2015/07/01 - 2015/07/01
5位(同エリア35件中)
昆虫博士さん
快晴の日を選んで、米国ワシントン州のベーカー山に日帰りハイキングに行ってきました。
ベーカー山(正確には、アーティスト・ポイント)は、バンクーバーから日帰りでハイキングできる場所の中で 私が最も気に入っている場所です。昨年10月に紅葉を見に行きましたが、そのときはベーカー山が雲に覆われていたので、今回は快晴の日に再訪です。
アーティスト・ポイントに車を停めて、テーブル山トレイルを歩きました。シャックザン山(標高 2,783メートル)、ベーカー山(標高 3,285メートル)を始めとして、北カスケード山脈がとてもきれいでした。この辺りは世界一の豪雪地帯で、7月でも雪が残り、雪遊びもできました。お勧めです!
この日帰り旅行で、自動車のトラブルに2つも遭いました。1つ目は、タイヤのパンク。空気が抜けた状態で走っていたようで、タイヤが焦げてボロボロになってしまいました。2つ目は、フロントガラスへの飛び石。両方を修理するのに、計400ドル以上かかりましたが、事故にならなかったのが 不幸中の幸いでした。
■ 米国ワシントン州 ベーカー山 訪問歴 ■
1回目) 秋: ハイキング&紅葉探し
http://4travel.jp/travelogue/10943918
★2回目) 夏: ハイキング&自動車アクシデント
http://4travel.jp/travelogue/11028101
- 旅行の満足度
- 4.5
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7月1日 カナダデー(Canada Day)の祝日が天気予報で快晴だったので、ベーカー山に日帰りハイキングです。
ベーカー山は米国ワシントン州にありますが、カナダ国境に近いので、シアトルからよりもバンクーバーから行く方が近いです。
朝9時にカナダ・アメリカ国境のピース・アーチ(Peace Arch)に到着です。
白いアーチ状の記念モニュメントが、正確な国境線上にあります。
バンクーバーからベーカー山に行く場合、アボッツフォードまで国道1号線で行き、スーマス(Sumas)からアメリカに入国するのが最短です。
しかし、できるだけ朝早い時間に国境を越えた方が 国境でも待ち時間が少ないと思い、この国境を選びました。ピースアーチ州立公園 広場・公園
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30分待ちで、アメリカに入国。
そろそろI-94W が必要な時期だと思っていましたが、今回は不要でした。
果物をもっているかと聞かれ、荷物のチェックまでされました。
荷物のチェックをされるのは、初めてのことです。
正直に申請するのが、一番です! -
ベリンガムで左折をして、州道542号線(Washington State Route 542)に入ります。
この道は別名 “Mt. ベーカー・ハイウェイ (Mount Baker Highway)” と呼ばれ、終点は本日の目的地 ベーカー山です。
この道路を少し走ったところで、車に緊急事態が発生!
ヘリコプターが近くにいるような大きな音が聞こえ、焦げた臭いがします!! -
後輪がパンクしていました!!
