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ブダペスト観光第4日目(2004年7月8日)<br /><br />【プスタ(大平原)ツアーの一日(ケチケメート見学付)。夕方、繁華街ヴァーツィ通りでショッピング】<br /><br />(※ただし、この旅行記では、プスタだけを取り上げています。ケチケメートの写真は、「2004年夏のブダペスト・ウィーン・チェコ旅行20日間 旅程一覧&ハイライト写真(1)ハンガリー編」をご覧下さいませ@)<br /><br />明日はウィーンへ移動する日なので、さすがに今日はナイトライフの予定を入れる予定は最初かりありませんでした。だから、今日は、ブダペストからの日帰り旅行に当てようと思いました。ナイトライフの予定がなければ、帰って来なければならない時間を気にしなくてもすみます。候補としては、センテンドレとケチケメートとプスタ(大平原)。<br /><br />センテンドレは、ドナウベントと呼ばれる、ドナウ川沿岸の風光明媚な町の一つです。日帰り旅行にはちょうどいい位置にあります。ハンガリーのアーティストが好んで滞在したので、ギャラリーがたくさんあるし、発祥がセルビア人の街なので、セルビア教会があるそうです。ブダペストからそう遠くないので往復に時間をとられないし、郊外電車を使えば自力で容易に行けます。<br /><br />ケチケメートはもっとずっと遠いですが、鉄道で約2時間。なら、日帰り旅行先としてはまだ許容範囲内です。ハンガリーのアールヌーヴォーのステキな建物があるらしく、とても興味があります。音楽家コダーイの故郷なので、コダーイ音楽院や博物館の方がハイライトでしょうが、それは、まあ、あんまり興味がないのでいいや。<br /><br />あと日帰り先としては、実はグドゥルーも検討していました。ハプスブルグ家の皇后エリザベートが好んで滞在した城があるところで、城の修復は近年終わったばかりようです。つまり、今までも旅行者にとってはブダペストからの日帰り先として候補に挙がっていたかもしれませんが、行く甲斐が増したというわけです。ここも、時間があれば行きたい場所です。<br /><br />でも、エリザベートゆかりの場所ということなら、この後に行くウィーンにもいくらでもあります。彼女の生涯に関心はありますが、とりわけファンというわけでもありません。エリザベートゆかりの地をかたっぱしから制覇しなくても、私としては別に構いません。候補から外そうと割り切るのは、そう難しいことではありませんでした。<br /><br />本当は、ハンガリーに来たからには、ハンガリー特有のプスタ(大平原)やハンガリアン・カワボーイの馬術ショーはぜひとも見たいです。ただ、プスタには個人で公共交通機関を利用してだと、アクセスがよくないようです。平原を馬車で横断するコースや馬術ショーも、見学者の人数が集まらないと催行されないらしいです。なので、ブダペストからのツアーがよく利用されるとのこと。<br /><br />というわけで挙がったのは、センテンドレ、ケチケメート、プスタ。どの候補も捨てがたいですが、ブダペスト滞在はあと1日しかないのだから1箇所しか選べません。本当に、本当に、ブダペスト滞在正味4日では、全然足りやしません。<br /><br />手元にあるツアー・パンフレットを検討すると、EUrama社とTGV Tours社にプスタ・ツアーがあります。馬車でプスタを横断し、ジプシー音楽を聴きながらハンガリーの田舎の伝統的な料理(当然、グヤーシュも含まれる)を食べ、馬術ショーを見るというところはどちらも同じですが、プスタに行く前に寄る街は違いました。EUrama社のツアーはグドゥルーに行き(でも城見学は含まれないでしょう。明記されていないから。)、TGV Tours社のツアーはケチケメートに行きます。ということは、TGV Tours社のプスタ・ツアーに参加すれば、行きたい候補3つのうち、2つを網羅することになります。<br /><br />となれば、もう決まったようなものです。私がケチケメートで一番関心があるのは、街の中心広場にある建物です。ツアーの駆け足の寄り道訪問でも、それくらいは欠かさないに違いありません。というわけで、前日のうちにホテルのレセプションを通じて、ツアーの予約を入れました。<br /><br />当日集まったツアー参加者は、私を含めて14人でした。小回りがきくぎりぎりの人数というところでしょうか。終日ツアーで、かつ毎日催行なのにこの人数が集まるくらいということは、人気があるツアーなのでしょう。ガイドは参加者の出身地を尋ね、説明は、英語とドイツ語の二ヶ国語で行うことに決めました。英語の人は私と、あと北欧からきた夫婦2人だけ。残り11人は、ドイツ人男性3人とドイツ人女性8人。<br /><br />ドイツ人たちはとっても陽気でにぎやかな人たちでした。でも、少しテンションあがりすぎ。蚊帳の外で見ていると、時々シラけてしまったのも確かです。まぁ、気安い仲間同士の団体のかしかましさは、どこも同じでしょう。私も人のことは言えません。もっとも、彼ら全員でもともと一つの団体ツアーが合流したのかな、と思っていたら、ツアーの終わりで、男性陣と女性陣、それぞれ別のホテルの前でバスを降りてしまいた。その様子からすると、同じ団体ツアー客というかんじではありませんでした。どうやら言葉の障害がないから気が合っただけのようでした。というか、よく考えて見たら、にぎやかだったのは専ら女性陣でした。男性陣3人とは昼食時に一緒のテーブルでしたが、お酒が入っても騒がず、レディファーストで紳士的だったっけ。<br /><br />(写真は、ハンガリーの田舎の納屋というかんじですが、プスタ入口の観光客向けのインフラの一部です。納屋は納屋ですが、ここにはほかに、レストランや土産店や手洗いなどもあり、ここから次の写真の馬車に乗ってプスタに繰り出しましたし、ホースショーはここで行われました。)

