路が流れ市民の憩いの場となっている。

ペリオディスタス公園 広場・公園

ペリオディスタス公園からモンセラーテの丘にのぼる途中に位置するラスアグアス聖母教会。1644年に建設された。教会の建物はコロンビアで歴史的に評価されており、国定史跡として指定されている。白い壁がとても美しい。

ラスアグアス聖母教会 寺院・教会

電線のようなものが山に延びているのが見えるが、その山の上がモンセラーテ?の丘。丘の上にはロープウェイとケーブルカーで行く方法がある。

ケーブルカー その他の交通機関

3152ｍの場所までケーブルカー若しくはロープウェイで一気に登ることができる。ボゴタ自体2600ｍの標高に位置し、南米の首都としてはボリビアのラパス(実質上の首都、憲法上はスクレが首都)、エクアドルにキトに次いで標高が高い。

モンセラーテ 山・渓谷

モンセラーテの丘は、「丘」というより「山」といった方が日本人の感覚にはマッチする。こんな山上にもなんと教会が建設されている。

バジリカ 寺院・教会

モンセラーテの丘の上にはバジリカ（Basílica Santuario del Señor Caído de Monserrate）が建っている。バジリカは1925年に建設されているのだから驚きだ。それ以前にもモンセラートの丘には教会のようなものが建設されていたのだとか。

バジリカ 寺院・教会

山の上の教会だといっても簡易なものと思うなかれ。内部も非常に立派だ。神父はこんな山の上の教会でも常駐しているのかな。。。

バジリカ 寺院・教会

人口約800万人を抱える大都会のボゴタ。1990年代から2000年代初旬まで世界でもっとも治安が悪いと言われた。強力なマフィア、左翼による多くのテロ。自分自身、コロンビアの印象は決してよいものではなかった。

モンセラーテ 山・渓谷

外務省のデータでコロンビアの殺人事件は2005年には約18,000件あったものが2012年には約12,000件に減じている。また、誘拐事件は2005年に800件あったが、2012年には約250件まで減じている。

コロンビア=劣悪な治安という、イメージばかりが先行し、MARIELさんやsunnyさん、たぬき2号さん、kanaさんなど、4トラの皆さんのボゴタの旅行記を読んだときには本当にボゴタって治安が大丈夫なのだろうかと思っていた。しかし歩いてみると、結果的には今回の中南米の旅行のなかでは治安の良い部類に入った。

モンセラーテ 山・渓谷

経済は順調に成長し、治安も改善されているが、国としての財政収支は決してよいとは言えない。今後も治安改善を継続で切るのかが課題だ。とはいえコロンビアの2014年の経済成長率は、中南米32か国の中では7番目、南米の中ではボリビアについで2番目に高く、かつてての輝きを取り戻そうとしている。

モンセラーテ 山・渓谷

19世紀、南米では宗主国の重税に苦しんでいたが、1806年にベネズエラでミランダやボリヴァルを中心にスペインからの独立運動が盛んになり、南米では多くの場所で独立の機運が高まった。コロンビアもベネズエラでの独立運動に触発されて独立戦争が勃発し、1810年には独立を宣言した。

モンセラーテ 山・渓谷

コロンビアの独立派はスペイン軍と戦うためにベネズエラの独立派のシモン・ボリヴァルと共闘した。ここで、ボリヴァルが、コロンビアと結び付いた。

モンセラーテ 山・渓谷

モンセラーテの丘を下るケーブルカー。かなり勾配がきついので事故に巻き込めれないか心配だ。

ケーブルカー その他の交通機関

10時前にケーブルカーとロープウェー乗り場に降りてくるとすごい人数が並んでいた。自分が利用したときは9時前で、チケット買うのに10分かかった程度、ケーブルカーには並ばず乗ることができた。日中に行くなら早い時間にいくべしだ。

ケーブルカー その他の交通機関

ボゴタでは現在建設ラッシュで、このように多くの高層ビルが建設途上にある。治安が安定し、国も豊かになりつつある。

Avenida Jimenez 散歩・街歩き

しかし独立派においても思想の相違でまとまらず混とんとした中、スペイン軍が盛り返し、1816年にスペイン軍はボゴタを陥落させた。

ボリヴァルは、ベネズエラに上陸するも、スペイン軍によって堅固な守備を誇るベネズエラのカラカスではなく、コロンビアのボゴタの陥落を試みた。

ペリオディスタス公園 広場・公園

ボリヴァルはベネズエラで独立派をかき集め、アンデス山脈を越えてコロンビアへ侵入した。山脈越えの途中の厳しい環境下で、多くの兵士が命を落とした。しかし予想外のコースに裏をかかれたスペイン軍は、ボリヴァル率いる独立派に敗退してしまう。

