2010/09/11 - 2010/09/19
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あーや@パンダさん
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2010年9月、「スペインに憧れて9日間」というツアーに娘と一緒に参加しました。
イスラムの栄華とカトリックの融合などスペインらしさ漂うアンダルシア地方や古都トレド、プラド美術館や各地のピカソ美術館をたずねる欲張りなコースです。
旅行4日目の朝、コルドバの観光名所「花の小径」などを見てから、12年前初めてのスペイン旅行でとても印象的だったコルドバのメスキータを再訪しました。
イスラム教の巨大なモスクの真ん中に十字架の形のカトリック大聖堂がある不思議な空間は、世界中に二つとない建築物といわれていますが、「赤白模様のアーチと円柱の森」に荘厳な大聖堂が違和感なく溶け込んでいるようにみえました。
イスラム教のモスクをキリスト教会に改修した後も「コルドバ大聖堂」という正式名称はではなく、メスキータの愛称で呼ばれている所以は、この建物を巡る複雑な歴史にあることが実際に内部を見学し、資料を読み込むとよくわかります。
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ツアーの日程は、
1.午前成田発→チューリッッヒ乗り継ぎでマドリードへ(マドリード泊)
2.マドリード観光(プラド美術館・ソフィア王妃芸術センター鑑賞、
スペイン広場)→
(専用バス)世界遺産の古都トレドへ(トレド泊)
3.トレド観光(大聖堂、サント・トメ教会、パノラマ展望)→
(専用バス)ラ・マンチャ地方(丘の上に風車が並ぶコンスエグラ)
→アンダルシア地方のコルドバへ(コルドバ泊)
4.コルドバ観光(ユダヤ人街と花の小径、世界遺産のイスラム大寺院メスキータ、ローマ橋)
→(専用バス)グラナダへ。
世界遺産アルハンブラ宮殿観光。
夕食後、洞窟のタブラオで
フラメンコショー鑑賞とライトアップされたアルハンブラ宮殿の夜景。(グラナダ泊)
5.(専用バス)→ネルハの鍾乳洞見学→
スペインで最も美しいといわれる白い村フリヒリアナ散策→
(専用バス)マラガへ。ピカソ美術館鑑賞→
(専用バス)コスタ・デル・ソル地方へ(ベナルマデナ泊)
6.マラガより航空機でバルセロナへ。
バルセロナ観光(サグラダ・ファミリアとグエル公園。
ピカソ美術館鑑賞(バルセロナ泊)
7.終日自由行動(バルセロナ泊)
8.朝バルセロナ発→チューリッヒ乗り継ぎ
9.朝成田着
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 3.0
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 観光バス タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
PR
-
旧ユダヤ人街を観光し、コルドバ観光のハイライトであるメスキータへ。
785年頃、もともと教会があった場所に、アブドゥル・ラフマン1世が創設したモスクはその後何度かの拡張工事により、メッカに次いで2番目に大きなモスクとなった。
1234年にコルドバがキリスト教徒によって征服されたあと、徐々に姿を変えたメスキータは、16世紀になってからコルドバ市民の猛反対を押し切って強行された大改築により、メスキータのど真ん中に巨大な大聖堂が新築されてしまった。 -
外壁の装飾も興味深いのですが先を急ぎます
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オレンジの木が敷地一杯に植えられた「オレンジの中庭」は、昔は椰子やオリーブが植えられ禊ぎの空間だった。
イスラム教徒は祈りの前に庭にあった「ハウズ」と呼ばれる池のような大きな水盤の水で身を浄めたそうですが、現在は「アルマンソールの井戸」がその名残をとどめています。 -
イチオシ
「ミナレット」(アルミナールの塔)がモスクだった時代は、一日5回、ムアッザンと呼ばれる役僧がその上に登り、イスラム教徒に対し礼拝の時がきたことを告げ、礼拝を勧めるアザーンを唱えるための塔だった。
キリスト教会となってから現在の鐘楼に姿を変えた。 -
モスク建築では、オープンになっている中庭に対し、屋根付きの部分を礼拝室と呼ぶが、実際には中庭も屋根付きの部分もひとつながりのスペースとして礼拝に用いられたので、モスクの最盛期には4万人とも6万人ともいわれる信者の礼拝が可能だった。
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モスクとして使われていた時代には、奥にいる導師の声が朗々と響くように中庭と礼拝堂の間に壁はなかった。
室内に入りきらない人々が中庭で礼拝するように平滑な石を敷き詰めてあったが、キリスト教時代になり中庭と礼拝室の間にある19本のアーチは、1箇所を除きすべて壁でふさがれた。 -
「オレンジの中庭」と「ミナレット」
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「シュロの門」
内部へは、教会への改修後唯一残った「シュロの門」から入場します。 -
室内にはいると薄暗い空間に「円柱の森」が出現。
入口付近は最も古くからある部分で、重量を分散して天井をより高くするため二重式にした紅白模様のアーチが視界に飛び込んできます。 -
壁面には、有力者のための個人礼拝堂や墓所などが建ち並ぶ。
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「アーチの森」
ローマ時代の遺跡から運んできた柱頭を使用した柱には、様々な様式が混在する。また、石柱の高さを調整するために柱身の一部を床に埋めたり、柱礎を床の上に置くなどの工夫が為されている。 -
「アーチの森」
キリスト教会に改修した建築家たちは円柱と大聖堂の共存を心がけたというが、キリストの象徴でもある「光」が多く採り入れられるようになった。