2004年夏のブダペスト・ウィーン・チェコ旅行20日間  (1)ハンガリー編(続き)プスタ・ツアー

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2004/07/08 - 2004/07/08

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まみ

まみさん

ブダペスト観光第4日目(2004年7月8日)

【プスタ(大平原)ツアーの一日(ケチケメート見学付)。夕方、繁華街ヴァーツィ通りでショッピング】

(※ただし、この旅行記では、プスタだけを取り上げています。ケチケメートの写真は、「2004年夏のブダペスト・ウィーン・チェコ旅行20日間 旅程一覧&ハイライト写真(1)ハンガリー編」をご覧下さいませ@)

明日はウィーンへ移動する日なので、さすがに今日はナイトライフの予定を入れる予定は最初かりありませんでした。だから、今日は、ブダペストからの日帰り旅行に当てようと思いました。ナイトライフの予定がなければ、帰って来なければならない時間を気にしなくてもすみます。候補としては、センテンドレとケチケメートとプスタ(大平原)。

センテンドレは、ドナウベントと呼ばれる、ドナウ川沿岸の風光明媚な町の一つです。日帰り旅行にはちょうどいい位置にあります。ハンガリーのアーティストが好んで滞在したので、ギャラリーがたくさんあるし、発祥がセルビア人の街なので、セルビア教会があるそうです。ブダペストからそう遠くないので往復に時間をとられないし、郊外電車を使えば自力で容易に行けます。

ケチケメートはもっとずっと遠いですが、鉄道で約2時間。なら、日帰り旅行先としてはまだ許容範囲内です。ハンガリーのアールヌーヴォーのステキな建物があるらしく、とても興味があります。音楽家コダーイの故郷なので、コダーイ音楽院や博物館の方がハイライトでしょうが、それは、まあ、あんまり興味がないのでいいや。

あと日帰り先としては、実はグドゥルーも検討していました。ハプスブルグ家の皇后エリザベートが好んで滞在した城があるところで、城の修復は近年終わったばかりようです。つまり、今までも旅行者にとってはブダペストからの日帰り先として候補に挙がっていたかもしれませんが、行く甲斐が増したというわけです。ここも、時間があれば行きたい場所です。

