2010/06/23 - 2010/06/23
50位(同エリア177件中)
4nobuさん
- 4nobuさんTOP
- 旅行記344冊
- クチコミ10件
- Q&A回答89件
- 776,119アクセス
- フォロワー37人
最初の旅の概要で書きましたようにコッツウォルズウェイ(フットパス)の全行程160kmを歩くのを半分の80kmでやめてしまったので時間が余り、さらにドーバーの白い崖を見に行くのを潮位の関係で延ばしたのでまだ行ってないイングランドの古都めぐりをすることにしました。
ヨーク:ローマ時代に始まりいくつかの民族に支配された北イングランドの中心都市で、また英国最大の聖堂が魅力です。
チェスター:古都の雰囲気では英国一番で絶対欠かせない訪問先です
リバプール:二つの都市の中間にあって、私の旅の興味の一つのテート美術館、海洋博物館があります。
この3箇所を2泊3日で廻ることにしました。
この号はその第一の訪問先ヨークの旅行記です。
ヨークはイングランドでも英国でもほぼ中心位置の欧州大陸側にあり、またフォス河とウーズ河の合流点という絶好の戦略位置のために古代から近世まで侵略とその結果の破壊の歴史が繰り返されました。
BC8000年頃の遺跡も発見されていますが、都市が形成されたのはAD71年のローマ軍による要塞が最初といわれています。そして歴代の皇帝はここに宮廷を構えました。
ローマ軍の撤退後にはこの要衝を巡ってアングロサクソン人、ヴァイキング、ノルマン人などの民族の争いが続き、都市と城砦の争奪、破壊、新設が繰り返されました。さらにイングランドに統一されてからもスコットランドに対する防御基地として重宝されました。そして14世紀にはローマ教皇からヨークの大司教がイングランドの主席司教と定めたことによって宗教上も重要な都市となりました。
このような背景からヨークには英国最大の大聖堂や城壁、石畳の町など歴史的な見所の多い町です。それは17世紀の内戦の際に破壊行為を禁じて歴史遺産の保存の伝統を作ったことも大きく貢献したのでしょう。
城壁内でも史跡の集中する左岸地区を南部のヨーク城地区から北上して大聖堂まで古都の町並みを楽しみました。その後で駅に隣接する英国最大の鉄道博物館に行きました。実はこの博物館に行くことがヨーク訪問の目的の一つだったのです。その訪問記は別にアップします。
見所が多くて1日観光では見逃したところが沢山でき残念です。北イングランドの旅をまた計画しそのときに再訪問しましょう。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 タクシー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ヨーク駅に着きました。ロンドン南部の郊外から朝ゆっくりと出てきたので昼前になってしまいました。
駅は地方の駅にしてはずいぶん立派で、さすがに産業革命の中心で、また北イングランドでの鉄道交通の要衝であったことが納得できます。現在は東海岸を北上する幹線の主要駅でもあります。 -
駅舎の作りも丁寧な作り。
-
到着が遅かったし、駅から徒歩15分と書いてあったのでホテル「レディ・アン・ミドルトンズ」までタクシーを使いました。
タクシーを降りた正面の様子。しかしこれはアネックスで本館はそのの左手でした。 -
アネックスの正面。入口の上にある像は後で判ったのですが、この建物の創始者でホテルの名にもなった元市長夫人のアンです。
-
アネックスのロビーにある碑文には「このホスピタル(養護施設)はミドルスロープ在の元市長サー・ヘンリー・トムソンとアン夫人が6人の貧しい人たちを救うために1700年に創立した」と書いてありました。
-
本館に移動する途中からみたアネックスでみだりに本館が見えます。
このホテルは市の保存指定を受けている17,18,19世紀の建物からなっていますがこれが最も古い部分です。 -
広い前庭のある平屋の本館。ゆったりした雰囲気で居心地がよさそうです。
-
ホテルのロビー
-
荷物を預けて早速市内観光です。ホテルに近いヨーク城から観光です。
まず市内を縦断するウーズ河のスケルダーゲート橋を渡ります。 -
橋から上流の眺め
-
凝った作りのスケルダーゲート橋の欄干の灯火。
経済的に豊かな町だけに豪華です。 -
鋳鉄製の欄干
-
ウーズ河を下る観光船。楽しそうで乗りたかったが時間がないので断念しました。
