2010/10/02 - 2010/10/02
1776位(同エリア3379件中)
まゆままさん
同志社大学では国の重要文化財5棟(クラーク記念館、チャペル、彰栄館、有終館、ハリス理化学館)を中心に内部も見せていただける、学生ガイドによるキャンパスツアーが年に数回行われている。
受験生でなくても誰でも参加OKとのことだったので見学へ訪れた。
前回同志社の見学に訪れた時は突然のにわか雨に慌てて見て回ることになったのでこの日はリベンジ。
学生さんのガイドによりさまざまなエピソードを聞きながらじっくり建物を楽しむことができた。
この日は同志社大学の他、同志社女子大学、新島旧邸とヴォーリズ建築のバザールカフェへも訪れた。
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同志社大学キャンパスツアーの前に同志社大学創設者でもある新島譲の旧邸へ見学へ。
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新島旧邸は明治11年建築のコロニアル様式の外観を取り入れた和風寄棟住宅。
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玄関は意外に小じんまりして簡素な造りだ。
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私邸ではあったが1階部分は学生や教職員が集う公的な場として利用されていたそう。
この応接室は教室として、又職員室として使われていたという。 -
家具類も当時のものでアメリカから取り寄せた洋家具の他に日本製の洋家具もある。
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新島襄愛用のソファベッド
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応接間にはセントラルヒーティングが備わっていて、この鉄の扉を開けて薪を燃やし、
温めた空気を各部屋に通じるパイプで送るようになっている。
当時では画期的なもの。 -
八重夫人愛用のオルガン。
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当時、台所は土間形式が一般的だったが土間を用いず床板を張った台所。
オーブンの煙突の跡なども残されていて、クッキーやワッフルなどの洋菓子も焼かれていたのではとこのこと。 -
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井戸も室内にあって、とても機能的だ。
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こちらは食堂。
台所との間にハッチ式の配膳棚が設けられていて、来客に台所を見せない配慮がなされていて、当時ではモダンなものだった。 -
洋書がずらりと並ぶ大きな書棚がある書斎。八割が洋書。
本の入手が困難だった時代、学生たちはここを図書室のように自由に利用していたそう。 -
1階、2階の三面にはバルコニーが巡らされ、夏の暑さ対策に屋根の庇を深くし、床を少し高くして風通しをよくするなどの工夫が。
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新島譲の死後八重夫人が洋間を改造して造った茶室。
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そしてトイレは外国人のお客さんを考えてか、なんと洋式になっている。
日本初の板張りの洋式トイレだそう。 -
階段は和風の箱階段に。
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二階の居間。
当初は二階にある寝室、居間の四室全てが板敷だったそう。 -
部屋の隅にはセントラル・ヒーティングの吹き出し口。
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新島襄愛用のベッド
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主階段から玄関を見下ろす。
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新島襄の両親の隠居所として造られた附属屋。
日本の大工によって設計、施工されたという旧新島邸は、
機能的で当時では最新の設備が整えられた洋の生活様式の中に
和の要素がうまく調和した興味深い邸宅だった。 -
旧新島邸から少し歩いてやってきたのは同志社女子大学。
この日は学祭の日だったようで多くの人でにぎわっていた。 -
正門を入って正面に見られる建物は昭和7年に武田五一の設計により建てられた栄光館。
登録有形文化財 -
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大正3年同じく武田五一設計により建てられたジェームス館。
煉瓦造り二階建ての同志社女子大で最も古い建物。 -
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2001年に保存改修工事が行われたそう。
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同志社大学キャンパスツアーまでに時間があったのでお昼には近くの
ヴォーリズ建築でもあるバザールカフェへやって来た。 -
緑が気持ちいいオープンテラス
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以前にも一度訪れたことのあるカフェだが、
ヴォーリズによる設計のこの建物は元々宣教師の住宅であった。
その宣教師宅に人が集まるようになり、国籍などを超えていろいろな人たちとの交流の場にということから始まったカフェなのだ。 -
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在日外国人の料理人が、本場の料理を出してくれるのだがこの日の日替わりメニューはタイのグリーンカレー。
かなりスパイシーなお味だった・・ -
食事の後、キャンパスツアーへ。
思ったより参加者は多く、いくつかのグループに分かれて学生さんのガイドによりツアーが始まった。
クラーク記念館は明治26年竣工。設計はドイツ人建築家リヒャルト・ゼール。
