2015/04/17 - 2015/04/19
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nao520さん
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中国東北地方もだいぶ暖かくなってきたので、週末を利用して北京から遼寧省撫順の東、瀋陽からは約150キロの清に所縁のある赫図阿拉城を訪ねました。ヘトゥアラとかホトアラと表記されています。
この城は清の太祖ヌルハチが1603年より居城にしていた山城で、のちこの地で明からの独立を宣言し国名を「後金」とし自ら初代の皇帝として即位した重要な場所。東北地方の覇権を決定付けたサルフの戦いでもこの城が拠点になり出兵していったわけです。
ヌルハチは昔女真族の建てた強国である金がモンゴルによって滅ぼされた後、バラバラになっていた部族を統合さらに蒙古族の一部を服従させマンジュ国を建国、対外的には後金と言いました。ヌルハチは戦に強かっただけでなく経済関係にも強く、またモンゴル文字を元に満族の文字を作り出しました。因みに女真族と満洲族は同じでホンタイジの時に名前を変えたのでそれ以降は満洲族と呼ばれます。文殊菩薩から来ています。
永陵はヌルハチの祖先が眠る墓所であり清王朝にとってはとても大切な神聖な場所です。世界文化遺産の構成遺産になっています。
瀋陽から個人旅行で行く方の為に行き方を少し詳しく書いておきます
行程:
D1 北京 瀋陽 高速鉄道 5時間
D2 瀋陽-南雑木 電車 K7425 07:48/09:50 1日3本ありますが日帰りするならこれしか無理。あるいは永陵鎮、新賓までの直通バスで3時間。こちらのほうが本数は多いです。瀋陽駅出て右手に見えるSKビルの下あたりに近代的なバスターミナルがあります。北駅からも出ていると思われます。
南雑木-ヘトゥアラ城 駅前のミニバス 新?行きに乗る。乗るとき「老城」と行っておくと1時間ぐらい走り永陵鎮の街を抜けた石橋のたもとで降ろしてくれるのでその橋を渡って約1キロぐらいのところ。
川を渡り歩いていると ヌルハチの像が見えてくるのですぐ分かります。
ヘトゥアラ-永陵 タクシーで10分 数十元で行ってくれます
永陵-瀋陽 永陵の前の大きい道路で3時ぐらいに来る直通バスで3時間
D3 瀋陽-北京 高速鉄道 5時間
過ごした時間ですがヘトゥアラで約2時間、永陵は大きくないので30分。
より近い撫順からバスも出ています。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
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7時台発の快速電車に乗ります。
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駅前では多くの店が朝食のため大忙しです。
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この小龍包にしました。熱々でなかなか美味しい!
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乗り込むK番列車はハルピン、瀋陽、吉林の間を走るようです。
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車窓はこんな感じ
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撫順が近くなってくると近代的な建物が多くなっていきます。
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この列車の軟座は、軟臥を代わりに使うもので最後部車両でした。
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南雑木が近づいてきたみたいで線路が多くなってきます。石炭、林業など貨物が多くあるのだと思います。
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約2時間で南雑木に到着!
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駅前には到着を待ち構えているミニバスや小型タクシーやバイクがいますが、ミニバスはすぐ分かります。新bin行きのプレートつけてます。一応、清永陵と老城行くかと確認して乗り込みます。いっぱいになったら出発。先ず永陵に行きたいならば、清永陵で降ろしてくれと言っておくといいと思います。そうでないと少し先の永陵の街中で降りることになります。永陵は町の名前だから。
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補助椅子
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いくつかの村を経由して行きます
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この辺りでは耕作に馬が活躍しています
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ヘトゥアラ老城付近に着きました。まあ、きれいなバスでした。
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川の水は清流と言うわけでもないですが風光明媚です
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なるほど、川が城を守るような形になっているのですね。
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歩いて行くとこのお城の主人であるヌルハチの像あり。ここを右に行くと北門、左に行くと東門です。
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少し近い北門から入ることにしました。正門は東門みたいです。
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かなり大きい山城であることがわかります。
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北東方面の城壁
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ヌルハチが重要な政治の宣布を行った場所
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ここに腰掛けていた。満州八旗が四旗ずつ両脇にあります
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これも清朝の北京にある建築物同様釘を使ってないのだろうか?