-
-
ヨーク城のシンボルのクリフォードタワーが見えてきます。
-
クリフォードタワーは11世紀に征服王ウイリアムが人工的に小山を作りそこに木造の塔を作ったのが始まりで、12世紀の反ユダヤ騒動で150人のユダヤ人が自決し焼け落ちた事件で有名です。
その後四葉クローバー形の塔がヨーク城の本丸として再建されましたがこの塔以外は消滅してしまいました。後で出てきますが広場を隔ててヨーク城博物館がありますがこれは歴史的建造物ではありません。 -
この塔には党全体を覆う屋根があったそうです。
-
クリフォードタワーの丘から見ると三つの建物があり、そのうち中央にあるのがヨークキャッスル博物館です。後で知ったのですがこの博物館ではビクトリア時代の街並みが再現されていてたいへんに面白いそうですが事前勉強不足で見過しました。
-
クリフォードタワーに入ります。
-
中庭です。
-
塔に上って中庭を見下ろしました
-
-
クリフォードタワーからの展望。手前がヨーク連隊博物館、その向こうの塔のある建物は裁判所。
-
クリフォードタワーからの展望。右手前がフェアファックス・ハウス、中央とんがり帽はオール・セインツ・ペーブメント教会、その向こうの横長の建物が後ほど訪問するヨークミンスター、左端の小さい塔がセント・ウォーフリッズ・カソリック教会。
-
フェアファックス・ハウス
英国で18世紀で最も精密で豪華に装飾されたタウンハウスと言われるジョージ王朝時代の建物です。名前の由来は1760年にヴィスコント・フェアファックスの未亡人アンが一人の子供を育てるために購入し有名な建築家に大々的な改装をさせたのです。素晴らしい内装や調度が有名ですが時間と入場料が惜しくてパスしました。後に本を読んで後悔しました。 -
フェアファックス・ハウスの裏通りはちょっとしたにぎやかな通りですがそこにヨーヴィック・ヴァイキングセンターがあります。
ヨーヴィックとはヨークの9世紀のここのヴァイキング居住地の名前で、すぐ隣のコッパーゲート通りでその住居跡が発見されました。
それがこのテーマパーク様の施設を作った由来で、ヨークで最も人気のある観光スポットです。
この建屋内の案内図で右側の入口を入り、再現した遺跡などのコーナーを通り、地下のスキーリフトのような乗り物”タイムカー”に乗り図の左半分に茶色で書かれたルートを巡る間にルートに展示された模型を見る趣向です。 -
展示の一つ、ヴァイキング時代のコッパーゲート通りの市場
-
当時のヴァイキングの生活を音からにおいまでそっくりに再現する努力は伺えますが、やはりテーマパークですね。知識欲を満足させてくれません。
-
ヨルヴィック・バイキング・センターを出てここの訪問の目的の一つ旧市街と大聖堂のほうへ歩き始めました。にぎやかな大通りのコッパーゲートに出て人の流れにあわせて右折し、しばらくして先ほど塔上から見えた可愛い教会、オール・セインツ・ペーブメント教会の横に出た。
-
オール・セインツ・ペーブメント教会の横を通り過ぎて旧市街の中心地の方向に北上します。
-
ハイウースゲートはクーパーゲートと合流してさらに立派な通りに変わります。
-
通りには大きくて立派な建物が目立つようになりました。
ドイツなど欧州大陸の古い町並みと同じように木骨構造で、そして(税金対策で)上の階がせり出した形です。 -
正面から見ると
-
通りの向こうに大聖堂がみえますがほかに見たいところがあるので直行しません。
-
少し引き返してシャンブルズ小路に入ります。ここは昔のままそっくり残った裏通りで最も歴史的と言えるのではないでしょうか。10世紀ごろには肉やが集中していたそうで、Shamblesはいまでは屠殺場の意味に使われていますがもともとは陳列棚の意味で丁度その乱雑な様子がこの通りの乱雑さが似ていたからだとか。
-
観光客が増えた今ではみやげ物の店、食料品店、喫茶店、レストランが多くなっています。
-
-
小路の置くには小さな広場があってそこには衣類市場がありました。
-
-
小路を出てグッドラムゲートを進むと通りから入り込んで小さな教会があるのを見つけ中に入ることにしました。
-
ホウリイトリニティ教会でした。
-
教会の敷地に入る小道。路傍の花がきれいに手入れされています。
-
教会内部。信徒の席が小さく区切られているのを珍しく思いました。蹲ると周りが見えなくなりますがそれが狙い?