でも、エリザベートゆかりの場所ということなら、この後に行くウィーンにもいくらでもあります。彼女の生涯に関心はありますが、とりわけファンというわけでもありません。エリザベートゆかりの地をかたっぱしから制覇しなくても、私としては別に構いません。候補から外そうと割り切るのは、そう難しいことではありませんでした。

本当は、ハンガリーに来たからには、ハンガリー特有のプスタ(大平原)やハンガリアン・カワボーイの馬術ショーはぜひとも見たいです。ただ、プスタには個人で公共交通機関を利用してだと、アクセスがよくないようです。平原を馬車で横断するコースや馬術ショーも、見学者の人数が集まらないと催行されないらしいです。なので、ブダペストからのツアーがよく利用されるとのこと。

というわけで挙がったのは、センテンドレ、ケチケメート、プスタ。どの候補も捨てがたいですが、ブダペスト滞在はあと1日しかないのだから1箇所しか選べません。本当に、本当に、ブダペスト滞在正味4日では、全然足りやしません。

手元にあるツアー・パンフレットを検討すると、EUrama社とTGV Tours社にプスタ・ツアーがあります。馬車でプスタを横断し、ジプシー音楽を聴きながらハンガリーの田舎の伝統的な料理(当然、グヤーシュも含まれる)を食べ、馬術ショーを見るというところはどちらも同じですが、プスタに行く前に寄る街は違いました。EUrama社のツアーはグドゥルーに行き(でも城見学は含まれないでしょう。明記されていないから。)、TGV Tours社のツアーはケチケメートに行きます。ということは、TGV Tours社のプスタ・ツアーに参加すれば、行きたい候補3つのうち、2つを網羅することになります。

となれば、もう決まったようなものです。私がケチケメートで一番関心があるのは、街の中心広場にある建物です。ツアーの駆け足の寄り道訪問でも、それくらいは欠かさないに違いありません。というわけで、前日のうちにホテルのレセプションを通じて、ツアーの予約を入れました。

当日集まったツアー参加者は、私を含めて14人でした。小回りがきくぎりぎりの人数というところでしょうか。終日ツアーで、かつ毎日催行なのにこの人数が集まるくらいということは、人気があるツアーなのでしょう。ガイドは参加者の出身地を尋ね、説明は、英語とドイツ語の二ヶ国語で行うことに決めました。英語の人は私と、あと北欧からきた夫婦2人だけ。残り11人は、ドイツ人男性3人とドイツ人女性8人。

ドイツ人たちはとっても陽気でにぎやかな人たちでした。でも、少しテンションあがりすぎ。蚊帳の外で見ていると、時々シラけてしまったのも確かです。まぁ、気安い仲間同士の団体のかしかましさは、どこも同じでしょう。私も人のことは言えません。もっとも、彼ら全員でもともと一つの団体ツアーが合流したのかな、と思っていたら、ツアーの終わりで、男性陣と女性陣、それぞれ別のホテルの前でバスを降りてしまいた。その様子からすると、同じ団体ツアー客というかんじではありませんでした。どうやら言葉の障害がないから気が合っただけのようでした。というか、よく考えて見たら、にぎやかだったのは専ら女性陣でした。男性陣3人とは昼食時に一緒のテーブルでしたが、お酒が入っても騒がず、レディファーストで紳士的だったっけ。

(写真は、ハンガリーの田舎の納屋というかんじですが、プスタ入口の観光客向けのインフラの一部です。納屋は納屋ですが、ここにはほかに、レストランや土産店や手洗いなどもあり、ここから次の写真の馬車に乗ってプスタに繰り出しましたし、ホースショーはここで行われました。)