老朽化の為、2003年1月から10億円かけて2008年に修復工事が完成したそう。
塔屋が印象的なネオ・ゴシックを基調とする建物。
重要文化財 -
クラーク館の象徴的な塔屋は何度か補修工事がされていて
銅板葺きだった塔屋は今回の修復時には元々の材質が鉄板葺きと分かり、
建設当時のように鉄板が使用されたそう。 -
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床下通気口の華麗な模様
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階段ホール
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二階には部屋が4つ
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建設当時の状態に復元された講堂。
現在はチャペルとして使われている。
天井に近い壁面に描かれた植物文様のような絵は明治時代の講堂の写真をもとに今回復原されたものだそう。 -
こちらの講堂の天井は教室として使用されていたころは別の天井で仕切られていたそうだが、
2003年の修復工事で元の船底天井へ戻されたそう。 -
新しくワニスが塗られ美しくカーブを描く天井。
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当時の職人が一つ一つ手彫りで彫ったという凝った天井飾り。
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こちらはハリス理化学館
A.N.ハンセルの設計により明治23年に建てられたイギリス積みのレンガ建築。
重要文化財 -
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入り口には「sience」のプレート
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有終館は明治20年D.C.グリーン設計により建てられたもので当時は日本最大の学校図書館だったそう。
重要文化財
黒くすすけたところがあるのは何とこの建物は一度燃えたことがあるのだとか。
昭和3年の即位の式典で天皇が在京の際に、隣の御所での式典の為全学あげての警備にあたっていたそうだが、詰所の火鉢から出火。
燃え残った建物は解体の危機にあったそうだが、武田五一により保存・修復されたそう。 -
この有終館は真上から見ると建物の平面は十字架になっているそう。
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礼拝堂は明治19年に建てられたもので日本にあるプロテスタント派の煉瓦造りの礼拝堂では現存する最古のものだそう。
設計はD.C.グリーンで、アメリカン・ゴシック調の鉄板葺きの建物。
重要文化財 -
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プロテスタントの教会ということで礼拝堂の中には十字架や祭壇、キリスト像などはないがステンドグラスが美しい内部。
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ステンドグラスを通して外から差し込んだ光がきれいだった。
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後方のバラ窓。
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正三角形を3つ寄せた同志社のマークはこの前方の天井の明かりとりの形からきてるとか。
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珍しいのは、本来鉛であるステンドグラスの枠が鉛が不足していたため、苦肉の策で木製の枠で作られていること。
現在ではもう木製の枠のステンドグラスを作る職人さんはいないとのことで貴重なものなのだそう。 -
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バラ窓を外側から
約1時間のツアーが終了。
ツアー後も同志社内を少し散策。 -
こちらは昭和16年にヴォーリズにより建設された新島遺品庫
新島襄や同志社関係書類約6000点が収蔵されている。 -
啓明館
大正9年ヴォーリズによる設計で建てられた第二代図書館。
登録有形文化財 -
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昭和7年ヴォーリズ設計によるアーモスト館
新島襄が学んだアメリカのアーモスト大学の建物のひとつを模したもので
ニューイングランドジョージアンスタイルの学生寮。
登録有形文化財 -
2009年に改修工事を終え、現在は海外からの研究員の教育・研究のための長期滞在用の施設として使用されているそう。
この日は内部見学はできなかったが、私が訪れた次のツアーではできるようだったので年に一度は内部見学できるのかも。 -
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最後に、明治17年D.C.グリーンにより設計されたアメリカンゴシック様式の彰栄館。
京都市内に現存する最古の煉瓦建築だそう。
重要文化財
同じ煉瓦建築でもアメリカンゴシックにイギリスゴシック、ドイツゴシックと少しずつ趣の違うバラエティーに富んだ煉瓦建築をこの日は堪能することができた〜
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この旅行記へのコメント (2)
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- nakamasananiwaさん 2011/01/27 09:53:17
- ♪♪♪
- 何やらいろいろな気配
教会以外人はうつっていないけれど濃密な気配
魅力的な建物やね
- まゆままさん からの返信 2011/01/27 21:41:11
- RE: ♪♪♪
- 同志社大学、ほんとに煉瓦建築の宝庫で濃密な空気が流れてますね〜
こんな魅力的な建物の中で学生時代を過ごせるのはうらやましいことです。
いろんな気配?!を感じとってください〜
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