2013/01/13 - 2013/01/13
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ゆうこママさん
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2013年のアイラブ仏像めぐりは、自分で言うのもナンだがスタートダッシュがすごい。
1月2日の東大寺、東寺を皮切りに、3日には静岡。
そして、1月13日は、また奈良県に来てしまった。
この日の行程は、
石光寺(葛城市)〜当麻寺(葛城市)〜当麻寺奥院〜当麻寺西南院〜金剛寺(五条市)〜栄山寺(五条市)【この旅行記は、その2】
超有名どころではないが、天平から室町まで、様々なタイプの仏像をたくさん楽しんでくることができた。特に、当麻寺は国宝重文が収蔵庫ではなく普通にあるので、仰天。
なお、この仏像めぐりができたのは、のーとくんと仰るトラベラーさんの旅行記「弥勒堂特別開帳の石光寺と當麻寺へ」
http://4travel.jp/traveler/geru0201/album/10738154/
が、強く背中を押してくださったおかげ。お礼申し上げます。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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-
10時に石光寺を出て、次にやってきたのは、当麻寺。
山門の前の民間有料駐車場(500円)に駐車し、山内へ。 -
山門の両脇は、仁王様が守る。
なかなかのスタイル。 -
こちらは、ちょっと胴が細すぎじゃないかい。
-
広い境内、最初に登場するのは、当麻寺鐘楼。
当麻寺は、二上山の西麓にあった禅林寺を、天武天皇の時代に二上山東麓(当麻氏の本拠地)に遷したものらしい。
創建当初は、弥勒仏を本尊としていたようで、そういえば、先に訪れた石光寺の当初の本尊も弥勒石仏だった。
6、7世紀頃は、弥勒が人気者だったのだ。
ブームは、移り変るのが世の常。
西方浄土を描いた当麻曼荼羅が、平安末期の阿弥陀ブームに乗って人気者になると、当麻寺本尊の地位をそちらに奪われてしまったようだ。
でも、弥勒は美仏が多いから、今また、人気を盛り返している。よかったね。ミロク。 -
鐘楼にかかる梵鐘は、おっといきなり国宝の表示。
日本最古、白鳳時代のものだそう。 -
当麻寺には、広い境内に3つのお堂が並び、さらに幾つもの塔頭と東西の塔が存在する。見所があちこちに散りばめられているため、全体像を掴んでから廻ったほうがよいと思う。
この日の廻り方は、山門(10:10)→鐘楼→本堂→講堂→金堂→奥院→宝物館→西南院→石灯篭→山門(11:40) -
まずは、本堂、講堂、金堂のエリアを拝観。本堂で拝観料を納めてスタートだ。
-
当麻寺本堂は、国宝づくしだ。
天平時代の内陣、藤原時代の外陣で構成されたお堂は、もちろん国宝。
曼荼羅堂とも呼ばれるこのお堂の本尊は、中将姫が蓮糸で織ったという當麻曼荼羅で、いうまでもなく国宝。
現在、本堂にまつられている曼荼羅は、室町時代に模写された文亀曼荼羅で、本物の根本曼荼羅は宝蔵に保管されているそうだ。室町の模写版でも重文だから、すごい。
曼荼羅を納める厨子も、最大最古(天平時代)で国宝。
須弥壇も鎌倉時代、源頼朝の寄進で、国宝。鈍く銀色に光る螺鈿の装飾が美しい。
弘仁時代の十一面観音菩薩立像は、重要文化財。暗くてお顔がよく見えないが、整ったスタイルの持ち主であることは分かる。それと、左右の手先がきれい。 -
ここで、中将姫のおはなし・・・(写真は、奥院庭園のボタン)
むかしむかし、中将姫という(ボタンのようにかどうかは知らないが)美しい娘がいた。
幼くして母をなくした彼女は、継子いじめに遭い、ついには継母に殺されそうになる。殺害を命じられた継母の従者は、姫を殺すにしのびず、姫を山に置き去りに。
命永らえた姫は、山の草庵で念仏三昧の日々を送るのだが、偶然、父と再会して都へ戻ることに。
都に戻った姫は、天皇の後宮にと望まれるが、これを断り出家して当麻寺へ。寺に入った姫は、あるとき長谷観音のお告げで曼荼羅を織ることに。 -
(写真は、当麻寺本堂)
姫は、蓮の茎から糸をつむぎ、五色に染め、この蓮糸を使って一夜のうちに曼荼羅を織り上げる。これが、当麻寺に伝わる當麻曼荼羅なのだそう。
蓮糸を浸したところ五色に染まったという井戸が、石光寺の「染の井」。そして、染めた蓮糸を掛けた木が、「糸掛け桜」。
なお、本物の曼荼羅は絹糸製。念のため。 -
当麻寺講堂は、鎌倉時代の再建。
屋根の形といい、全体の姿といい、簡素で大らかで気持ちいい。 -
当麻寺講堂。
堂内の仏像は、平安時代の優品揃い。
阿弥陀如来坐像(藤原時代 重文)は、やさしい顔立ちで、目元がちょっと色っぽい。
妙幢菩薩像(弘仁時代 重文)は、見かけない名前。
その他、地蔵、千手、毘沙門、不動と各種取り揃えてます。 -
当麻寺金堂。鎌倉時代の再建。