よりによって、アメリカで。。。
パンクした状態で走り続けていたらしく、タイヤが破れてしまっています。
買い換える必要がありそうです。 -
パンクの原因は、このネジが刺さったことのようです。
数日前からタイヤ圧のサインが点灯していましたが、よくあることなので放置していましたが、そのときからパンクしていたのだと思います。
高速道路で、このような事態にならずに済んで よかったです。 -
スペア・タイヤの交換は運転免許の教習以来したことがなかったので、自動車保険会社(ICBC)を介して 近くの修理会社に連絡をして、来てもらいました。
その名も “ASAP” という会社で、30分ほどで来てくれました。
ASAPという社名は “As Soon As Possible (できるだけ早く)” から取っているのでしょう。
63米ドル(55米ドル+税)かかり、そのうち 50カナダドルは保険から返ってきます。 -
とりあえず、スペアタイヤを装着。
次回パンクしたら、自分で交換します。 -
州道542号線を東に進みます。
雪山のベーカー山がわずかに見えてきました。 -
スペアタイヤに空気を入れるため、ガソリンスタンドに寄ります。
先端の金属の部分が合わず、空気を入れれませんでした。
バンクーバーの自動車修理店に後から聞くと、タイヤの空気入れ口はどれも同じなので、できたはずだと言われました。
もう少し試行錯誤すればよかったと後悔しました。 -
州道542号線沿いのグレーシャー(Glacier)という場所にある、グレーシャー・サービスセンター(Glacier Public Service Center)に立ち寄ります。
今から訪問するベーカー山は、ベーカー山=スノコルミー国立森林公園(Mt. Baker-Snoqualmie National Forest)の一部で、ここはこの国立森林公園のビジターセンターです。
ただし、シャックザン山は北カスケード国立公園のため、夏期のみ国立公園局のレンジャーも駐在しています。 -
ダグラスモミ(Douglas fir, ベイマツ)の大きな切り株。
このサービスセンターには、水汲み場があります。
今から向かう最高地点のアーティスト・ポイントでは水が汲めないので、ここで用意しておく必要があります。 -
ビジターセンターの建物は市民保全部隊によって1938年に建てられ、アメリカの歴史的建築物に指定されています。
※ 市民保全部隊 (Civil Conservation Corps: CCC)
フランクリン・ルーズベルトが1930年代に失業対策として行った政策で、若年労働者がキャンプをして、道路工事などの公共事業や国立公園維持作業に従事しました。 -
“スモーキー・ベア(Smokey Bear)”。
国立森林公園のマスコットで、森林火災の教育のために1944年に作らました。 -
ベーカー山近辺の模型、各種説明パネルが展示されています。
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ベーカー山=スノコルミー国立森林公園のスタンプを “アメリカ国立公園パスポート” に押します。
国立公園だけでなく、国立森林公園にもスタンプがあります。
※ アメリカの国立公園と国立森林公園
国立公園 (National Parks): 内務省の下部組織である国立公園局(National Park Service)の管理
国立森林公園 (National Forests): 農務省の下部組織である森林局(U.S. Forest Service)の管理 -
本などを売っている小部屋もあります。
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スモーキーの人形も売っています。
かわいいクマです。 -
レトロな絵葉書を2枚買いました (1枚 0.65米ドル)。
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針葉樹林の中を少しずつ上って行きます。
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北カスケード山脈の山並み。
だいぶ上まで上がってきました。 -
シャックザン山(Mt. Shuksan)も山頂まできれいに見えます。
この山は北カスケード国立公園内にあり、標高 2,783メートルです。
10月に来たときは、雲に覆われ 山頂までは見えませんでした。 -
ピクチャー湖(Picutre Lake)。
森と湖とシャックザン山の組み合わせが美しいです。
まるでスイスのような風景です (行ったことありませんが)。
今回は行きませんでしたが、湖を1周するトレイルもあり、湖面に映る “逆さシャックザン山” が見れます。 -
森林限界よりも上まで上がります。
この辺りは世界有数の豪雪地帯で、この道路は毎年7〜10月の3〜4ヶ月間しか開通していません。
しかし、今年は雪が少なかったため、史上最も早い 5月14日にオープンしました。 -
ガードレールがないので、恐いです。
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カミキリムシが車内に入ってきました。
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アーティスト・ポイント(Artist Point)の駐車場に到着です。
車で行ける最も高い地点で、標高1,545メートルです。
1日 5ドルの利用料がかかります。
先ほど訪れたサービスセンターの自動販売機で1日券を購入しておく必要があります。
国立公園年間パスを持っている場合は1日券は不要で、年間パスを車に提示しておきます。
年間パスの提示はサービスセンターで、バックミラーから掛けるタグ(Hangtag)をもらい、自筆サインのある面をフロントガラス側に入れて、提示する必要があります。 -