その後、ボリヴァルはボゴタへと近づきボヤカ高原でスペイン軍との戦いで決定的な勝利を手にした。その後ボリヴァルはボゴタに再入城した。

旧市街の中心部にあるロザリオ広場。周辺をビルに囲まれており、ポツンと公園のようになっており、ビジネス街の憩いの場のような雰囲気。写真でテントを張っているように見えるのは、古本屋さん。多くの古本屋が軒を連ねていて面白い。

1819年のボリヴァルの勝利によりコロンビアは、ベネズエラ、エクアドル、パナマを含んだ広範囲に及ぶ領域を有する「グランコロンビア」を建国され、初代大統領はシモン・ボリヴァルとなった。

1819年のボヤカの戦いがその後の南米の運命を決定づけ、南米では次々と宗主国から独立した。

コロンビアの国旗とボゴタ市の国旗がはためく通り

当時のコロンビアの最大版図はコロンビア、エクアドル、パナマ、ベネズエラこのほかペルーやガイアナ、ブラジルの一部を含むもので、一大国家となった。しかし、コロンビア内部は一枚岩ではなかった。

中央集権を理想とするボリヴァルに対し、多数は連邦制を望んでおり、1830年にベネズエラとエクアドルが分離独立し、1903年にパナマがコロンビアから独立した。

ボリヴァルはコロンビアからベネズエラとエクアドルの独立を機にすべての地位を放棄した。その後ボリヴァルは体調を崩し、同年の1830年に死去する。

トランスミレニオＪ線のMuseo del Oro停留所。トランスミレニオは専用の道路を通るバスで、バスの停留所は写真の真ん中にあるように周囲から不審者が入らないように囲まれており、警察が常駐している。

ロザリオ大学の裏路地にあたるCarrera6。ロザリオ大学の1653年に建設されたボルダディタ礼拝堂がある。この裏路地はロザリオ大学とコロンビア大学に挟まれているので、日常であれば多くの学生が闊歩しているのかもしれない。

ロザリオ大学 建造物

大学側とは反対側を見たCarrera 6通り。

旧市街中心部にあるロザリオ大学にある、ボロダディータ礼拝堂capilla la bordadita（carrera6）。1653年に建設された。ロザリオ大学自体も1653年に建設されており、コロンビアでは日本の江戸時代初期にはすでにこのような最高学府が建設され勉学できたことに大変驚かされる。

ボロダディータ礼拝堂 寺院・教会

ロザリオ大学の向かいにある国立コロンビア大学。1867年に建設された。40,000名を超える学生を抱えるマンモス大学。コロンビア最大の大学でレベルも高いことで有名だ。

コロンビア国立大学 建造物

ボゴタの代表的な教会の一つでもあるサンフランシスコ教会。1557年から1661年の間に建設された。内部は残念ながら撮影禁止となっている。1785年の震災で被害を受け、その後再建された。聖楼が美しい。

サンフランシスコ教会 寺院・教会

Calle 13とCalle 7の交差点に位置する場所。ビルが立ち並ぶオフィス街で、サンフランシスコ教会の向かいに当たる場所。付近には国立銀行など政府関係の建物も多い。

カレーラ7通り 散歩・街歩き

サンフランシスコ教会のやや向かいに当たるサンタンデール公園(Parque de Santander）。Calle7に面しており、黄金博物館やエメラルド博物館、サンフランシスコ教会に囲まれている。

サンタンデール公園 広場・公園

Carrera 7 通り街並み。警察やセキュリティも多く立ち、安心して歩くことができる。

カレーラ7通り 散歩・街歩き

ヴェラクルーズ教会(La Veracruz, Carrera 7)。元々1631年に建設された教会だったが、1827年の大震災で壊滅的な被害を受けた。現在の教会は1960年に再建されたもの。付近には二つの教会が建ち並ぶ。

ヴェラクルーズ教会 寺院・教会

オルデン・テルケラ教会（Orden Tercera, Calle16）。1761〜1780年に建立された教会で、聖楼は1857年に建設された。こじんまりとした教会だが、付近にはサンフランシスコ教会やヴェラクルーズ教会など歴史的な教会が建つ。教会は月〜金は7：00−18：00まで見学が可能。土日は10：00くらいから13:00くらいまでしか内部に入る事ができない。

