2024/05/23 - 2024/05/25
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ちゃおさん
遊覧船や観光ボートが出る伊根の波止場付近は大勢の観光客、主に中国、台湾、韓国系が大半で、日本人や白人はごく少数。その付近には昔からある舟屋が軒を連ねて並んでいるが、余りの人の多さにスマホを取り出して、写真を撮るのも気が引け、そこはさっと見るだけにして、次のバスで高台にある道の駅へやって来た。主たる目的はお腹が空いたので、道の駅で何か腹ごしらえしようとの積りだったのだが、当てが外れ、道の駅には殆んど観光客はおらず、店の方もレストランは既に閉店、土産店で簡単なつまみ類を売っているだけだった。
食事にはあり付けなかったが、高台から眺める伊根の舟屋は圧巻だった。海際、岸辺に沿って住宅がびっしりと隙間なく並び、何か昔からある原生生き物のような感じだ。カタツムリとか貝殻を大きくし、家のかたちにし、密集している。山が海際まで迫り、海に面したほんの少しの平地を最大限に活用している。遠くからで良くは見えないが、隣の家との隙間は30cmも無いだろう。集合アパートのように壁を共用しているかも知れない。
いつの頃からかここにこの様な特殊な構造、舟屋群が形成されたのか自分には分からない。案内書とか文献などを当たれば、歴史、生い立ちも分かって来るのだろうが、調べてまで理解することは無い。遠く、江戸時代の遥か以前から南方系の人々が菜っ葉椰子の小舟に乗ってこの地にやって来て、波静かな伊根に定着し、小舟を守るために屋根を作ったのだろう。
日本の伝統に小舟を屋根の下に入れると言う風習は余り聞いたことがない。普段は海の上に野ざらしか、岸辺に引き上げても、そのまま野ざらし、稀にシートを被せることもあるが、それも近年のことだ。橋もそうだ。日本では橋に屋根を付けるのは殆ど無いが、米国ではクリントイーストウッド主演のマデイソン群の橋にあるように、田舎の橋にまで屋根を付ける。日本とは伝統が違うのだ。この舟屋群のずっとずっと昔の祖先は、どこか南方の海の向こうからやって来た人々に違いない。
そう言えばずっと昔、香港の油麻地が今のような高層ビル街に再開発される以前、そこの港とか、香港島のアバディーンには数多くのサンパンが係留されていた。それ等の舟は屋根があって、小屋までついていて、海の人々はそのサンパンで生活をしていた。舟と家が一体だったのだ。ずっと昔、その香港やマカオがイギリス、ポルトガルの植民地になるずっと以前、それ等の人々、更にもっと南方の海洋族がカタツムリのように家を持ってこの地に流れ着いて来たのか・・。そこでそんなことを想像しながら、かなり離れた国道上のバス停まで来た道を戻った。
- 旅行の満足度
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