創建当初、本堂ができる前は、この金堂が当麻寺の中心で、前方左右に塔を、奥に講堂を配置した薬師寺のような伽藍配置のお寺だったのだ。
金堂には、ガイジン四天王さまがお住まい。重文。
4人のうち3人は、白鳳時代の生まれ。残る1人は鎌倉時代。いずれも渋いイイオトコ。
異国風という表現がこれほどぴったりの仏像はない。
つれあいは、中国の兵馬俑の像のような顔だと言った。
中国風というか、西域風というか、濃い顔立ちにあごひげまであって、とにかく男っぽい。この日のナンバー1は、広目天さま。 -
それから、四天王の足下の邪鬼がとびきり。
白鳳時代の邪鬼は、静かな僕(しもべ)タイプで、薬師寺本尊の薬師如来の台座の邪鬼と同じ動物系テイスト。
1人だけ混じっている鎌倉時代の邪鬼は、人に近く、動きがダイナミック。今にも飛び上がってきそうな勢い。同じお堂にお住まいなので、個性の違いがよく分かる。 -
当麻寺金堂。
金堂のセンターにおわすのは、弥勒仏坐像(白鳳時代 塑像)。
当麻寺創建当初の本尊で、これまた国宝。頭デカイ。
顔は、興福寺の国宝館の仏頭(加藤登紀子似)を男っぽくした感じ。
須弥壇の台座の左右に、石組みで取り囲んだ穴があるが、ここには、本尊の脇侍が立っていたらしい。
弥勒の前には、平安時代の不動明王が、ドカンと立ちはだかる。カルラ炎と呼ばれる光背がハデに燃え盛っている。 -
金堂の正面には、白鳳時代の石燈籠。日本最古の石燈籠で、これまた重文。
東や北側から入る境内のメインエリアは、金堂の裏側になるので、見逃さないように。 -
大師堂。
弘法大師空海となにやら縁があるようで、当麻寺は、真言宗と浄土宗の両方のお寺なんだとか。 -
次は、奥院へ。浄土宗総本山の知恩院の奥院として1370年に創建。
阿弥陀浄土を描いた曼荼羅で人気スポットになった当麻寺に、浄土宗本山の奥院があるのは、なるほど納得。
かなたに西方浄土をイメージさせる二上山の山麓というのも、いいロケーション。 -
奥院には、南北朝時代、戦乱を避けて京都から多くのお宝がこちらに移されそうで、拝観料を納めて、まずは、宝物館へ。
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宝物館へ向かう道の途中の石仏、ナイス。
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宝物館の横の池は凍ってる。ブルル寒っ。
宝物館では、倶利伽羅龍蒔絵経箱(国宝)や、法然上人行状絵伝(重文)などを公開。 -
とりわけ気に入ったのは、押出三尊仏(天平時代)。
押出仏とは、型にのせた銅板をたたいて形を写し出した板状の仏像。
当麻寺奥院の押出仏は、とにかくラブリー。
3つに枝分かれしてすっくりと伸びた蓮の上に、愛らしい三尊が並ぶ。
周囲を花で飾り、三尊の頭上の天蓋は、春風に揺れているよう。 -
宝物館でもう一つ気になったのが、二十五菩薩来迎像(室町時代)。
端整な阿弥陀三尊に付き従って西方浄土からやってきたダンサー&ミュージシャンのユニット。名づけて、AMD25(あみだ25)。
天上から軽やかに舞い降りてくる二十五菩薩は、少女からせいぜい20台前半の若い女性というイメージを持っている私にとって、奥院の彼女たちは、少し年増のお多福顔に見える。でも、なんだか賑やかで楽しそう。なごみ系の菩薩たちだ。 -
奥院楼門も、重文。
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当麻寺奥院のもう一つの楽しみは、庭園。この時期は、寒ボタンが冬庭を彩る。
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奥院の次は、当麻寺塔頭の西南院へ。
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門をくぐると、満開のロウバイが目を引く。
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庫裏で拝観を願い、本堂のほとけさまにおまいり。ガラス越しで離れているので少し残念。
左から、千手観音立像、十一面観音立像、聖観音立像と、平安時代の重文の像が並ぶ。
十一面は、厳しい顔つき。聖観音は、ややふっくら体型。 -
本堂の横から庭園方面へ入っていくと、みはらし台の案内看板。
少し階段を登ると、 -
この光景。
東西の古塔が並ぶ。 -
天平時代の創建当初の塔が2基とも残るのは、当麻寺だけ。貴重な風景だ。
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美しさに言葉が出ない。
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みはらし台から庭園に向かうと、さらに信じられない光景が待っていた。
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西塔が庭の水面に映るのだ。