オルデン テルケラ教会 寺院・教会

オルデン・テルケラ教会の内部はシック。祭壇もシンプルだ。

オルデン テルケラ教会 寺院・教会

ボゴタの町を歩いて感じたのは、イメージよりもずいぶん治安が良いこと。もちろん日中での話だが。

石造りの建物が素晴らしい。

クリスマス明けのボゴタの町を楽しく闊歩しているが多い。1964年から1974年までの内戦、その後の麻薬を手掛けるマフィアの暗躍、政治の腐敗・・・、コロンビアは2009年まで混とんとしていた。

カレーラ7通り 散歩・街歩き

しかし2010年の政権以降に治安改善に注力し、街には多くの警官やセキュリティを配備した。
少し大通りから外れた道を歩いても安心感がある。

コロンビアは旅行するまで、マフィアの抗争や政治腐敗、治安の悪さ・・・、ありとあらゆる面で印象が悪かったが、訪れてみて印象ががらりと変わった。南米の中ではチリ並みに旅行がしやすいかも、ボゴタに限っては。

路上で何やらゲームをやっており、通行人が集まってくる。

サンファン・デ・ディオス教会（Iglesia San Juan De Dios, Calle12 #9-93）。1723年から 1739年に建設された。しかし1743年の大震災で教会は倒壊し現在の教会はそれ以後に再建されたものだ。毎日9：00-17：00まで開いている。

サンファン デ ディオス教会 寺院・教会

Calle12とCarrera10の交差点。Carrera10は大きな通りでトランスミレニオも走っている。ちょうど交差点付近には停留所も設置されているので多くの人が歩いている。

ボリヴァル広場に面する裁判所。1985年に左翼ゲリラ35名がが500名もの人質とともに立てこもった場所。治安部隊は戦車を投入して掃討し、ゲリラ全員が射殺したが、人質115名が亡くなった。裁判所はこの時炎上し、現在の姿になったのは2004年のこと。

最高裁判所 建造物

ボリヴァル広場には大きなクリスマスツリーが作られていた。ボリヴァル広場は裁判所、カテドラル、そして国会議事堂といった大きな建物によって三方を囲まれた石畳の広場だ。お土産さんが歩きながら販売している。土地柄、警備も厳重だ。

ボリーバル広場 広場・公園

ボリヴァル広場に面する建物で、且つボゴタの象徴的な建物がカテドラル。1538年にこの地に礼拝堂が建てられたが、現在の姿になったのは1823年のこと。礼拝堂は1660年に建設された。

こうして南米諸国の独立に大きな影響と役割を演じたボリヴァルはベネズエラ人でありながらも、ベネズエラ本国にとどまらず、コロンビア、パナマ、エクアドルなどにその名が残されている。ここコロンビアの首都、ボゴタにおいても中心部の広場はボリヴァル広場と良い、彼の銅像が建つ。

ボリバル像 モニュメント・記念碑

ボリヴァル広場に面する国会議事堂。1846年から建設が開始され、現在の姿に完成したのは1926年の事。真ん中には6本の列柱が建つが、観光客も列柱を通り中庭に入る事ができる。

国会議事堂 建造物

国会議事堂にはためくコロンビアの国旗

国会議事堂 建造物

列柱の先の中庭には1845年-1849年、1861-1863年、1863-1864年、1866-1867年と4期にわたり大統領として在任したトマス・デ・モスケラ・シプリアーノの銅像が建つ。1860年から1862年におこった内戦時にはリベラル派を率いて保守派を撃破し、コロンビアの礎を作った。

トマス デ モスケラ シプリアーノ像 モニュメント・記念碑

ボリヴァル広場のカテドラルの向かいになる建物。

国会議事堂の横に位置し、Carrera7の通りを挟んだ場所にある。Colegio Mayor San Bartolome 。1604年からイエズス会により運営されていた、400年も続くコロンビアで最も古い教育機関。

Colegio Mayor San Bartolome 建造物

教育機関は小学校からここで勉学に励むようだが、建物は素晴らしい。

Colegio Mayor San Bartolome 建造物

国会議事堂からCalle10の通りをのぼっていく。

サンイグナシオ・ロヨラ教会（Iglesia de San Ignacio de Loyola,Calle10)。上記の教育機関の敷地に面しており、イエズス会の教会。1610年から作られ、1691年に完成した。1763年の地震で被害を受け、1891年に復興した。

サン イグナシオ デ ロヨラ教会 寺院・教会

ルフィーノ・クエルヴォ広場（Plazuela Rufino Cuervo,10 Calle)。サンイグナシオ・ロヨラ教会の向かいの近くにある広場。まるで民家の中庭に紛れ込んだような程、整えられた庭園のような造りの広場だ。広場というにはやや狭い印象がある。