駐車場の周りには雪がまだ残っていて、雪遊びもできます。
ここは世界一の豪雪地帯で、例年15メートルの積雪があるそうです。
※ 年間降雪量の世界記録
北カスケード山脈は世界一の豪雪地帯です。資料によって異なりますが、ベーカー山の28.5メートル(1999年)、もしくは 同じ山脈に属するレーニア山の31.1メートル(1971年)が年間降雪量の世界記録です。 -
シャックザン山の山頂(標高 2,783メートル)は三角形の部分で “サミット・ピラミッド (Summit Pyramid)” と呼ばれています。
山体は氷河で覆われています。 -
氷河特有の水色の氷です。
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駐車場のすぐそばで、持参した昼食を食べます。
水を汲める場所はないので、下界から持参する必要があります。
こんなところで日光浴している人もいて、驚きです。 -
ハックル・ベリー。
秋になると 紫色の実をつけ、食べられます。
昨年10月に見ましたが、紅葉の時期は赤い絨毯のようになり、きれいです。 -
このテーブル山(Table Mountain)に今から登ります。
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ベーカー山(Mt. Baker, 標高 3,285メートル)が山頂まで見えます。
昨年10月に来たときには 雲に覆われていて見えなかったので、やっと念願が叶いました。
ベーカー山は活火山で、カスケード山脈でセント・ヘレンズ山に次いで 火山活動が活発です。
暑いので、犬も雪の上が気持よいのでしょう。ベーカー山 山・渓谷
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“テーブル山トレイル (Table Mountain Trail)” の出発点です。
このトレイルは、往復 4.0キロ(2.5マイル)、高低差 230メートル(750フィート)あります。 -
少しずつ駐車場が小さくなっていきます。
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トレイルの両脇には、高山植物が咲いています。
※ この花の名前をご存知の方、ご教示下さい。 -
シモツケ (下野, Luetkea pectinata)。
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シコタンソウ (色丹草, Red-stemmed Saxifrage)。
ユキノシタの1種です。 -
ルピナス (Lupine)。
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ピンク・マウンテン・ヘザー (Pink Mountain Heather)。
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トレイルの最初は、このテーブル山の上まで 200メートルほど一気に登るので、上りが続きます。
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つづら折りの急な砂利道を上ります。
ベーカー山がきれいに見えてきました。 -
シャックザン山(左手)とベーカー山(右手)の向こうには、ベーカー湖(Baker Lake)がわずかに見えます。
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ヒナギク(Subalpine Daisy)の花の蜜を、ヒョウモンモドキが吸っています。
この蝶は、このハイキングで何匹も見つけました。
英名: Edith's Checkerspot
和名: エディタヒョウモンモドキ (エディタ豹紋擬)
学名: Euphydryas editha
分布: 北米の太平洋側
特徴: 地球温暖化で生息域の南部では数が減少 -
テーブル山の上に到着です。
ベーカー山の全貌を見るべく、もう少しトレイルを歩きます。 -
ところどころ、石がたくさん落ちている場所もあります。
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雪が残っている場所では、雪解け水による池ができています。
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ベーカー山の全貌が見えたところで引き返すことにします。
トレイルの終点がどこかわからなかったので、途中なのかも知れません。 -
ベーカー山の山頂(標高 3,285メートル)は、氷河に覆われています。
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アゲハチョウ。
英名: Anise Swallowtail
和名: アメリカキアゲハ (アメリカ黄揚羽)
学名: Papilio zelicaon
分布: 北米の太平洋側
特徴: 日本で見られるキアゲハに似る -
シャックザン山(写真 上)とベーカー山(写真 下)が両方見えるので、テーブル山トレイルはお勧めです。
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パラグライダーをしている人がいます。
自分でやりたいとは思いませんが、気持ちよさそうです。 -
オースティン・パス湖(Austin Pass Lake)。
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小さく見える駐車場まで、これから下ります。
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このような細い砂利道なので、下りはとても恐いです。
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駐車場までもうすぐです。