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  • プスタは広いです。日本語で「大平原」という言葉をあてるくらいだから当然です。ハンガリーの地図を広げてみると、南東部から東部にかけて、国土の半分ちかくが平野です。このうち、正真正銘のプスタ、世界遺産に指定されるほどのプスタは、どこからどこまででしょうか。ツアーでは観光用のオープン馬車に乗ってちょこっとだけプスタを横断しました。本当にちょこっとだけです。屋根・幌なしの2頭立て馬車で1時間足らず。40分くらいかな。あれが地図上でどのあたりか、残念ながらわかりません。途中、ケチケメートに寄ったからその付近かな、と思いますが、ケチケメートからさらに30分くらいバスで走りました。<br /><br />プスタは、世界遺産に指定されているからといっても、ひと目見て、おおーっ、とか、わぁーっ、と感激するたぐいのものではありませんでした。そもそも世界遺産は、観光名所というわけではないのですから。プスタは、真っ平らでした。起伏は全くありません。ただ平ら。極端な話、サハラ砂漠の方が、砂丘があちこちにあって、変化に富んでいたといえるんじゃないか、ってくらいです。一面、見渡す限りの平野です。遠くに山脈が見えたりしません。丈の低い草しか生えない土地なので、木々もありません。ある意味、なにもないのがプスタといえるのかもしれません。<br /><br />(写真は、屋根・幌なしの2頭立てのプスタ横断の馬車です。ほとんど荷馬車ですね。これにごとごと揺られてプスタを横断しました。)

    プスタは広いです。日本語で「大平原」という言葉をあてるくらいだから当然です。ハンガリーの地図を広げてみると、南東部から東部にかけて、国土の半分ちかくが平野です。このうち、正真正銘のプスタ、世界遺産に指定されるほどのプスタは、どこからどこまででしょうか。ツアーでは観光用のオープン馬車に乗ってちょこっとだけプスタを横断しました。本当にちょこっとだけです。屋根・幌なしの2頭立て馬車で1時間足らず。40分くらいかな。あれが地図上でどのあたりか、残念ながらわかりません。途中、ケチケメートに寄ったからその付近かな、と思いますが、ケチケメートからさらに30分くらいバスで走りました。

    プスタは、世界遺産に指定されているからといっても、ひと目見て、おおーっ、とか、わぁーっ、と感激するたぐいのものではありませんでした。そもそも世界遺産は、観光名所というわけではないのですから。プスタは、真っ平らでした。起伏は全くありません。ただ平ら。極端な話、サハラ砂漠の方が、砂丘があちこちにあって、変化に富んでいたといえるんじゃないか、ってくらいです。一面、見渡す限りの平野です。遠くに山脈が見えたりしません。丈の低い草しか生えない土地なので、木々もありません。ある意味、なにもないのがプスタといえるのかもしれません。

    (写真は、屋根・幌なしの2頭立てのプスタ横断の馬車です。ほとんど荷馬車ですね。これにごとごと揺られてプスタを横断しました。)

  • ただし、私がツアーで見たところは、どこまでプスタらしいプスタといえるのかは、よくわかりません。一面ぎっしり麦畑でしたから。なにもない、というより、大きなキャンバスに色が塗られただけの抽象絵画のようでした。つまり、なにもないわけではなく、あふれるほどの豊かな思いと意味がそこに込められていますが、キャンバスの前に立つと、やっぱりなにもないとしかいいようがないというかんじでしょうか。込められたものなど、画家の自伝や解説でも読まなければわかりません。しかし、その巨大さが壮観なのです。<br /><br />あるいはプスタは、白飯のようなものかもしれません。何か面白いものだと期待してたわけではないのだですが、本当に何もないんだなぁ、と、最初、拍子抜けしたのは確かです。しかし、しばらくすると、これがハンガリー人のルーツであり、原風景なのか、と、なんとなくストンと納得できました。プスタのよさが、じわじわ伝わってきました。そのじわじわ感が、噛めば噛むほど味が出てくるようなかんじ。だから白飯。白飯だけの食事はもの足りません。おかずが欲しいです。だけど、白飯だけだっておいしいものはおいしい。そんなかんじでしょうか。もちろん、ほんの1時間足らずのプスタ体験で、いわば白飯のでんぷんのうまみまでわかったとは、到底、言えませんが。<br /><br />プスタ横断1時間足らずとは、実は往復時間のことです。片道だと20分くらいだったかな。馬車がめざしたのは、プスタの中にぽつんとある小さな集落でした。そこで典型的なハンガリーの農家というのを見学させてもらいました。博物館ではなく、ちゃんと今も生活の場となっている家です。茅葺の屋根に真っ白な漆喰の壁。軒下には千羽鶴のようにぎっしり重ねられたパプリカが干されています。素敵な農家でした。陽射しが強くカラッと晴れている日だったので、納屋や井戸が地面に作る影が濃く、木のこずえと柵の向こうに見えるプスタがまぶしいかったです。<br /><br />(写真は、プスタにある農家の庭から撮影したプスタの一部です。一面、麦畑。馬車に乗っているときは、揺れて揺れて、とてもじゃないけれどカメラをまともに構えることはできませんでした。)