イスラム教徒はコーランを暗唱しているので薄暗くても問題ないが、キリスト教の礼拝では聖書を読むための光が必要とのこと。 -
「アーチの森」
白と赤を組み合わせた二重アーチには古代ローマの水道橋の技術が応用されているという。 -
「謎の3人組?」
天井に近いところから、私たちを見おろしているように見える像はキリスト教の天使? -
「大聖堂」
大聖堂の側壁のようなものでしょうか。
レリーフはローマ法王? -
「アーチの森」
アーチの赤白は、当初建築部分では白色の石と赤色の煉瓦を交互に組み合わせて造られているが、一番最後の第三次拡張部分だけは経費節減のため塗料で縞模様に描かれたという。 -
「アーチの森」
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「ラピスラズリの飾り柱」
美しい飾り石がついた柱はどこかの遺跡から運ばれたのでしょうか? -
イチオシ
「アーチの森」
赤白模様のアーチの森にさりげなく溶け込んでいますが、こちらはキリスト教会への改修工事で造られたアーチかと思われます。 -
「灯り取りの窓」
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「十字架のキリスト」
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「薔薇窓のステンドグラス」
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「ミフラーブ」
正面入口からまっすぐ礼拝室の奥へ突き当たったところには、メッカの方向を示すためのくぼみ「ミフラーブ」がある。
イスラム教徒は毎日メッカの方角に向かって礼拝するので、モスクの拡張工事のたびに「ミフラーブ」も奥へ移動したが、10世紀末の第三次拡張時には、敷地の都合でそのまま据え置かれた。 -
「マクスラ」と「ミフラーブ」
馬蹄形アーチに細かく光を反射する金色のビザンチン・モザイク、透かし彫りなど当時の技術を凝縮した「ミフラーブ」を強調する空間は「マクスラ」と呼ばれる。
「マクスラ」は祈りの声が反響しやすいように高窓から光が差し込むドーム状になっており、クローバーやブドウなどの草花の装飾が施されている。 -
イチオシ
「ミフラーブ」
楽園への入口ともいうべき「ミフラーブ」にはコーランの一節が刻まれている。
キリスト教徒でありながら教会への改修工事に反対していた市民たちが、宗教を超えてでも守らなければならない高い完成度の芸術作品と誇りに思っていたメスキータ。
残念ながら大聖堂建築によりかなりの部分が姿を変えてしまいましたが、イスラム建築の精華ともいうべき絢爛豪華を極めるミフラーブやその周囲の装飾は保存されています。 -
美しい天井にも注目
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「宝物殿」
大聖堂の聖具室(宝物殿)には絢爛豪華な装飾品が並んでいました。 -
「宝物殿」
高貴な人の遺骸の一部を収納する容器? -
「宝物殿」の装飾
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「大聖堂」
礼拝用の椅子が並べられた礼拝堂でミサが行われているときは、入場無料になりますが大聖堂内の見学はできません。 -
イチオシ
「アーチの森」
最盛期には1012本の石柱が林立していたが、今は約850本になっている。 -
「中央礼拝堂」
メスキータの中央にある礼拝堂のバロックの巨匠パロミーノの絵画が飾られた豪華な祭壇飾り。 -
「中央礼拝堂」
主祭壇の祭壇飾りには、地元産の紅大理石が使われている。
キリスト教王が1766年に建てた荘厳な雰囲気の礼拝堂は、完成まで長い期間を要したため、ゴシックやバロックなど複数の建築様式が見られる。 -
「中央礼拝堂の聖歌隊席」
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「聖歌隊席」
マホガニー材に彫られた109の椅子はすごい迫力 -
「中央礼拝堂のパイプオルガン」
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「ステンドグラス」
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「聖母子像」
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メスキータ見学ももうすぐ終わりです。
現在のメスキータは、私たちの目には類い希な幻想的建築空間に見えますが、モスクとして使われていた当時の威容を見ることが出来ないのはやはり残念なことでした。
荘厳にして神秘的なメスキータを実際に見たことがなかった神聖ローマ皇帝カルロス5世は事情がわからないまま工事を許可してしまったが、後にコルドバを訪れてメスキータを見た彼は、「お前たちはどこにもないものを壊して、どこにでもあるものを造った」と嘆いたという。
しかし、結果的にこのメスキータは、イスラム文化とキリスト教様式が融合する「どこにもない建築物」となったというのは皮肉なもの。 -
「サン・ミゲル門」
メスキータの外側にもイスラム風の美しい装飾がなされた門がある。 -
「サン・ラファエルの勝利塔」
メスキータを出てローマ橋に向かう途中にある。
現在コルドバの人口は約30万人ですが、約1000年前、パリの人口が2万人、ロンドンが5万人だったとき、コルドバは45万人だったとのこと。
イスラム文化の中心として栄えた風格が感じられる街や建物の見学を終えて、イベリア半島におけるイスラム終焉の地、グラナダに向かいます。 -
ローマ橋からみた「メスキータ」
中央に造られたカテドラルの屋根が遠くからもよく見える -
グアダルキビール川の対岸からの風景
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