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女真族の重要な祭事処。薩満の神事を行うところです。
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寝室ですが質素な印象を受けます
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この家屋の作りは、瀋陽の故宮も北京の紫禁城も同じです。
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次は二代目皇帝ホンタイジの施政処
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第二代皇帝ホンタイジ。ヌルハチ時代に過酷だった対漢人政策を転換し積極登用する。法規を徹底、帝国の基礎をつくる。1636年国号を大清と改め民族名を女真族から満洲族と改める。1643年病気で急逝、後継者を決めなかったため問題を残すことに。
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満族にとっては、蒙古族との友好を保つことは国土拡大の為重要なことでヌルハチ、ホンタイジ以降多くの蒙古族の王女を皇后に迎えました。この政略結婚が功を奏し山海関を越えて明朝を継いだ際の後ろ盾になったわけです。
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二代目皇帝ホンタイジは後継者を決めずに亡くなってしまった。内部分裂の危機の中ドルゴンの推す孝皇后の9子フーリンが5歳で即位。
孝皇后は蒙古族で最も権威のある部族出身。ドルゴンは摂政となり後この孝皇后とも婚姻し権威を振るう。
フーリンとは順治帝のことで幼少の彼が山海関を越えて明朝を滅ぼした李自成を破り明朝を継ぐことになります。
山海関に行った時は清の本営は離れていて行けなかったのでいつか行きたい。 -
袁崇かん。進士であり明の智将。100戦100勝と言われたヌルハチが唯一敗戦した相手。
この敗戦ののちヌルハチは死んでしまいます。ホンタイジも苦戦しましたが、明朝宦官に多額の賄賂を送り後金と密通していると讒言させ、その結果死刑に追い込みます。これで、ホンタイジを遮るものは無くなりました。 -
玉璽
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ここから屋敷をでます
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次はヌルハチの出生地
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出生地と書いてありますが、ヌルハチはヘトゥアラ城で生まれていないはずです。。彼の父親タクシの居所を復元したものと推測します。
しかし、出生地と言うことで通っています。 -
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「索倫杆」簡単に言うと鳥のエサ箱のようなもので祭祀用に豚を殺した後肉、内臓を捧げるものです。
伝承があり昔ヌルハチが明の敵兵に出逢ったが疲れ果てたヌルハチは走る事もできず、一本の木の下にもたれる。その時突然遠方よりカラス(カササギ)の群れがやってきたため明の兵達は黒いばかり何も見えなくなりヌルハチを見失ってしまった。ヌルハチはこのお陰で何とか逃げることができ建国にこぎ着ける。その後、ヘトゥアラではその恩に報いるため堂子を作り神を祭り杆を立て天を祀ることになった。このようにカラスカササギを祭ることは満族、清朝にとって大切な祭礼となっている。
カササギは清朝のシンボルです。 -
敷地に中にあるこの建物は土産物屋になっていて満族の菓子類を売っています
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ヌルハチ生家遠景
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この古壁が続きます
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ヘトゥアラ城には多くの兵士が詰めていましたがその馬たちがいくら飲んでも枯れなかったと言う井戸。
また別の伝承では、この井戸に落ちた子供が後々大変偉くなったのでそれにあやかってこの水をかけるようになったとか。 -
文廟、孔子廟
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城から平原を眺めます
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城内はこんな感じで結構な広さです
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大方見たので城内にある満族農家小院という食堂で腹ごしらえをすることにしました。
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満族の伝統料理を頂きます。結構美味しいんです。
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食べながら隣にいたこの方といろいろと話をしました。陝西省西安から車で友達とき来ているとのこと。
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この食堂の女主人に永陵はどう行けば良いのか聞いたところ、親切にも友達に電話して25元で送ってくれることになりました。しきりに、この国舅府という建物を見たかと言うので中を見てみると満州族の住居そのものでした。
話してみるとこの女性、冷さんは満族の姓は?といい、皇后の末裔だそうで家系から3人の皇女をだしたそうです。この国舅府はヌルハチの母親が使っていたものだそうです。 -
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家系図がかけてあります