    ただし、私がツアーで見たところは、どこまでプスタらしいプスタといえるのかは、よくわかりません。一面ぎっしり麦畑でしたから。なにもない、というより、大きなキャンバスに色が塗られただけの抽象絵画のようでした。つまり、なにもないわけではなく、あふれるほどの豊かな思いと意味がそこに込められていますが、キャンバスの前に立つと、やっぱりなにもないとしかいいようがないというかんじでしょうか。込められたものなど、画家の自伝や解説でも読まなければわかりません。しかし、その巨大さが壮観なのです。

    あるいはプスタは、白飯のようなものかもしれません。何か面白いものだと期待してたわけではないのだですが、本当に何もないんだなぁ、と、最初、拍子抜けしたのは確かです。しかし、しばらくすると、これがハンガリー人のルーツであり、原風景なのか、と、なんとなくストンと納得できました。プスタのよさが、じわじわ伝わってきました。そのじわじわ感が、噛めば噛むほど味が出てくるようなかんじ。だから白飯。白飯だけの食事はもの足りません。おかずが欲しいです。だけど、白飯だけだっておいしいものはおいしい。そんなかんじでしょうか。もちろん、ほんの1時間足らずのプスタ体験で、いわば白飯のでんぷんのうまみまでわかったとは、到底、言えませんが。

    プスタ横断1時間足らずとは、実は往復時間のことです。片道だと20分くらいだったかな。馬車がめざしたのは、プスタの中にぽつんとある小さな集落でした。そこで典型的なハンガリーの農家というのを見学させてもらいました。博物館ではなく、ちゃんと今も生活の場となっている家です。茅葺の屋根に真っ白な漆喰の壁。軒下には千羽鶴のようにぎっしり重ねられたパプリカが干されています。素敵な農家でした。陽射しが強くカラッと晴れている日だったので、納屋や井戸が地面に作る影が濃く、木のこずえと柵の向こうに見えるプスタがまぶしいかったです。

    (写真は、プスタにある農家の庭から撮影したプスタの一部です。一面、麦畑。馬車に乗っているときは、揺れて揺れて、とてもじゃないけれどカメラをまともに構えることはできませんでした。)

  • 農家では家畜のほかに、犬が2匹、飼われていました。2匹とも、毛並みがものごかったです。一度も櫛を通したことががないんじゃないか、ってかんじ。まるで麻縄のようでした。それともああいう麻縄のような毛並みの種類のワンちゃんなのかしら。といっても、2匹はまるきりタイプが違いました。共通なのが、その麻縄のような毛並みだけ。話のタネに写真を撮りたかったけれど、カメラを向けたら逃げられました。<br /><br />説明は、その農家の主婦らしき人がハンガリー語で話し、それをガイドが英語あるいはドイツ語に翻訳しました。その中で特に面白かったエピソードを一つ。昔の農家では、夜、家の中で寝るのは女子供だけだったそうです。男たちは泥棒に備えて、家畜たちと一緒に寝ます。なので、夫婦の時間はたいがい、昼間の野外なのだとか。<br /><br />周辺にも農家あるいは農家風の家を見かけました。いくつかは空き家でした。ガイドいわく、ああいう家はたいてい、田舎に住もうと決めたドイツ人が買うことが多いそうです。<br /><br />(写真は、見学させてもらった農家の母屋です。パプリカがずらっと千羽鶴のように吊り下がった様をクローズアップした写真が、「2004年夏のブダペスト・ウィーン・チェコ旅行20日間 旅程一覧&ハイライト写真(1)ハンガリー編」にもアップしてあります@)

