2009/12/14 - 2009/12/14
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がりさん
一戸の無人駅を経て、八戸から青森へ。
ついに空から雪が舞い下り、街は白い世界になりました。
本州の北の街まで来て、明日は北海道入りだ!
明日からもず~っと雪がつづくみたい。
これからは雪の上に白い足跡を付けながら北を目指すことになるだろう。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
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-
盛岡駅からIGR・いわて銀河鉄道に乗ります。
北海道&東日本パスではこの銀河鉄道やそのまま直通する青い森鉄道にも乗ることができるんです。
ここが18きっぷと違うところ。 -
13時10分発の八戸行きです。
車内は女子大生達で賑わってました。 -
最初は立って乗ってましたが、滝沢駅で女子大生達がどどっと降りてくれたので座れました。
近くには岩手県立大学があるようです。 -
東北新幹線だろうか?
ここでついに空の色が一変…!
青色が消えて、怪しげな曇り空になりました。
わかってはいたけど、ちょっと気分がダウン…。 -
このまま八戸まで行ってしまうのもつまらないので、途中下車することにしました。
ヨークシャーテリア駅長がいた奥中山高原駅の次です。 -
それが小繋駅です。
一戸町にある小さな無人駅。 -
降りたのは僕だけ、乗る人もいない小さな駅です。
なんでこんな駅で降りたのかというと…。
それは「命のノート」の話を聞いたから、でした。 -
ホームをあとにして、駅の待合室へ向かいました。
椅子の上には座布団、どこか他の駅にはない温かさを感じる待合室。 -
この待合室に一冊のノートが置かれています。
「命のノート」と題されたノートには、ここを訪れた旅人達が様々なことを書いています。
よく観光地などで見られるものですが、ここは観光地でもない小さな無人駅。
そしてノートに書かれたメッセージには、単なる旅の思い出だけでなく心の叫び、命の叫びともいえるような切実なものも多いのです。
自殺の方法を考えているという男性、彼の余命を知って悲しみに暮れているという女性…。
一番新しい12月5日のメッセージは、うつ病でつらい、という内容のものでした。 -
そんなメッセージに励ましの返事を書く女性がいました。
それが駅前で酒屋を営んでいるという「おばちゃん」でした。
「一生懸命生きてください。いつか必ずいいことがありますから…」
おばちゃんの言葉に勇気付けられ、助けられ、命を救われた旅人達。
いつしかこのおばちゃんを、このノートを心の拠り所にして全国から旅人が集まる駅になったのです。 -
この「命のノート」をめぐる小繋駅の話は映画にもなりました。
「待合室」というこの映画によって、小繋駅の名は少しずつ知られていくようになったようです。 -
これが「命のノート」の一冊目。
今では11冊目にもなってるようですが、これがそもそものはじまりだったんです。 -
最初の書き込みは10年以上前の1998年6月13日、これが発端だった。
「いつまでもつか分かりませんが、とりあえず置いてみます。旅の者より」
どうやら彼が最初にこのノートを置いたらしい。
彼は今、どう思っているのだろう。
自分が「とりあえず」置いたノートが10年以上たった今も人々の心の拠り所であり続けている、ということを。 -
誰もいない待合室の椅子に座って、ノートに書かれたメッセージを読みました。
なかには胸を締め付けられるようなメッセージもありました。
みんな吐き出したい思いをもっているのだ…。
聞いてほしい、誰かに聞いてほしい、そんな思いがこの駅に集まっている。
小繋駅はまさに人と人との「小さな繋がり」がある駅なのだ。
みんなの声が詰まった「命のノート」という一冊のノートを通じて。 -
驚いたのが、宗谷岬を目指す旅の途中で立ち寄った、という人が多かったこと。
まさに僕と同じような旅人達でした。
なかには鉄道ではなく、自転車で最北端を目指しているという人もいました。
そこで僕もせっかくなのでメッセージを書きました。
書いたあとで、なんか自分のメッセージだけ浅いよなあ、なんて思いましたが。 -
駅の外に出てみました。
外は冷たい風が吹いてます。 -
駅前には国道が走っています。
-
ここが「おばちゃん」がいるという酒屋なのかな。
迷ったけど、結局入りませんでした。
今思うと、入ってみてもよかったかも。 -
駅近くのお店で売ってたりんご。
-
駅に戻り、待合室で列車を待つ。
またノートのメッセージを読みながら。
顔も知らない人達の思い…、この駅は素敵だ。 -
列車が来るようなので外に出ると…。
空からひらひらと花びらのように白い雪が舞ってきました。
この旅で初めて見る雪でした。
なんかこのタイミングで降られると胸に込み上げてくるものが…。
よしっ、行こう、最北端を目指そう。 -
今度は八戸まで向かいます。
女性の車掌さんが乗っていて、気配りしてくれました。
金田一温泉駅で降りる時、挨拶までしてくれて、岩手って良いなあ…。 -
そのまま青い森鉄道に入って、青森県です。
発泡スチロールに入った9kgもの煮干しを背負ったおばあさんが乗っててびっくり!
