2014/01/23 - 2014/01/24
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ちびのぱぱさん
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秋芳洞
太古からの巨大な生物が吐く息のような、生暖かく、むっとする湿度を含んだ内気に触れて、わたしたちの体の細胞が覚醒されるのを感じます。
このような世界が、地底に広がっているとは!
19世紀の仏蘭西の小説家ジュールベルヌの作品に、「地底旅行」というのがありますが、まさにそんな気分に浸れる洞窟です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー JRローカル
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岩国の川西駅を、17時27分に出発。
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岩国と徳山を結ぶ「岩徳線」の車窓
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写真は、徳山の少し先の「福川」という駅。
車窓を流れる景色、見知らぬ駅……、やはり列車の旅はいいなあ。 -
19:44 新山口
新山口駅は、なにやら改装中で、右も左もわきまえずにウロウロしていると、むこうから新幹線の制服を着た妙齢の女性が足早にやってくる。
さっそうとして、動作に隙がありません。
すがるようにしてコンフォートホテルの場所を訪ねると、親切に教えてくださいました。
そうか、ここは新幹線の駅でもあるのか。
鈍行の旅をしていると、新幹線はなぜかまぶしい。
こちらはまずしい。 -
翌朝、駅の反対側(もしかしたら正面?)にやってくると、山頭火の銅像。
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奥さんに小言をいわれた腹いせに、座敷に大便をして家出するような方ですが、
たぐいまれな詩心がありました。
あふれる感情に翻弄され、自らを律することに疲れ、寺で修行をするも長続きせず、各地を放浪。 -
「まったく 雲がない 傘をぬぎ」
昭和5年、旅の途中で詠んだ歌。
直筆から起こした文字だそうです。
ここ新山口駅は、もとは小郡駅と言い、種田山頭火が晩年に住んだ「其中庵」(ごちゅうあん)を復元したものが、駅から15分ほど歩いたところにあります。 -
9時の駅レンタカー営業開始とともに新山口の駅から借りて、秋吉台を目指します。
JRのレール&レンタカーを利用すれば、鉄道の乗車券が2割引になります。
使い方によっては、かなり得をする。
借りたのはワゴンRです。 -
秋吉台のカルスト地形。
ここ三日、好天が続いています。 -
アフリカのサバンナみたいです。
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雄大な景色が、見渡す限りに広がって、ここはいったいどこなんだろうか、と思わず目を見張る。
かつてこの地には、豊かな森林が広がっていたといいますが、農業の発展に伴って伐採され、このような景観になっているのだそうです。
2月になると山焼きが行われ、この状態が維持されます。
むかし、晩秋のトルコを旅したときに、果てしなく広がる草原に膨大な数の羊の群れが、ちょうどこの大地に点在する石のように、草をはんでおりました。
羊飼いは、フェルトの荒布をまとい、夜になればそれをかぶって野宿をします。
太い杖で木の幹を叩き、羊の餌になるドングリの実を落とすのだそうです。
身ぶりを交え、はにかみながら説明してくれた羊飼いの、優しい眼差しを思い出しました。 -
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東洋一をうたう秋芳洞には、いくつかの入り口があります。
「エレベーター入り口」から入ると良いと、何かで読みました。
そういえば新山口駅でレンタカーを借りるときに、
「秋芳洞に行く。」
と言ったら、わたしと同年代くらいの男性の方がパンフレットを取り出して、はさみでチョキチョキと、割引券を切って渡してくれました。
「一人につき一枚、100円割引になりますから。」
そういって二枚、チョキチョキしてくださいました。
ほんとうに、ありがとうございました。
エレベーターのドアが開くと、むっとするような湿った空気が出てきて、エレベーター内の壁には、水滴が付いている。
洞窟内部は常時15度ほどの気温であり、外気との差で暖かく感じます。
湿度は95パーセントあるという。
高台にあるこのエレベーター口は、ちょうど煙突のような働きをするので、洞内の暖かい空気が吸い上げられるようです。 -
妻と二人、エレベーターに乗っている時間の長さが、かなりの深さに降りてゆくのだということを教えてくれます。
ドアが開くと、ごらんのような地底世界が広がっていました。 -
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恐竜の骨のような、鍾乳石。
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巌窟王と呼ばれる石筍。
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一番広い場所は、長さ175m、幅80m、高さ35mあります。
鏡のような地底湖に、ベニスのゴンドラのような船を浮かべれば、そのままオペラ座の怪人の一場面になります。
怪人が、美しき歌姫クリスティーヌを連れ去って、はかなくも幸福なひとときを過ごす。 -
あるいは、ジュールベルヌの「地底旅行」。
リーデンブロック教授は地球の中心に降りてゆくルートを古文書から発見します。
教授は甥のアクセル、それに案内のハンスを連れて地球の奥深くに旅をし、そこに巨大な空間と、恐竜の住む地底湖を発見する。
ジュールベルヌは若い頃に密航を企てましたが、見つかって連れ戻されたと言います。
彼がもし連れ戻されなければ、世界中を旅して周り、それで満足してしまったかも知れません。
そうすれば、「八十日間世界一周」や「海底二万マイル」、それに「十五少年漂流記」も生まれなかったかも知れない。 -
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初めてこの石灰棚のプールの写真を見たのは、40年以上前の少年マガジンかサンデーのグラビア。
切り抜いて、大切に取っておきました。
いつか行こうと、そう思っていました。
こんな歳になるまで、わたしはこの場所を、とっておいたのだろうか。 -
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やがて現実の世界への出口が見えました。
ここをくぐれば、すべては夢の中の出来事に変わってしまうような気がして、かすかな逡巡が足にからみつく。
でもそれは所詮、現実逃避というものでしょう。 -
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で、もいちど引き返して、置いてある車に戻りました。
それにしても、平日午前はすいてます。
いろいろ妄想に浸ることができました。
駐車無料、入場料は1200−100円=1100円。
おすすめです!