ルフィーノ クエルヴォ広場 広場・公園

ボリヴァルは絶頂期、コロンビアの大統領のほか、ペルーやボリビアの大統領にも選任されている。中央集権体制を提唱、そして奴隷制の開放を唱えたが、結果的には失脚したが、出身国とは異なる国で大統領として選任されるというのはいかに彼の功績が大きいかわかる。

1830年、ボリヴァルを失ったコロンビアはその後政権闘争やクーデター、国家財政の破たん、内戦・・・、国は疲弊する。

特に1899年から1902年まで続いた千日戦争では約10万人もの国民が犠牲となる。

コロンビアはその後も安定することなく、幾多のクーデター、内戦、諸国との戦争を繰り返す。

近年では1964年から1991年まで内戦が続いていた。ボリヴァルの死から実に160年もの間、コロンビアは内部闘争を続けていたのだ。

聖母カルメン教会（Iglecia Nuestra Señora del Carmen, Carrera 6)。1927年から1938年に建設された教会で比較的新しい。紅色と白色の縞模様が特徴的だ。ボゴタでは珍しいゴシック様式なので余計に目を引く。聖楼の高さは57メートル。

聖母カルメン教会 寺院・教会

内装まで紅色と白色の縞模様。なんかサンゴヘビが這っているようだ。

聖母カルメン教会 寺院・教会

大統領官邸（Placio de Narino, Avenida Carrera 7）さすがに警備が厳しく10メートルごとに警察やセキュリティが立つ。

大統領官邸 建造物

官邸の前には近衛兵が2名立ち、警備にあたる。しかし物々しい雰囲気はなく和やかな感じ。近衛兵とも記念撮影も可能だ。

大統領官邸 建造物

聖アウグスティン教会（Iglesia de San Agustín, Avenida Carrera 7 )。大統領官邸の前の教会で1575年に建設された。しかし1862年に火災が発生し、完全に修復が終わったのは1988年のこと。

聖アウグスティン教会 寺院・教会

聖アウグスティン教会はシンプルだ。

聖アウグスティン教会 寺院・教会

大統領官邸横から国会議事堂横周辺のCarrera7通りを歩くときは持ち物検査を受けなければならない。そしてこの区域で立ち止まると警備兵から注意を受けてしまう。しかも歩道の上を歩くことも禁止だ。

大統領官邸の建物の一部。ここでも多くの政権闘争の舞台となったのだろう。

国会議事堂。国会議事堂ではボリヴァルを源流とする中央集権派と自由派との闘争が160年もの間脈絡と続いてきたのだ。

Palacio Echeverry（Calle8) という政府庁舎の建物。国会議事堂に面するCarrera 7とCalle 8の交差点にある建物で、外見が美しい建物として評判が高い。付近に行くには荷物検査を受けるなど、チェックを受けなければならない。

Palacio Echeverry 建造物

大統領官邸にある建物を歩きながら撮影。

ボゴタの旧市街に位置するコロン劇場（Teatro Colon Bogota, Calle 10 # 5-32 )。入り口の見た目ではあまり大きな劇場に感じないが、それでも900名を収容でき、観客席は4層にもなった馬蹄型の立派な劇場だ。オペラやバレエ、クラシックが演奏されている。

コロン劇場 (ボゴタ) 劇場・ホール・ショー

コロンビア軍事博物館（Military Museum of Colombia,Calle 10a No 4-92, Bogota）。旧市街のボリヴァル広場にほど近い場所に位置する。評判だと大した展示がされていないということなので、建物の外見と外の展示物だけしか見なかった。

コロンビア軍事博物館 博物館・美術館・ギャラリー

軍事博物館にはヘリコプターや砲が展示されている。

コロンビア軍事博物館 博物館・美術館・ギャラリー

カンデラリア教会（La Candelaria Church, Calle11)。1686年〜1703年の間に作られた教会で、ボリヴァル広場から少し上った坂道にある。美しいバロック様式の建物で交差点にあることから、すぐにこの教会が目につく。

ラ カンデラリア教会 寺院・教会

ぽっちゃりとした肖像画を描いたボテロの絵画を展示したボテロ博物館は残念ながら火曜日が休館日。まさか週に一度の休館日に当たってしまうとは…無念！

ボテロ博物館と貨幣博物館 博物館・美術館・ギャラリー

2010年に大統領に就任したフアン・マヌエル・サントスは治安改善に力を入れ、ようやくコロンビアは安定の方向に向かった。

ボゴタの町が観光地化され、安心して歩けるのは、ボリヴァルの死去後185年の年月を経た、つい最近の事なのだ。

資源にも恵まれ順調な経済成長を遂げているコロンビア。観光にも力を入れ、年々観光客の来訪が上昇している。

ボリヴァルがグランコロンビアを建設して180年、彼が蒔いた種はようやく芽を出した。これからのコロンビアの成長はとても楽しみだ。今回12か国を周遊する旅の中で、最も町歩きを楽しめたのはボゴタであったことは間違いない。

