2024年 / 北イタリアの世界遺産巡り (4)　　フェッラーラ 【世界遺産フェッラーラ:ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯】

2024/09/04 - 2024/09/04

　2024年度は、かつてのヴェネツィア共和国の領土を中心に、北イタリアの世界遺産を巡ってきました。
　本日は、午前中の3時間しか営業していないアリウス派の洗礼堂を見学後、ルネサンス都市フェッラーラに向かいます。

エリア フェラーラ(イタリア)

• 旅行の満足度: 4.0

　朝食開始時間の8:30過ぎに朝食ルームに行ってみると、僅差で先客がビュッフェに置かれた料理をほとんどお皿に取ってしまった後で、オレンジジュースですら空っぽでした。ハムや卵など、新たに補充されるまで待たなければいけなかったので、朝食に時間がかかりました。

M クラブ デ ラックス B＆B ホテル

　B&Bチェックアウト前に、アリアーニ洗礼堂の見学に行きました。カトリックのローマ人を支配することになった東ゴート王国の王テオドリックが、アリウス派であるゴート人のために建てた洗礼堂です。外に置かれたモザイク柄の券売機で入場券(2ユーロ)を、クレジットカードで購入しました。

アリアーニ洗礼堂 寺院・教会

　昨日訪れたカトリック教徒のための洗礼堂ネオニアーノ洗礼堂と、モチーフは同じでした。ネオニアーノ洗礼堂は青い天井でしたが、こちらの背景は金色でした。

アリアーニ洗礼堂 寺院・教会

　イエスは神ではなく、人間であるとの立場をとっていたアリウス派のためのモザイク「人の子イエスの洗礼」です。なんだかイエスが少々幼児体形のように見えます。ヨハネはイエスを気遣いながら洗礼を授けています。

アリアーニ洗礼堂 寺院・教会

　ラヴェンナの中心広場、ポポロ広場を通り抜けてB&Bに戻ります。

ポポロ広場 (ラヴェンナ) 広場・公園

　2本の円柱の向こうには、ラヴェンナの市庁舎がありました。

ラベンナ市庁舎 建造物

　ヴェネツィア共和国に併合された時代に建てられたヴェネツィア小宮殿です。

ヴェネツィア小宮殿 城・宮殿

　アーチを支える柱の柱頭には、テオドリック王時代の教会の柱頭が再利用されています。

ヴェネツィア小宮殿 城・宮殿

　ラヴェンナから80分、フェッラーラにやってきました。予約していた、イザベル・デステの名を冠したホテルに行ってみると、入口らしき扉が南京錠で厳重に施錠されていて人の気配が全くないので仰天しました。倒産して夜逃げしたのでは、との疑いが頭をよぎりました。とはいえ朝に「チェックイン時間は15～23時まで」という至極当たり前の内容のメッセージが届いていたので、とりあえず15時までエステンセ城を観光することにしました。
　事前に調べていたディアマンティ駐車場へ移動、駐車代金は2ユーロで、クレジットカードで支払えました。

Duchessa Isabella Hotel & SPA ホテル

　エルコレ1世は都市計画に基づいて町を拡張しました。ルネサンス都市となったフェッラーラは、ヨーロッパ初の近代都市として世界遺産になっています。目抜き通りとしてつくられたエルコレ1世通りには、15世紀のルネサンス建築が並んでいます。プロスペリ・サクラティ宮には、天使で装飾された美しい門がありました。

フェッラーラ：ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯 旧市街・古い町並み

　エルコレ1世の弟シジズモンドのために建てられらたダイヤモンド宮殿です。

ディアマンティ宮殿 城・宮殿

　外壁にはピラミッド状にカットされたピンクと白の大理石が、光の効果を考えながら配置されています。本当にダイヤモンドのように光を反射していました。

ディアマンティ宮殿 城・宮殿

　まっすぐ伸びるエルコレ1世通りを歩いていくと、エステンセ城に到着しました。

エステンセ城 城・宮殿

　エステ家の城の周りは水堀で囲まれています。

エステンセ城 城・宮殿

　お堀に架けられた跳ね橋を渡ります。

エステンセ城 城・宮殿

　井戸のある中央の中庭に出ました。窓の真っ赤な日よけがアクセントになっています。右側通路の先に観光案内所がありました。

観光案内所 (フェッラーラ) 散歩・街歩き

　MyFeというフェッラーラのツーリストカードを購入しました。エステンセ城とスキファノイア宮殿の二か所で元が取れ、宿泊税も免除されるお得なカードです。

観光案内所 (フェッラーラ) 散歩・街歩き

　城内見学は、厨房、そして狭い階段を地下へ下りたところにあるウーゴとパリシーナの牢獄から始まります。
　太り気味だったニッコロ3世は、20歳年下のパリシーナと再婚します。ニッコロ3世の長男ウーゴ伯爵はパリシーナの一歳年下の控えめな青年でした。パリシーナは同年代のウーゴに恋をしますが、2年後に秘密の恋は発覚して、二人は塔の下にある牢獄に入れられ3日後に斬首されました。ニッコロ3世の3度目の結婚で生まれたのがエルコレ1世です。二人の悲劇の物語は、「フェッラーラの神話」として市庁舎内の部屋にも描かれていました。

エステンセ城 城・宮殿

　暗くて歩きにくく、じめじめとした牢獄から脱出、今度はライオンの塔の122段の階段を上がります。塔の上からは、ストライプの鐘楼など、フェッラーラの町並みを一望できます。

エステンセ城 城・宮殿

　サン・ジョルジョ大聖堂や市庁舎も見えました。城内は扇子が必要なほどの蒸し暑さでしたが、塔の上は風が吹いて涼しく快適でした。

エステンセ城 城・宮殿

　下を見ると、エステンセ城の空中庭園、オレンジの中庭が見えました。

エステンセ城 城・宮殿

　ライオンの塔の2階に下りると、「暁の間」がありました。エステンセ城は天井画が見どころになっていますが、2012年のイタリア北部地震で被災し、剥がれ落ちないように白い和紙テープがたくさん貼られていて痛々しい状態でした。

エステンセ城 城・宮殿

　両手の松明で夜の闇を払う暁の女神エオスに先導されて、太陽神ヘリオスの馬車がやってきます。

エステンセ城 城・宮殿

　「競技の小広間」の天井で、プッティが独楽を回して遊んでいました。

エステンセ城 城・宮殿

　こちらのプッティはボーリングをしていました。

エステンセ城 城・宮殿

　アルフォンソ2世が賓客をもてなした「競技の大広間」の天井画は、スポーツマンだったアルフォンソ2世の趣味を反映し、様々な運動場面が描かれていました。水泳の天井画は、お風呂に入っているようにも見えます。

エステンセ城 城・宮殿

　アルフォンソ2世も夢中になっていた球技の天井画

エステンセ城 城・宮殿

　様々な動物に引かせた戦車を駆る天使たち。

エステンセ城 城・宮殿

　戦車がなくて、イルカに乗っている天使もいました。

エステンセ城 城・宮殿

　15時を過ぎたので、ホテルの様子を見に行きます。途中にフェッラーラでは唯一のバロック様式の聖カルロ・ボッロメーオ教会がありました。入口の上では、紋章を天使が支えています。

フェッラーラ：ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯 旧市街・古い町並み