2010/06/23 - 2010/06/23
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4nobuさん
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前に書きましたがロンドンで数日の余裕ができてさてどこに行こうかと考えたときにまず頭に浮かんだのが私の偏った好みですが1)ヨークの国立鉄道博物館 2)バプールの海洋博物館3)チェスターでした。
英国は蒸気機関の発祥の地、また蒸気機関車を使った鉄道技術の発祥地でもあります。そして産業革命の担い手として全土に鉄道がめぐらされました。
古いものをいつまでも大切に使い、また保存する英国人の気質から保存列車が今でも各地で運転されています。また同時に機関車や車両を陳列した博物館が各地にあります。その内でヨークにある国立鉄道博物館はもっとも充実しており世界一の鉄道博物館と言われています。そこには大事に保存されたきた技術遺産が沢山展示され技術史の教科書のようで私は鉄ちゃん(鉄道マニア)でないのですが古い時代の機械技術者として楽しく見物できると大いに期待して行きました。
実はヨークの旧市街がこれほど見所があるとは知りませんでした。大変に楽しい市内観光のおかげで鉄道博物館に着くのが大幅に遅れて16:45になってしまい、閉館までたったの1時間だけの見学になってしまいました。そのため有名な機関車だけでも見ようと大急ぎでグレートホールだけの見物となりました。
残念な短い訪問になってしまいましたがそれでも楽しい見物でした。
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国立鉄道博物館はヨーク駅の裏側すぐのところにあります。しかし街中からはけっこうな距離になりますのでミュンスター(大聖堂)からのロードトレイン(ミニトレイン)を利用なさるのがいいです。私は知らなかったので歩きました。
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館内配置図(パンフレットから)
見物ポイントは機関車、客車などを展示したGreat Hall,ビクトリア女王の御料車と王室の鉄道旅行に関する資料など昔のノスタルジーを体験するStation Hallの2箇所です。
しかし技術屋にとっては(Great Hall以外では)WearhouseとThe Worksに興味があったのですがGreat Hallで夢中になってしまって閉館時間となりそれ以外の見学は残念ながらパスでした。 -
大きなホールの中央に、とっても大きな機関車方向転換用ターンテ−ブルのピットがあってそのまわりに蒸気機関車、電気機関車が放射状に展示されています。
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夫々ががよく手入れされています。
これからの説明は機関車の製造年月に合わせて並べました。それぞれのコメントには車両についていた説明にわたしの調べと術語の解釈をあわせて書き込みました -
古い設計思想で製作された最後の機関車"Agenoria"
1803〜1829に50種製作され6〜10km/hの速度で主に石炭の運搬に使われました。
・遥動型のビームとロッドでピストンから動輪に伝動される構造です。
・ボイラーは水室の中を一本の煙道が通るタイプで極めて非効率でした。
このように不利な機関車でしたがスタッフォードシャーの炭鉱で35年間石炭の運搬で動いていました。 -
古い設計思想で製作された最後の機関車"Agenoria"シリンダーが垂直に立っています。
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蒸気機関車の歴史上最も有名な”ロケット号”のレプリカです。オリジナルはロンドンの大英科学博物館にあります。またどうしてか独)ニュールンベルクのドイツ国鉄博物館にもレプリカがあります。注)
これより以前から蒸気機関車はありましたが一般の乗客を乗せる列車を牽引する機関車ではこのロケット号が最初です。
画期的な性能でコンテストに入賞して1824年にリバプール&マンチェスター鉄道に採用されました。その1830年の全線?開通式で祝賀列車に乗ったリバプールの議員が途中駅で線路に下りていて、すれ違ったロケット号に轢かれて最初の鉄道死亡事故となったのも一つの逸話です。
注)余計なことで、贔屓のそしりを受けそうですがこのドイツ国鉄博物館も別の意味で世界一と言えると私には思えます。
機関車の展示も英国に比べると少し劣りますが、ドイツ最初の鉄道建設やスイスベルニナ鉄道などの建設や運営に関する資料など車両以外の遺産もきちんと揃えて展示しているのはむしろドイツ国鉄博物館の方がすぐれています。 -
