2008/07 - 2008/07
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JIC旅行センターさん
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○南無大師遍照金剛○
「南無大師遍照金剛、南無大師遍照金剛、…」。別に信心深いわけではないが、「誰でもいいから助けて!」という思いが思わず口をついて出る。
*「南無大師遍照金剛」とは、四国霊場巡りのお遍路さんが歩きながら唱える念仏。「お大師様(弘法大師)の教えは永久不滅であまねく人々を導き給う」といった意味。
第11番霊場・藤井寺から12番・焼山寺に至る俗に「遍路ころがし」と呼ばれる険しい山道を登りながら、日ごろの不摂生を嘆きつつ、必死の思いで体を持ち上げる。十段上っては体を休めて息を整え、再び上っては荒い息をつく。
若いモロゾフ君と林君はもうとっくに焼山寺に着いた頃だろうか。朝6時過ぎに登りはじめて、途中何回も休憩を挟みつつ、全長13.5キロ、標高200mから700mの急なアップダウンを繰り返す山道を何とか歩き通す。
若者たちに遅れること1時間以上、モスクワの取引先のリュドミラ社長とともに、ようやく午後2時過ぎに焼山寺に到着。本堂と大師堂に線香を供え、般若心経を唱えて、ようやく3日間の「修行の旅」は終わりを迎えた。
○歩くことにこそ意義がある!○
事の始まりは昨年8月の阿波踊りだった。リュドミラ社長は、毎年、日本を訪れてはロシア人好みの日本ツアー開拓に余念が無い。私たちにとっては一番熱心でかつ一番厳しい取引相手であり、同時に一番心を許した友人でもある。昨年は、東北夏祭りと徳島の阿波踊りを視察したのだが、阿波踊りの前に訪れた鳴門市で何気なく紹介した四国八十八ヶ所霊場めぐりがいたく気に入り、「今年は、四国の霊場を一緒に回ってみたい」という提案が春先から飛び込んできた。
「まあ、八十八ヶ所を歩いて回るのは無理だから、3、4日車で回ってみるか」と適当なプログラムを作って提案してみたら、「いやいや、歩くことにこそ意義がある!」とぐうたらな日本人ビックリの過激な返答。リュドミラさんは、ロシア正教の教会が催すウォーキングツアー(150km)にわざわざ参加して準備してくる念の入れよう。
リュドミラさんとともに来日した友人のアンドレイ氏(スイス在住、旅行社経営)は50歳過ぎにも関わらずトレッキング大好きという本格派。二人の熱意に押されて、JICからも3名がエントリー。真夏の炎天下、7月21日から23日まで四国霊場を歩く羽目になった次第である。
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○ほんまにアホとちゃうやろか?○
1日目午前7時、一番霊場・霊山寺(りょうぜんじ)で、まずは遍路用品(白衣、菅笠、金剛杖など)を買い揃え、本堂、大師堂にお参りしたあと、さっそく納経帳に一番霊場・霊山寺と墨書、朱印を押してもらう。いよいよ遍路の始まりだ。今日は1番から7番・十楽寺まで17.5kmを歩く予定。
「遍路地図」を頼りに、照り返しのきついアスファルト道をできるだけ避けて、農道や木陰のある旧道を縫って歩く。気温はとっくに30度を超えている。汗がダラダラと頬を伝う。用意したお茶やスポーツ飲料がどんどん無くなる。自動販売機を見つけるたびに誰かが水分補給に駆け寄る。
「歩き遍路」はわれわれだけか、前も後も歩く人は見当たらない。霊場に着くたびに、車やバスで巡る団体さんとは遭遇するものの、歩いているお遍路さんには全然出会わない(よく考えれば歩く方角が同じなのだから、出会わなくても不思議はないのだが)。こんな暑い時期に歩くのは、「ほんまにアホとちゃうやろか」と不安になりつつ、しかし、もうやめられない。「同行二人」(どうぎょうににん)と書いた菅笠をかぶり、背中に「南無大師遍照金剛」の文字を背負って、ひたすら炎天下を歩き続ける。
*「同行二人」とは、「お大師様が修行された道をお大師様と一緒に歩く。いつもお大師様が見守って下さっている」という遍路の考えを表現したもの。
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