そのおばあさんが乗客の夫婦に煮干しを売ってました。
「安くするから買いなよ〜」
結局買ってたようですが、まさかこれが商売…じゃないよね?(笑)
それにしても、おばあさんも夫婦も青森の方言で喋るため、僕には半分くらいしか理解できず。
これでよく意思疎通できるな〜とこれまたびっくりでした。 -
八戸駅に着きました。
おばあさんは八戸線に乗り換えていきました。
あんな重いの背負って、元気だよなぁ。 -
キヨスクでりんごジュースを買う。
りんごジュースって大好きなんです。。 -
八戸の名物、せんべい汁といちご煮。
-
もう夜でしたが、地図など頂きました。
-
駅の外に出ると、すごく寒い!!
雪もだんだんと強く降ってきました。
さすがにどんどん北へ来てるんだなと感じます。 -
八食センターという市場へ行きたかったのですが、この時間だと適当なバスがなさそう。
駅の近くを歩くだけにしました。 -
駅前にいかの加工場が。
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駅前のユートリーというところ。
土産屋をうろうろ、いろんなものが売ってます。
ちょっと早すぎる土産でしたが、りんごの蜂蜜だけ買いました。 -
ユートリーに展示されていた山車。
豪華絢爛ですね〜。 -
近くで見てもなかなかリアル。
-
これってあの、「美人すぎる」とかいう不可解な形容詞が付けられた市議の名を冠した駅弁でしょうか?
いちご煮は食べたいけど、これは買うの恥ずかしいような…(笑)。 -
17時11分発の青森行きに乗ります。
-
車内は高校生が乗ったり降りたりでけっこう混んでました。
乗ってきた高校生の服や鞄に雪がいっぱい積もってて、そんなに降ってるのか!と実感。 -
青森駅に着きました。
今夜はこの街に泊まります。 -
駅の前にはベイブリッジ。
駅の上を跨いでいますね。 -
青森りんごの広告。
-
青森を走るいろんな鉄道の写真。
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サンタさん、可愛らしい。
-
青森といえばねぶたですね。
-
それからカーリング。
チーム青森はバンクーバー五輪の日本代表に選ばれました。
カーリングまでお土産にしちゃうところがすごい! -
駅の中を見てまわってから、外へ出ました。
かなり雪が強く降ってます。
とうとう、雪の中の旅になりました。 -
見てる間にどんどん積もってゆきます。
新雪が降り積もる光景、美しいです。 -
風も強くて、ちょっと吹雪のような状態。
手が冷たい〜!
足も冷たい〜! -
街は白い世界に…。
今日が「冬」という季節のはじまりのよう。 -
途中で見かけたイルミ。
-
一年後には青森に新幹線が開通します。
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今日の宿はセントラルホテル青森でした。
朝食も付いて4000円と安いです。
僕が泊まるホテルはいつも古いようなところが多いのですが、ここは清潔ですごく良いホテルでした。 -
ふ〜、今日一日お疲れでした。
-
キヨスクで買った林檎せんべい。
南部せんべいにりんごチップで、なかなか悪くない味です。 -
明日は北海道だ!
天気予報は、ずっと雪。
大丈夫だろうか…? -
吹雪の中、夕食をとるためにアスパムへ。
青森のランドマークといった感じの観光施設です。
しかし夜の青森、吹雪いてるせいだろうけど人がいないな〜。 -
ここにもねぶた。
-
アスパムの10階にある「西むら」というお店。
青森の郷土料理のお店です。
やっぱり、せっかく来たんだし地元のものを食べたい。 -
お座敷でした。
客は1組のサラリーマンだけ。
ちょっと寂しい雰囲気かな。 -
縄文定食を頂きました。
ホタテの貝焼き味噌など初めて食べるのが多くて楽しい。 -
タラのじゃっぱ汁。
素朴な味に和みました。 -
吹雪なのに、夜なのに、街を歩く。
-
青函連絡船の八甲田丸。
思ってたよりずっと巨大。
まさに「津軽海峡冬景色」の世界、これで北海道へ向かったんだね。 -
青森ベイブリッジ。
なかなか夜景も悪くないです。 -
あまりに寒いのでコンビニの中へ。
地元ならではの品揃えで見てると飽きません。
太宰治の本とかも並んでました。 -
津軽弁を喋るという自動販売機を発見!
買うつもりはなかったので、お金を入れて返却、をやってみる。
でもなんにも喋ってくれない…。
買わないと喋らないのかな?
