2008/12 - 2008/12
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JIC旅行センターさん
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新潟から1時間半、ヨーロッパなのかアジアなのかとウラジオストクの地に足を踏み入れると不思議な感覚になります。ユーラシア大陸の大部分を占めるロシア、ヨーロッパとアジアをまたぐ国だから当然だと思われるかもしれませんが、今のモスクワやサンクトペテルブルグとも異なった雰囲気を持っています。
ウラジオストクにはレーニン像が未だ撤去されずに立っていて、ソビエト時代を思わせる風貌も残っていました。天気によって変化する海の色、街の印象、海風の匂い…。日本で例えるなら、洋館が立ち並ぶ異国情緒あふれる港町函館市に似た街だと思いました。
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私が初めてウラジオストクを訪れたのは1998年4月。ロシアの春は雪解け水で足場がぐちゃぐちゃなのですが、初めてロシアの地を踏むにはいい時期だったのかもしれません。太陽が降り注ぎ、春を通り越して、夏のような日もあれば、日本の真冬のように寒い日もあり、短期間で小さな四季を感じ、ウラジオストクの幾つもの顔が見られたからです。
前回の滞在は1ヶ月間と長かったのですが、今回は3泊4日の短い期間でした。しかしロシアの冬の自然に触れるという体験しました。ウラジオストク郊外にルキャノフカ村という村があります。案内してくれたガイドさん曰く、将来的にはウラジオストク近辺のリゾート地にしたいところだそうです。
ウラジオストクは1992年まで外国人及び、一般ロシア人の立ち入りが禁止されていた為、観光産業は駆け出しといった感じで、まだ、外国人が旅行に来て開放的な気分になるような場所ではないですが、これから力を入れていこうというのが伝わってきました。
シベリア鉄道の始発地ということもあり、気分良く旅立ってもらえるようにと、欧米並みのサービスの提供を心掛けるホテルや、親切で気の利いたガイドの案内などが印象的でした。
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ウラジオストク市を出ると、道路両側には延々と林が続きます。車を走らせること約3時間、いくつかの小さな平屋建てが見えてきて、ルキャノフカ村に到着しました。森林の中に丸太を積んで建てられた、おもちゃの家のようなかわいらしいコテージが数軒あり、これを貸し切り、ロシアのダーチャ(別荘)生活を楽しむことができます。
ただ、ロシアのダーチャというと家庭菜園付きのイメージもあるのですが、ここは将来、リゾート地になるであろうところなので、生活感は全くありません。日本でいうなら休暇村といった感じでしょうか。
コテージには、ベッドのついた宿泊用コテージとサウナ用コテージがありました。ところで、ロシアのバーニャをご存じでしょうか? バーニャとはサウナ室で、隣の部屋に軽くお茶が飲めるダイニングのようなリラクゼーションスペースがついています。
ロシアのサウナは一般に日本にあるサウナより低温と言われ、白樺の枝でバシッバシッと背中を叩き、血行を促します。これを何回か繰り返すというのがロシア式サウナだそうです。サウナから出てすぐに、雪の中に飛び込むようなことは絶対しないようにと言われました。徐々に体を冷やしていかないと心臓に負担がかかるからです。サウナを出た後は、寒さで固まった筋肉がほぐれて、体も芯から温まり、リフレッシュできます。温まった体でマイナス10度以下の森林の中を散歩するのは、それほど辛いものではありません。
マイナス10度以下の世界というのは、すべてが浄化されたように、空気が澄んでいて気持ちの良いものです。天気の良い日であれば、凍った水蒸気がキラキラ輝き、絵に描いたように美しい情景を目にすることができるでしょう。 -
今回のウラジオストク訪問で、渡航前最も不安であり、渡航後予想以上に満足したのが、ウラジオストク航空の帰国便、ウラジオストクー富山間の便でした。機種はソ連製ヤコブレフ40、座席数は2×2席の7列で、観光バスよりも小さな飛行機です。
パイロットもキャビンアテンダントも一般の搭乗者と同じところから乗り込みます。座席も狭く、すごく小さな飛行機なので、どんなに揺れて轟音がするのかと出発前から初めて飛行機に乗る時のような緊張感を持って離陸を待ちました。
XF839便、11時30分定刻通り離陸。いつ離陸したのかと思うほど静かでした。上空でも全く揺れません。機内は多少古めかしいのですが、乗客は15〜16人で、ゆったり座れて専用ジェットに乗っているようでした。機内サービスを受け、窓に顔をつけるようにして雲を見ているうちに、機体は地上に着いていました。いつ着陸したのかと思うくらいスムーズでした。ロシアのパイロットの技術は素晴らしいというのは確かです。
ロシア系航空会社の飛行機に乗ると着陸時に拍手が起こることがよくあります。これは無事着陸したという拍手ではなく、機長に対する感謝の気持ちを込めた“ありがとう”拍手だと聞いたことがあります。私も“Спасибо”の気持ちを送りたくなりました。
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