-
-
古い町並みが続きます。
-
-
-
やがて大聖堂の裏側の広場に着きました。
-
広場の右手の長い建物はどうやら大学関係の建物らしい。前の通りの名前がカレッジ通り
-
同じくカレッジの建物
-
中庭にはいるとカフェがある、後で調べるとここにいいレストランがあるらしい。
-
大学関係のせいか若いひとの出入りが盛ん
-
複雑な小路をほかの観光客の後について行きます。
-
大聖堂の手前で由緒ありげな建物が・・・、トレジャーハウスという名で、建物と所蔵品の両方がナショナル・トラストになった最初のケースで、大聖堂の宝物管理人の住いでした。この建物は地下のローマ時代の道路跡から天井裏の宝蔵管理人の住いまで2000年の歴史が詰まっており、とくに300年にわたる美術・工芸品のコレクションに見る価値があるそうです。残念ながらほぼ半日だけのヨークの観光で特に鉄道博物館に興味が傾いているのでここも省略しましたがやはり後悔することになりました。
-
博物館は入口を覗いただけで室内に入らず庭に廻りました。
-
規模は大きくありませんが手入れのいい静かな庭でお茶を取ることができます。ちょっと休めばよかった。
-
大聖堂裏側の緑地ディーナリ・ガーデン(大聖堂主席司祭の庭)に出ました。ガーデンといっても芝生と大きな樹木の庭です。 -
ファミリーが午後の憩いのひとときを過しにきています。
-
様子ではここで初めて知り合ったらしい。
サンドイッチの遅い昼食をいつものように慌しく摂りながら見ていました。 -
右手の大聖堂正面にまわります。
-
ヨークミンスター(ヨーク大聖堂)の正面右寄りです。
二つの鐘楼のウェストタワーがどっしりとかまえています。欧州大陸でよく見かけるゴシック式のとんがった塔と違って四角いのが英国ゴシックの特徴ですね。 -
トランセプトの交差部分から内陣の聖歌隊席までの部分にオーケストラとコーラス団のひな壇ができています。
-
ベンジャミン・ブリテンの戦争レクイエムを今晩演奏するのでその練習でした。しばらく見ていたのですが日本に比べてずいぶんのんびりした練習風景です。
自分たちパートでないときは何かを食べて口をもぐもぐとか。 -
オーケストラも一緒でしたが専らコーラスの方の練習で、手持ち無沙汰のようです。
-
-
正面入口上にあるグレート・ウェスト・ウィンドウ
-
南袖廊のローズウィンドウ
-
聖歌隊席の背後
-
北の袖廊にあるファイブ・シスターズ・ウィンドウは五つのランセット(細長い窓形)でできています。
-
主祭壇とその奥にグレート・イースト・ウィンドウがみえます。
-
1967年にセントラル・タワーの倒壊の危険が判り、その補強工事に際して発見されたのが教会の基部のローマ時代とノルマン時代の遺跡で、地下に降りるとその補強と遺跡が見れました。
-
大聖堂から城壁の北西門ブーサムバー(バーは門のこと)への通りを歩きます。
-
正面が北西門ブーサムバーのあるブーサムタワーです
-
ブーサムバーとその左にブーサムタワーが繋がってあります。背後に大聖堂の二つの塔がそびえて見えます。
-
少し離れたところに小規模な門と塔がありますがブーサムバーとの関係がわかりません。この付近は城壁が複雑になってますのでそのせいでしょうか
-
-
ヨークシャー博物館の横を通りすぎます。
-
崩れかかった古くて小さい城壁の傍を通ります。内側の城壁だし、おそらく古いほうの城壁なのでしょう。
-
前出の壁のつながりで壁の曲がり角にある多角塔、さしずめ日本の櫓
-
続く城壁
-
市内観光はこれまでとし、鉄道博物館のある駅のほうへと移動します。このミュージアム通りは駅と大聖堂を結ぶ通りです。
-
ウーズ河に架かったレンダル橋から下流を見ると今夜のイングランドの(相手国は忘れましたが)サッカーを楽しもうとする人々が河岸のレストランに集っているのがみえます。
-
上流の公園の岸にはナローボートが沢山もやっているのが見えます。
-
城壁が河に接するところには櫓があります。
-
新しく作られた自動車道路が城壁を横断するところでは城壁は新しく作られてます。
-
駅裏にある世界最大の鉄道博物館ナショナル・レイルウェイ・ミュージアムに期待を膨らましていきます。
ここの見学記は別に書きます。 -
夕食を摂るべく外出すると、さきほどの河岸のレストランからは威勢のいい歓声が聞えます。町にはイングランドの旗をつけた自動車が沢山走っていましたが今日がイングランドの試合の日でした(相手がどこだか忘れましたが)。どこのレストランもビールの入った歓声で夕食を落ち着いて摂れそうもないしそれに満員。ようやくイタリアンレストランで静かに食事ができました。ここの海鮮クリームスパゲッティはこれまでで最高の味でした。
翌日のリバプールでは日本の試合の日でしたがレストランはがらがらでした。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
87