さすがにそれを聞くためだけに買うのも変なのでやめました。 -
ホテルの部屋から眺めるベイブリッジ。
明日はいよいよ北海道だ〜。
どんな寒さが待ってるのやら…。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- ゆういちろうさん 2009/12/27 20:35:52
- 心を繋ぐ駅
- がりさん、こんばんは。
小繋駅のエピソード、大変興味深く拝読させて頂きました。
このような場所にこのようなノートがあるとは
恥ずかしながら全く知りませんでしたし
映画にまでなっている事さえも知りませんでした。
多くの人々が何かを求めて旅をしてる中で
この駅で答えを得たり、光を見たり、行くべき道を見出したり…。
そのような出来事がこの駅で起こっていると考えたら
胸がジーンと熱くなってしまいました。
旅の通過点でもある駅が、人生の通過点にもなっているんですね。
良い旅行記をありがとうございました。
ゆういちろう
- がりさん からの返信 2009/12/28 21:25:27
- RE: 心を繋ぐ駅
- ゆういちろうさん、こんばんは!
> このような場所にこのようなノートがあるとは
> 恥ずかしながら全く知りませんでしたし
> 映画にまでなっている事さえも知りませんでした。
最初は行く予定なかったので、僕も大して何も知らずに行ったんです。
知ってたのはその駅に一冊の「命のノート」というのがある、ということだけでした。
それを盛岡で思い出して、ふと行ってみようかな…と。
だから映画も見てません(というか僕は元々映画というのをほとんど見ない性格でして(笑))。
だけど、この駅にはなにか心惹かれるものがありますよね。
おばちゃんはすべてのメッセージに返事を書いてるわけではなく、ごく一部の(とくに心の悩みを素直に打ち明けている)メッセージに励ましの返事を書いてるようです。
これはノートを通じた「顔が見えない」関係だからこそ成立しているんだと思います。
顔が見えないからこそ素直に心の内を吐露することができるし、率直に励ましの言葉をかけることができる。
そういう意味ではネットの掲示板も同じなんですが、ひとつだけ違うのは、こちらはメッセージを書くためには岩手の山奥にある無人駅まで行かなければならない、ということ。
たぶんその行程があるからこそ、この命のノートは今も存続できてるんじゃないかな〜と。
長い道のりを経て、辿り着いた小繋駅でメッセージを書き、再び長い道のりで帰ってゆく。
その行程を達成しただけで、たぶん人は勇気付けられるんだと思います。
- ゆういちろうさん からの返信 2009/12/29 00:23:01
- RE: RE: 心を繋ぐ駅
- がりさん、こんばんは〜。
この度はお気に入り第一号の栄誉を賜り、誠にありがとうございます。
私のの最新情報が表示されるようになったでしょ?
> 長い道のりを経て、辿り着いた小繋駅でメッセージを書き、再び長い道のりで帰ってゆく。
> その行程を達成しただけで、たぶん人は勇気付けられるんだと思います。
確かにそうかも知れませんね。良く考えてみたのですが、
ノートに書き込んだ方が、おばちゃんの返事をすぐに読む事はないのですよね?
他の方の心の叫びに対するおばちゃんのメッセージを読むことで
皆が勇気付けられたり、心が晴れたりするのでしょう。
そして次に来た方は前の方へのメッセージを読み・・・。
駅名の通り、小さな繋がりがいつしか大きな繋がりへと広がって行くのですね。
ゆういちろう
- がりさん からの返信 2009/12/29 15:13:49
- 命のノート
- > この度はお気に入り第一号の栄誉を賜り、誠にありがとうございます。
> 私のの最新情報が表示されるようになったでしょ?
はい、最新情報出てます!
なるほどこうなるんですね、もっと早くお気に入り使ってればよかったかも。
> ノートに書き込んだ方が、おばちゃんの返事をすぐに読む事はないのですよね?
そういうことだと思います。
僕も帰ってからちょっと調べたんですが、小繋駅を紹介しているサイトが少なくて…。
僕が現地でノートを読んだかぎり、地元の岩手県の方も多く書き込んでいて、そういう方は再訪したという人も多いようでした。
しかし、遠くから来た人がまたすぐに駅へ行くってことは考えにくいですよね。
だからおばちゃんの返事をいつ読むことになるかわからないし、もしかしたら読むことはないかもしれない、ということになります。
たぶんこの命のノートは、おばちゃんの返事を読むことに意味があるんじゃなくて、ノートに自分の思いを書き込んでおばちゃんや知らない旅人に読んでもらうことのほうに意味があるように思います。
前記のとおり、必ずおばちゃんが返事をくれるというものではないようなので、あまりそれを期待するのも良くないのかな、と。
おばちゃんやいろんな人が自分の思いを知ってくれるだけでいい、という寛容な気持ちで書くべきな気がします。
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