    農家では家畜のほかに、犬が2匹、飼われていました。2匹とも、毛並みがものごかったです。一度も櫛を通したことががないんじゃないか、ってかんじ。まるで麻縄のようでした。それともああいう麻縄のような毛並みの種類のワンちゃんなのかしら。といっても、2匹はまるきりタイプが違いました。共通なのが、その麻縄のような毛並みだけ。話のタネに写真を撮りたかったけれど、カメラを向けたら逃げられました。

    説明は、その農家の主婦らしき人がハンガリー語で話し、それをガイドが英語あるいはドイツ語に翻訳しました。その中で特に面白かったエピソードを一つ。昔の農家では、夜、家の中で寝るのは女子供だけだったそうです。男たちは泥棒に備えて、家畜たちと一緒に寝ます。なので、夫婦の時間はたいがい、昼間の野外なのだとか。

    周辺にも農家あるいは農家風の家を見かけました。いくつかは空き家でした。ガイドいわく、ああいう家はたいてい、田舎に住もうと決めたドイツ人が買うことが多いそうです。

    (写真は、見学させてもらった農家の母屋です。パプリカがずらっと千羽鶴のように吊り下がった様をクローズアップした写真が、「2004年夏のブダペスト・ウィーン・チェコ旅行20日間 旅程一覧&ハイライト写真(1)ハンガリー編」にもアップしてあります@)

  • 後日譚。プスタ成立については、講談社現代新書「ハプスブルグ家を旅する」(加賀美雅弘著)で説明を見つけました。それによると、プスタが今のようにどこまでも続く平坦な草原で、観光客にとってハンガリーの原風景のイメージにぴったりになったのは、なんと19世紀のことでした。意外に新しいです。19世紀、この土地に氾濫をもたらしていたドナウ川とテッサ川に堤防が敷かれたため平原が乾燥し、それまで湿地だったところが、草しか生えず放牧地としてしか利用するすべのないやせた土地になった、というのがプスタ成立の事情でした。そんなプスタが、ハンガリー東部の肥沃な穀倉地帯に、島状に点在しているようです。<br /><br />また、見渡す限りの小麦畑の中に一軒家の農家があちこちに散在する農家(私たちが実際に見学したのもその一つ)は、「タニャ」といい、18世紀、農業が再び見直されたはじめたときに現れたものだそうです。都市住民が短期間、あるいは都市生活をやめて農業にいそしむための足場となったのだそうです。彼らは熱心で独立心旺盛な自営農家が多かったために社会主義時代には政府に煙たがられ、強制的に農業以外に職業転換させられるなどの圧力を受けたりしたとのこと。そんな圧力から解放された今のタニャには、ハンガリー人よりドイツ人が多く進出してきているということらしいです。<br /><br />(写真は、農家の中庭にあった建物です。なにかの貯蔵庫か、焼却炉のようなかんじがしましたが、使われているものかどうか、よくわかりませんでした。)

    後日譚。プスタ成立については、講談社現代新書「ハプスブルグ家を旅する」(加賀美雅弘著)で説明を見つけました。それによると、プスタが今のようにどこまでも続く平坦な草原で、観光客にとってハンガリーの原風景のイメージにぴったりになったのは、なんと19世紀のことでした。意外に新しいです。19世紀、この土地に氾濫をもたらしていたドナウ川とテッサ川に堤防が敷かれたため平原が乾燥し、それまで湿地だったところが、草しか生えず放牧地としてしか利用するすべのないやせた土地になった、というのがプスタ成立の事情でした。そんなプスタが、ハンガリー東部の肥沃な穀倉地帯に、島状に点在しているようです。

    また、見渡す限りの小麦畑の中に一軒家の農家があちこちに散在する農家(私たちが実際に見学したのもその一つ)は、「タニャ」といい、18世紀、農業が再び見直されたはじめたときに現れたものだそうです。都市住民が短期間、あるいは都市生活をやめて農業にいそしむための足場となったのだそうです。彼らは熱心で独立心旺盛な自営農家が多かったために社会主義時代には政府に煙たがられ、強制的に農業以外に職業転換させられるなどの圧力を受けたりしたとのこと。そんな圧力から解放された今のタニャには、ハンガリー人よりドイツ人が多く進出してきているということらしいです。