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この旅行記へのコメント (7)
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- わんぱく大将さん 2014/03/16 04:04:06
- 青春が甦る
- ちびのぱぱさん
鍾乳洞は昔、そうですね20歳位に行ったきりで。 実は一人ではなかった。当時付き合ってた人との旅でしたが、どうしてるんだか?
と思いだしながら拝見させていただきました。
大将
- ちびのぱぱさん からの返信 2014/03/16 08:07:30
- RE: 青春が甦る
- 鍾乳洞というのは、デートスポットになるのでしょうか。
そういえば、何となく映画館の雰囲気かなあ。
わたしは関東ですから、想い出の場所というと関八州か、それと北海道なんですよね。
初めての海外旅行は、ヨーロッパに3週間くらい。
ユーレイルパスで宿代を浮かしながら貧乏旅行の一人旅でした。
想い出だらけの失敗だらけです。
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- 南国ぱいんさん 2014/03/15 11:53:29
- イケイケ冒険気分!
- 初めまして、コンニチワ♪
地底探検楽、なかなか壮観ですネ。
ワタクシの大好きなオペラ座の怪人の
1シーンも引用されていて
ちびのぱぱさん
とってもロマンチストだ〜
こりゃあ、ワタクシも一度行ってみなきゃ〜^^
- ちびのぱぱさん からの返信 2014/03/15 12:27:45
- RE: イケイケ冒険気分!
- 南国ぱいんさん
初めまして。
ヨドコウ迎賓館、興味深かったです。
ヨドコウとは、あの物置の淀川製鋼でしょうか?
社会貢献してますね。
オペラ座の怪人は、ロンドンで2回、NYで1回行きました。
秋芳洞は、すいているときに自分たちだけでいると、幻想の世界に入り込んでしまい、ほかにもいろいろ妄想しました。
ご訪問、ありがとうございました。
また、寄らせてください。
- 南国ぱいんさん からの返信 2014/03/17 12:22:43
- RE: RE: イケイケ冒険気分!
- > ヨドコウ迎賓館、興味深かったです。
ヨドコウ迎賓館…お気に行って下さって
ワタクシもとってもウレシイです。
とても良い施設であったのとともに
たいへん良い保存状態で
阪神大震災から
4度も補修修繕をして残してあることに
感動しました。
> ヨドコウとは、あの物置の淀川製鋼でしょうか?
> 社会貢献してますね。
そのとおり!
物置屋さん?です。
考え用によっては
頑丈な物置の技術が
補修などにも生かされたのかも…?
そういったことは
どこにも記載されていませんが
おおいに考えられますネ。
だとしたらホント社会貢献ですよネ!
> オペラ座の怪人は、ロンドンで2回、NYで1回行きました。
うちの娘もロンドン、NY、韓国、日本で観てます。
それも数回づつ…大ファンなんですよ…
ワタクシは、仕事上
未だ長い留守ができなくて
日本だけ…^^;
本場に行きてェ〜っ!!!
> 秋芳洞は、すいているときに自分たちだけでいると、幻想の世界に入り込んでしまい、ほかにもいろいろ妄想しました。
いえ、これを拝見して
ワタクシも妄想の世界に行こうと決心しました 笑
秋芳洞行ってみます!わはははは
また、楽しいレポート拝見させてくださいませ。m(_ _)m
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- nakamasananiwaさん 2014/03/13 10:53:51
- ♪
- おはようさんですw
懐かしい写真をおおきにです。
ここ中学の修学旅行で行きました。
そのころ、こ、交換日記をしていた(うわぁはずかし)副委員長さんとどきどきしながら手をつないで歩いた情景が蘇ってきました。
三年生んときに、副委員長さんのおかぁさんから頼まれたらしい担任の先生から別れるように指導されたときのことも一緒に。
あぁ
- ちびのぱぱさん からの返信 2014/03/13 17:52:14
- RE: ♪
- ご無沙汰です。
一月に、西日本を訪ねてみました。
nakamasaさんが中学の頃というと、わたしが行ってみたいと恋いこがれ始めた頃ですね。
nakamasaさんは別の方に恋いこがれていたとは!
この時期は、悲しい別れがつきものですね。
あまずっぱいおもいで。
青春万歳!
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