Avenida Jimenez 散歩・街歩き

15時半にはボゴタ・エルドラド国際空港に到着。空港はとても新しく、清潔感がある。さすが中南米の雄、アヴィアンカのベースとなる空港だけある。

エルドラド国際空港 (ELO) 空港

空港には大きなクリスマスツリーが。

エルドラド国際空港 (ELO) 空港

空港は拡張工事を行っている最中で、今後さらに大きな空港に変貌するかもしれない。とても楽しみな空港だ。

エルドラド国際空港 (ELO) 空港

保安区域にあるアヴィアンカのラウンジ。座席数も多く利用しやすい。シャワーも完備されている。

アビアンカ航空ラウンジ (エルドラド空港 国際線ターミナル) 空港ラウンジ

サンドイッチも美味しいし、ビールも美味しい。今回の旅ではボゴタとキトの、ラウンジは本当によかった。

アビアンカ航空ラウンジ (エルドラド空港 国際線ターミナル) 空港ラウンジ

次国ニカラグアの首都、マナグアを目指すが、思った時間帯に直行便がないため、この旅二度目のパナマへのフライト。コパ航空でパナマへと飛び、パナマでアエロリプブリカに乗り継いでマナグアへ向かう。
また、ボゴタを夜に飛び立つときには是非、窓側の席を取ってほしい。素晴らしい夜景を目にすることができる。

ボゴタ・エルドラド国際空港は市内中心部から10数キロしか離れていない。そのため離陸と同時に素晴らしい夜景を堪能することができる。

パナマへのフライとは、ボゴタ市内中心部上空を翔抜けていく。人口約800万人の大都会の夜景は、乗客誰もをボゴタの虜にする。

1990年代中盤に学生時代を過ごした自分は、ボゴタはマフィアの巣窟の街、テロの頻発、治安の劣悪なイメージしかなかった。しかし訪れてみてどうだろう。コロンビア政府は治安の改善を声高に叫び、実現しているではないか！

とはいえ、窃盗の件数は決して減少しているとは言えない。それでも街を歩くことができるほど改善されていることは評価すべきで、今後のコロンビアの観光産業の発展に期待ができる。

この旅行記へのコメント （2）

• 尚美さん 2016/02/20 14:30:29

  ボゴタは美しい街ですね

  worldspan様
  
  シモン・ボリヴァルという、南米の偉人を全く知りませんでした。
  数か国の民衆に尊敬されている、なんてスケールの大きな行動的な人物でしょう。
  日本での認知度は低いですよね…、なんだか申し訳ないような恥ずかしいような。
  日本人にとって、左翼ゲリラの最高裁占拠事件と邦人誘拐(と少しサッカー）がコロンビアという国の印象を作り上げているような気がします。
  1985年の事だったのですね、最高裁占拠・治安部隊との銃撃戦によって多数の人質が犠牲になったのは。
  衝撃の大事件でした。
  
  ボゴタの街並みはこんなに美しいのに。
  教会が多く、古くて由緒ある大学があり、石造りの建物も沢山あり、素敵です。
  再建された建築物も多いようですね。
  またまた、知らない世界を見せていただきました、ありがとう！
  
  尚美より
  
  

  worldspanさん からの返信 2016/02/21 11:02:43

  RE: ボゴタは美しい街ですね

  尚美さん
  こんにちは
  自分も南米に訪れるまでボリヴァルの事を全く知りませんでした。エクアドルのキトでボリヴァル像を説明してくれたタクシーの運転手が、南米の独立に尽力した人ということと、ベネズエラ人ということを聞いたんです。でもエクアドルにベネズエラ人の像ってどういうこと？？って今一つよくわかりませんでした。調べてみて初めて南米諸国の独立に貢献したことがわかりました。
  そうなんです。自分も尚美さんと同じく、コロンビアと聞いて左翼ゲリラやテロのイメージがとても強く訪れるまでに不安はありましたが、ボゴタについて言えばとても良い雰囲気で素敵な町だなーって感じました。あまり好きでもないのにコーヒーまで買ってしまいました（笑）。ボゴタは本当におすすめの街です！
  
  worldspan