この機関車が有名なのは、最初の機関車というのではなく、いくつかの画期的なアイデアを発明し採用したおかげで素晴らしい性能を発揮したことです。そしてその後の機関車の原型となったからです。
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第一の革新技術ははこれまでの常識だった遥動レバーをなくし単純な構造のコネクティングロッドによる伝動として効率を上げ、同時にシリンダーを斜めに取り付けて従来の垂直に取り付けられたシリンダーではレールの状況によって両側のピストンの動きが同期しない欠点をなくしました。
伝動部分は前の写真をご覧ください。 -
第二の革新技術はボイラーに銅製の多管煙管の採用です。これまでは火室での石炭の燃焼でできたホットガスが水室の中の1本の太い管に導かれて水を加熱したのを多管にして伝熱面積を大幅に増やして多量の蒸気を得ることができるようにしました。
断面を見れるようにした模型の写真にはボイラーの端板に25本の煙管の一部が見えます。
なおボイラーに供給される水は石炭を燃やす火室の二重壁を通って余熱するように工夫されています。 -
第三の革新技術はシリンダーの排蒸気の一部を煙突の中にブラストして燃焼とホットガスの効率を上げました。
機関車の後ろには水樽と石炭を載せた炭水車が繋がれて写っています。タンデム型といいます。 -
ロケット号に牽かれた一等客車のデザインは馬車を真似て
・車両の端の上にガードマンが座る席があります。
・屋根上の荷物が滑り落ちないようにレールがあります。
・駅にはプラットフォームがないので車の両側にステップがあります。
なお英国では客車を馬車と同じく今でもコーチと呼びます。 -
"Gladstone"
Londonk〜Brightonの急行列車牽引の機関車で1882年製作。
車体重量のほとんどを前軸(駆動軸)にかけるように設計して、傾斜の厳しい主線でもレールへの粘着力を失わない工夫がされました。しかしその荷重が駆動軸の磨耗の主因となったのでその対策として軸の上に冷却水を供給するように改造しました。 -
Gladstoneを別の角度から写しました。
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1926年にスクラップにされるところをスチブンソンロコモティブ協会(SLS)によって救われました。SLSは主な機関車を私的に保存する世界最初の協会です。
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1892年"Hardwicke"
London&Northwestern鉄道の2-4-0型テンダー機関車(先輪1軸、動輪2軸、従輪なしで炭水車つき)で1871〜1903まで使われた急行列車用で唯一残っているもの。FreeSteamingBoilerとロスの少ないシリンダーの設計で小型なのに高出力を出し、1895年のレースでは108km/hの速度を出しました。 -
大径の動輪で速度重視の設計であることがわかります。
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急行列車用機関車"Duchess of Hamilton"
1938年に流線形機関車としてつくられ英国で運用されたのでは最もパワーのあるものの一つで、また38の王女の名を冠したシリーズの一つ。
西海岸の幹線のアングロ・スコティッシュ急行を牽引して常時145km/hで走行していました。 -
流線形のカ4−6−2の車輪構成
バーをつけてないのもあります。 -
グレートウェスタン鉄道乗客用タンク機関車No.87 1904年製作の0-6-0型車輪配列。
ヤードでの入替え作業からローカルや郊外での乗客用までの広範囲の用途に使われました。
1885〜1923年にイーストロンドンのストラトフォードで製作された275台の中の乗客用のバリエーションで1960年に退役しました。 -
第二次世界大戦で特にサザン鉄道での軍用資材の輸送の増加に対応して1942年に設計製作されました。
この機関車はこれまでのものに対して50%以上の力があり前進も後進もできる特徴があります。
戦時の材料の供給不足に対応して可能な限りの重量低減が行われ外観では車輪のカバーでもあるランニングカバーがありません。 -
新幹線0型の先頭車。表示によるとJR西日本、日本の車両メーカの協力によると書いてありました。全作業と費用を負担したと想像するのですが。
内部にも入れました。皆さんが意外なくらい興味深く内部を見回していました。 -
ユーロスターの(おそらくは初代車、またはモデル車の)一両分でなく頭部のみです。
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