    (写真は、農家の中庭にあった建物です。なにかの貯蔵庫か、焼却炉のようなかんじがしましたが、使われているものかどうか、よくわかりませんでした。)

  • 馬術ショーは、サーカスのような派手さはありませんでしたが、なるほどテクニックがいるだろうな、訓練の成果なんだなと思われるようなものが披露されました。正直にいうと、解説がないとわからなかったと思います。グヤーシュ(ハンガリアン・カワボーイのこと。牛飼い。)達が扱うムチは、どういう仕掛けか遠目にはわかりませんでしたが、振り下すたびにピストルのような音がしました。これに馬たちが動じていません。ふつう動物は、ピストルの音のような大きな音に怯えます。それに動じないのは訓練の成果だそうです。また馬たちは、犬のようにペタッとおすわりしたり、ねっころがって、じっとしている姿も披露してくれました。どれも馬にとっては非常に不自然な姿勢で、忍耐が強いられるそうです。<br /><br />(写真は、まさしくその馬たちが辛抱して寝転がっているシーンです。グヤーシュたちが振り回すムチは、手元にピストルのようなものがついていました。振り回すたびにピストルのような音がして、馬ではなく、こちらの方がびっくりしました@)<br /><br />一番華やかなショーは、グヤーシュが馬の背に立って、何頭立てもの馬車を一度に操るのものでした。これはとても技術がいるそうです。また、これをやりたくてグヤーシュをめざすハンガリーの若者もいるとのこと。確かに一度に何頭も操るのも大変だと思うのに、疾走する馬の背の上に立っているのだから、すごかったです。<br /><br />(その写真は「2004年夏のブダペスト・ウィーン・チェコ旅行20日間 旅程一覧&ハイライト写真(1)ハンガリー編」をご覧下さいませ@)<br /><br />ショーでは、馬だけでなく、子馬や牛やラバも登場しました。丸太を使ったイス取りゲームみたいな、グヤーシュ達がよくやるゲームも披露されました。馬術もいいですが、だぶだぶの袖や裾が風に翻る青い服で、日に焼けて色黒のグヤーシュたちの姿は、ああ、これがマジャール騎馬民族なのか、と感慨深いものがありました。……といっても、もしかしたら、日本のルーツと伝統文化は、フジヤマ、ハラキリ、ゲイシャだ、と言ってるのに等しい思い込みかもしれませんけれど。<br /><br />ショーの後で、希望者は馬に乗せてもらえることになりました。ツアーガイドが今日の最初の、まだブダペストを出たばかりのバスの車内でのツアーの予定の説明のときに、「馬に乗りたい人はお好きにどうぞ」と言っていましたが、このことだったようです。「でも、あくまでご自分のリスクで」と笑いながら付け加えたので、冗談かと思っていました。私たちツアー参加者には馬に乗りたいという希望者はいませんでしたが、他の個人で来ている見学者の中は、特に子供たちが積極的に乗りたがりました。乗る距離は、ほんの少し。しかも、グヤーシュたちがたずなを抑えているので、落馬することはないでしょう。乗馬というより、馬の背中に乗っているというかんじでした。その程度なら私も経験があるので、今さら乗りたいとは特に思いませんでした。ああいうのは、乗って無邪気に喜んでいる子供たちを見る方が、よっぽどほほえましくて、いいです――――なんて、ちょっと不精な感想かな。

    馬術ショーは、サーカスのような派手さはありませんでしたが、なるほどテクニックがいるだろうな、訓練の成果なんだなと思われるようなものが披露されました。正直にいうと、解説がないとわからなかったと思います。グヤーシュ(ハンガリアン・カワボーイのこと。牛飼い。)達が扱うムチは、どういう仕掛けか遠目にはわかりませんでしたが、振り下すたびにピストルのような音がしました。これに馬たちが動じていません。ふつう動物は、ピストルの音のような大きな音に怯えます。それに動じないのは訓練の成果だそうです。また馬たちは、犬のようにペタッとおすわりしたり、ねっころがって、じっとしている姿も披露してくれました。どれも馬にとっては非常に不自然な姿勢で、忍耐が強いられるそうです。