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この三輪車で送ってくれました。約10キロぐらいなので歩くのは無理。時間的に永陵は無理かもしれないと思っていたのでとても助かりました。親切な満族の人達ありがとう! 永陵鎮はほとんど満族だそうです。
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清永陵。世界文化遺産です。
ヌルハチの遠い祖先及び父親、祖父等が祀られています -
50元 結構な値段します
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父親のタクシ、祖父フーマンら四人の偉業が記されている碑亭
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贔屓 中国の各所でお目にかかる碑を背にした重さに強い想像上の動物。
碑には四人の先祖の偉業が書かれています。 -
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先祖から溥儀まで
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啓運門の両脇には黄龍が彫ってあります。
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この後方にお墓があります。
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ヌルハチの先祖四帝と皇后が眠ります
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楡の木があります
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宝城というそうです。楡の木のことが書いてあります。乾隆帝はこの木を神樹と称しましたが、後風によって倒れてしまったそうです。
道理で細いわけでです。 -
これが当時の図だそうです。当時の楡の木はとても立派です。
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振り返って啓運門を見たところ
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帝の冠
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皇后の冠
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入り口の遠景です
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遥か彼方に見える陵の入口。この直線道路が遠いです。1キロと言っていました。参観は40分でもこの道が10分ぐらいかかってしまいます。走れば別です。
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この門の前にバスは止まります。三時頃にバスは来るからと言われており、待っていると三時7分ぐらいに来ました。たぶん、永陵の街出発が3時なのでしょう。街のバス停までは歩けないことは無いのでしょうがちょっとかかる気がします。瀋陽までの直通バスは1+2列の椅子が豪華なもので3時間ゆったり帰れました。こんないいバスだったらまた乗ってもいいかな。
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60元です
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この旅行記へのコメント (4)
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- もいもいさん 2015/04/26 09:06:33
- はじめまして。
- 私の拙い旅行記に「いいね」を頂きありがとうございます。
中国東北部はいつか旅してみたいと思っていた所。
ヌルハチゆかりの場所をご訪問された様で、私の好きな浅田次郎の「中原の虹」の世界を思い出しました。
中国東北部は、色々な意味で今の日本人にもう少し興味を持ってもらえると良い場所だと思っています。
また楽しい旅行記を期待しています。
- nao520さん からの返信 2015/04/26 09:55:43
- RE: はじめまして。
- もいもいさん、
ご返信とご投票ありがとうございます。
来週、労働節休みを利用して敦煌に行こうと計画しておりまして参考にさせていただきました。ほぼ、同じ経路になると思います。陽関などの西方面をバスにするかチャーターにしてしまうか考えていてまだ決めていませんが、あれこれ迷うのがまた個人旅行の楽しみでもありますよね!
東北地方は母が奉天生まれなので満洲には思い入れがあり、今年の気候がいい時期は北方にもう少し行こうと思っています。
今後もよろしくお願いします。
nao
> 私の拙い旅行記に「いいね」を頂きありがとうございます。
>
> 中国東北部はいつか旅してみたいと思っていた所。
> ヌルハチゆかりの場所をご訪問された様で、私の好きな浅田次郎の「中原の虹」の世界を思い出しました。
> 中国東北部は、色々な意味で今の日本人にもう少し興味を持ってもらえると良い場所だと思っています。
>
> また楽しい旅行記を期待しています。
- もいもいさん からの返信 2015/04/29 08:04:38
- RE: RE: はじめまして。
- 敦煌に行かれるんですね。
いいですね。
莫高窟や鳴沙山だけでなく、周辺の陽関・玉門関・漢代長城まで是非行ってみてください。
夜市もなかなか楽しいですよ。
良い旅を!
- nao520さん からの返信 2015/05/15 01:18:20
- RE: RE: RE: はじめまして。
- 先日敦煌に行ってまいりました。
もいもいさんの旅行記はとても参考になりました。ありがとうございます。
nao
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