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静寂のなか、水琴窟の音が足元から響き、呼吸を忘れてしまうような瞬間が訪れる。
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昼食は、のーとくんさんの旅行記に紹介されていた仁王門前のそば「薬庵」さんへ。
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私は、のーとくんの真似をして同じメニューをオーダー。
まずは、揚げ蕎麦がき。
メインは、おろし蕎麦。辛味大根が辛くて美味しい。
つれあいは、とろろ蕎麦。細切蕎麦がとろろに絡み、これまた美味しい。 -
デザートは、蕎麦がきぜんざい。
ううっ、美味しすぎる大人のぜんざい。
おなか一杯になって、午後の仏像めぐりにスタートだ。
つづく。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- 前日光さん 2013/03/17 23:36:39
- 私も憧れています。
- ゆうこママさん、こんばんは。
だいぶ暖かくなってきたのはいいのですが、花粉が。。。
今年は久しぶりに花粉にやられています。
ここ数年、たいしたことが無くてよかったと思っていたのに。
当麻寺に行かれたのですね。
見どころが何カ所もあって、ちょっとビッックリしたのですが、あの東西の塔と、池に映る塔は素敵ですよね。
子どもの頃読んだ「中将姫」の話に惹かれておりまして。
春に催される「練り供養」というのも、ぜひいつの日か行ってみたいものだと思っています。
私が訪ねた時には、あの国宝の鐘楼の傍にかわいらしいネコちゃんがいたのですが、今回はみかけませんでしたか?
仏像もたくさんあって、とても数時間では充分に回れなかったので、もう一度ゆっくりと参拝したいと思っています。
前日光
- ゆうこママさん からの返信 2013/03/18 20:48:46
- RE: 私も憧れています。
- こんばんは、前日光さん。
>
> だいぶ暖かくなってきたのはいいのですが、花粉が。。。
> 今年は久しぶりに花粉にやられています。
> ここ数年、たいしたことが無くてよかったと思っていたのに。
→私は、30年来の花粉症から解放されて、快適な春です。
歳をとると、時にはいいこともあるのですね。
>
> 当麻寺に行かれたのですね。
> 見どころが何カ所もあって、ちょっとビッックリしたのですが、あの東西の塔と、池に映る塔は素敵ですよね。
→風の全く無い日で、さざなみ一つ無い水面にそれはくっきりと。
素晴らしい光景でした。
>
> 子どもの頃読んだ「中将姫」の話に惹かれておりまして。
> 春に催される「練り供養」というのも、ぜひいつの日か行ってみたいものだと思っています。
> 私が訪ねた時には、あの国宝の鐘楼の傍にかわいらしいネコちゃんがいたのですが、今回はみかけませんでしたか?
→ネコちゃんですか?そういえば、鐘楼の北側の建物の辺りにいたような・・・
お寺のネコって、みんな堂々としてますよね。
練り供養、私も見てみたいです。
写真で見ると、面の表情や身体とのバランスが愉快に見えますが。
>
> 仏像もたくさんあって、とても数時間では充分に回れなかったので、もう一度ゆっくりと参拝したいと思っています。
>
→まもなく奈良国立博物館で当麻寺展が始まりますね。
そちらにも興味あります。
-
- のーとくんさん 2013/01/20 10:48:57
- 當麻寺、奥院も
- ゆうこママさん
おはようございます。
當麻寺、奥院をふくめ、広く廻られ、講堂も開いていて(私が行ったときには閉館中)、多くの仏像にもお目にかかれたようで、良かったですね。
また、東西の両塔を一度に眺める場所にも行かれ、満足のご様子。
お蕎麦も、おいしく味わっていただき、良かったです。
さあ、これから五条の金剛寺そして栄山寺ですね。
のーとくん
- ゆうこママさん からの返信 2013/01/20 20:43:04
- RE: 當麻寺、奥院も
- こんばんは、いつもありがとうございます。
>
> 當麻寺、奥院をふくめ、広く廻られ、講堂も開いていて(私が行ったときには閉館中)、多くの仏像にもお目にかかれたようで、良かったですね。
>
→はい、おかげさまで、仏像フル出場でよかったです。
4月からは、奈良国立博物館で「特別展 当麻寺」が開催されるそうですので、寺宝がそちらに出張になります。
よいタイミングでした。
> また、東西の両塔を一度に眺める場所にも行かれ、満足のご様子。
>
> お蕎麦も、おいしく味わっていただき、良かったです。
>
→のーとくんさんの旅行記は、必ずグルメもセットなので、楽しいです。
ついつい食は後回しになってしまうアイラブ仏像めぐりですが、今回は、食も充実。
この後も素晴らしい仏像めぐりになりました。
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