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滑落せず無事に駐車場まで戻ってきました。
暑くて水筒の水も飲みきってしまったので、下界に戻ります。 -
ヘザー・メドウ・ビジターセンター(Heather Meadows Visitor Center)に立ち寄ります。
ちょうど午後4時で、閉館したところでした。
残念。 -
このビジターセンターから出発するトレイルも、いくつかあります。
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石柱が何本も出ています。
地質学的に言う “柱状節理” というマグマが冷却され固まったものでしょうか。 -
行きにも立ち寄ったグレーシャー・サービスセンターでトイレ休憩。
山火事の危険性が “高い (high)” になっています。
最近、雨が降っていないためでしょう。 -
喉がカラカラなので、メープル・フォールズ(Maple Falls)という町でジェネラル・ストアに立ち寄ります。
コーラを買って、ガソリンも満タンにしました。
この辺りでは珍しい東アジアの顔だったので 聞いてみると、韓国系の夫妻でした。
※ アメリカとカナダのガソリン代の比較
アメリカ: 1ガロン(3.79リットル) 3.25米ドル → 1リットル 0.86米ドル(105円)
カナダ: 1リットル 1.30加ドル(127円)
アメリカの方がカナダよりも17%安い -
トウモロコシ畑が広がります。
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スーマスのアメリカ・カナダ国境です。
意外にもガラガラで、待ち時間10分ほどでした。 -
アボッツフォードのカナディアンタイヤに立ち寄りますが、10分前に閉店したところでした。
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アボッツフォードからバンクーバーに戻る国道1号線で、前方から小石が飛んできて、フロントガラスに5センチ大のヒビが入りました。
今日は受難の日です。 -
バンクーバーのカナディアン・タイヤも営業時間外だったので、気を取り直して 夕食にします。
ベトナム料理が食べたくて、トリップ・アドバイザーで見つけた キャンビー・ベトナム・レストラン(Cambie Vietnamese Restaurant)にします。
特製ホー (House Special Noodle, 7.79ドル)。 -
炭火ポークチョップ+ご飯 (Charbroiled Pork Chop, 9.99ドル)。
よく行くバーナビーのベトナム料理店 “フォー・センチュリー” の方が美味しかったです↓
http://4travel.jp/overseas/area/north_america/canada/the_other_cities_of_canada/restaurant/10427776/ -
スペア・タイヤで走り続けるのは嫌なので、翌日 タイヤを購入・交換しました。
タイヤ代 159ドル、取り付け料 20ドル、エコ費+諸税 36ドルで、合計215ドルかかりました。
ネジが刺さった段階でパンクに気付いていれば、新しいタイヤの購入までは不要だったかも知れません。
よい人生勉強になりました。 -
3日後にフロントガラスを交換しました。
自費だと480ドルのところを保険を使って200ドルでした。
ちなみに、フロントガラスの修理・交換は次年の保険料上昇にはつながりません。
タイヤのパンク、フロントガラスへの飛び石とアクシデントがたて続きにおき、400ドル以上の出費になりましたが、事故にならなかったのが不幸中の幸いでした。
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この旅行記へのコメント (2)
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- まむーとさん 2015/07/07 12:10:30
- アクシデント!
- 昆虫博士さん
こんにちは!
2回のアクシデント大変でしたね。
今年の厄落とし完了で、残り半年はhappyです♪
景色が素晴らしく綺麗で驚きました。
ベーカー山を見た時、日本から移民してきた人々は富士山と重ねてたんだろうなと思いましたが、何富士と呼ばれてたんでしょうか?
(←勝手に決めつけてる)
国境の車の渋滞は果てしなく長く見えていますが30分なんですね。嬉しい情報でした。
昆虫博士さんの旅行記は、ガイドブック兼転ばぬ先の杖でもあり、暮らしのシステムの違いも面白いし、私もパンクに気をつけようと思いました。
なでしこの試合、小学校でも少し見たようです。日本でも盛り上がっていていました。
まむーと
- 昆虫博士さん からの返信 2015/07/07 22:21:00
- RE: アクシデント!
- まむーとさん、こんにちは。
いつもコメントありがとうございます。
ベーカー山、美しいところです。
バンクーバーから2.5時間かかりますが、観光地化されたウィスラーよりも個人的にはお勧めです。
富士山と同じくらいの標高なので、日系人に “何とか富士” と呼ばれていたのかも知れませんが、調べてもわかりませんでした。
ちなみに、もう少し南にあるレーニア山は “タコマ富士” と呼ばれていました。
国境は赤信号の関係で車列が長く見えますが、30分程度でした。
このときは朝9時頃なのですが、あと1時間早いと 待ち時間10分くらいだったかも知れません。
国境越えに関しては、早起きは三文の得、です。
なでしこは残念でした!!
近いうちに応援記をアップする予定です。
お楽しみに。
では、カナダ旅行、ぜひ楽しんで下さい。
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