    (写真は、まさしくその馬たちが辛抱して寝転がっているシーンです。グヤーシュたちが振り回すムチは、手元にピストルのようなものがついていました。振り回すたびにピストルのような音がして、馬ではなく、こちらの方がびっくりしました@)

    一番華やかなショーは、グヤーシュが馬の背に立って、何頭立てもの馬車を一度に操るのものでした。これはとても技術がいるそうです。また、これをやりたくてグヤーシュをめざすハンガリーの若者もいるとのこと。確かに一度に何頭も操るのも大変だと思うのに、疾走する馬の背の上に立っているのだから、すごかったです。

    (その写真は「2004年夏のブダペスト・ウィーン・チェコ旅行20日間 旅程一覧&ハイライト写真(1)ハンガリー編」をご覧下さいませ@)

    ショーでは、馬だけでなく、子馬や牛やラバも登場しました。丸太を使ったイス取りゲームみたいな、グヤーシュ達がよくやるゲームも披露されました。馬術もいいですが、だぶだぶの袖や裾が風に翻る青い服で、日に焼けて色黒のグヤーシュたちの姿は、ああ、これがマジャール騎馬民族なのか、と感慨深いものがありました。……といっても、もしかしたら、日本のルーツと伝統文化は、フジヤマ、ハラキリ、ゲイシャだ、と言ってるのに等しい思い込みかもしれませんけれど。

    ショーの後で、希望者は馬に乗せてもらえることになりました。ツアーガイドが今日の最初の、まだブダペストを出たばかりのバスの車内でのツアーの予定の説明のときに、「馬に乗りたい人はお好きにどうぞ」と言っていましたが、このことだったようです。「でも、あくまでご自分のリスクで」と笑いながら付け加えたので、冗談かと思っていました。私たちツアー参加者には馬に乗りたいという希望者はいませんでしたが、他の個人で来ている見学者の中は、特に子供たちが積極的に乗りたがりました。乗る距離は、ほんの少し。しかも、グヤーシュたちがたずなを抑えているので、落馬することはないでしょう。乗馬というより、馬の背中に乗っているというかんじでした。その程度なら私も経験があるので、今さら乗りたいとは特に思いませんでした。ああいうのは、乗って無邪気に喜んでいる子供たちを見る方が、よっぽどほほえましくて、いいです――――なんて、ちょっと不精な感想かな。

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  • すずかさん 2006/08/14 11:09:46
    なるほど・・
    まみさん、こんにちは。

    プスタの旅行記興味深く拝見しました。

    プスタは白米みたいなもの。
    かめばかむほど味が出る。

    なるほど〜。と読ませて頂きました。


    8月の下旬にちょろっとハンガリーへ行くのですが、私プスタは絶対行きたい所なんです。
    やっぱり、ハンガリー人のルーツですもんね。

    馬術のショーもすごく楽しみです(*^^*)
    お座りとかペタと寝るってすごいですよね〜。

    プスタの旅行記すごく参考になりました。
    ありがとうございます♪

    すずか

    まみ

    まみさん からの返信 2006/08/15 20:24:01
    RE: なるほど・・
    すずかさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

    もうすぐ、ドイツにハンガリーですね。お仲間@
    プスタに行けそうでしょうか?

    プスタについては、今年の私のハンガリー旅行では行く可能性が低いのですが、それでもハンガリーについての下調べのときに、追加情報を得ました。
    私が出かけたケチケメート近くのプスタは、「プガツ・プスタ」というのだそうです。
    そして、デブレツェンの近くのプスタは「ホルトバージ・プスタ」。
    手つかずの自然があり、野鳥や沼の写真があり、世界遺産に登録されているプスタは、ホルトバージ・プスタの方かもしれません。
    しかし、プガツ・プスタもいいもんです。
    「白飯」です@

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