2025/03/14 - 2025/03/14
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AandMさん
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以前、東京から車で伊豆に向かった際に熱海を通り、道路沿いに「MOA美術館」表示があり、どんな美術館なのか気になっていました。アムステルダムのMOCO美術館やニューヨークのMoMA美術館と似た名称なので、近代美術を展示している美術館なのかな、と想像していました。
調べてみると、MOA美術館は東洋美術を中心に国宝や重要文化財レベルの絵画、工芸品、彫像などが展示されている美術館で、MOAの名称は美術館を開設した岡田茂吉(1882-1955)に由来し、"Mokichi Okada Association"の頭文字をとって付けられていることが分かりました。MOCOやMoMAが、美術館の内容を表した"Modern Contemporary Museum"や"Museum of Modern Art"の頭文字をとって付けられているのとは違った名付方です。略称から美術館の展示内容を想像すると、間違う場合があることを知りました。
3月中旬の平日、車でMOA美術館を訪問しました。奈良~江戸時代に製作された絵画、陶芸品が展示されており、また歌川広重の浮世絵版画展が行われていました。この他、模様がダイナミックに変化する「万華鏡ホール」などがあり、敷地内に庭園や複数の和風レストランや茶室喫茶などがありました。国際的に名の知れているMoMAやMOCOに十分匹敵する立派な美術館だと思います。
- 旅行の満足度
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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3月14日(金)
カーナビ案内に従って、狭くて曲がりくねった坂道を上り、MOA美術館の駐車場に到着しました。 -
道路の両側に駐車場があり、P1は道路北側、 P2は南側で下方が開けていて展望良好でした。訪問時、20-30台の車が駐車していました。無料で100台以上の車を停められる広くて整備も行き届いている立派な駐車場です。
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駐車場出口から緩やかな坂道を2~3分ほど上り、美術館入り口に到着しました。ネットで事前購入しておいた入場券(確か2000円/大人)を提示して、入館しました。
MOA美術館 美術館・博物館
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工芸品の展示室を見学しました。
これは板谷波山(1872-1963)の作品「金車釉蕗彫刻花瓶」。板谷波山は陶芸家として初の文化勲章受章者だそうです。 -
板谷波山の花瓶にチューリップが生けられた例が展示されていました。この花瓶を活用するには、床間か茶室が必要な感じです。
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これは16世紀の朝鮮で李朝時代に製作された「熊川平茶碗」。「熊川」は朝鮮半島の釜山近くにある港町の名称です。
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淡い緑色に薄ピンクの花が散りばめられた上品な花瓶です。
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江戸時代(17世紀)に陶工の野々村仁清(1648-1690)が製作した「色絵藤花文茶壷」。野々村仁清が製作した作品の中でも最高傑作とされ、国宝に指定されています。
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漆塗り蒔絵の箱「散蓮華蒔絵経箱」で、鎌倉時代(13世紀)の製作です。経典が納められていた箱で、国の重要文化財です。
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鎌倉時代(13世紀)に造られた「三鈷鈴」、国の重要美術品です。密教の法具で、寺院に保管されていたと思われます。
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「十一面観音立像」、奈良時代(8世紀)の製作で、重要文化財。一木彫の観音様で、頭部に十一基の小さな観音様のお顔が彫られています。
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奈良時代(8世紀)に製作された「聖観音菩薩立像」で、これも国の重要文化財。一木彫で表面が金泥で装飾されています。
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重要文化財の「阿弥陀如来立像」、鎌倉時代(13世紀)の製作で木像に金泥が施されています。製作者名は分かりませんが、鎌倉時代の仏師であった快慶作品の影響を受けているとされています。
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陶芸や仏像作品を一通り見学したあと、気分転換で美術館の庭園を散策しました。和風庭園への入り口です。
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入り口に設けられているのは「唐門」で、以前、大磯町の三井家別邸にあったものが移設されたそうです。
「唐門」は、城、寺院や神社で用いられていた門で、権威の象徴と見なされています。この門があった三井家も豪商で、当時、権威を誇っていたことが想像されます。 -
「唐門」を過ぎた場所に別の門がありました。「片桐門」で、豊臣家の重臣であった片桐且元(1556-1615)が普請奉行を務めていた時の宿舎にあった門だそうです。
門扉に設置された金属製の蜘蛛形飾り、防御を兼ねていると思いますが、ユニークだと思います。 -
庭園にある大きな和風建屋は、茶室「一白庵」です。
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建物内部に伝統的な茶室が再現されています。MOA美術館の創立者である岡田茂吉の生誕100年を記念して建てられたそうです。
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茶室「一白庵」でお茶を頂くことができます。抹茶と桜餅(950円)を頂きました。伝統的な和風建物でゆったりと頂く抹茶と和菓子、心が落ち着きます。
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庭園の中に和風の建物が幾つかあります。
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その一つが「二条新町 そばの坊」。本格的なそば料理のレストランで、価格も1000~2000円程度でリーズナブルです。
この他、「和食 花の茶屋」もありました。昼食時は混みあいますが、少し時間がずれれば行列はできないようです。二条新町 そばの坊 グルメ・レストラン
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庭園には自然石が置かれ,水が流れていました。
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訪問時の3月中旬、梅の花が咲き始め、仄かな香りが漂っていました。
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和風庭園に江戸時代の建物が再現されています。
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「光琳屋敷」で、江戸時代に活躍した絵師の尾形光琳(1658-1716)が京都で住んでいた屋敷です。屋敷の設計図が残されており、設計図を基に忠実に家の造りが再現されているそうです。
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これは台所です。この他、居間、浴室、書院、土蔵などがあり、尾形光琳が生活していた住居を見学することができます。
広々とした立派な家ですが、夏は涼しそうですが、冬季は結構寒かったであろうと想像します。 -
和風庭園とは逆の美術館建物の南側に行ってみました。壁に大きなブロンズ製レリーフが掲げられていました。
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近代彫刻の父と称されるフランスの彫刻家アントワーヌ・ブールデル(1861-1928)による作品「アポロンと瞑想 走る詩神たち」で、高さ3m、全長13mもあります。1910年の製作だそうです。
迫力が感じられる大作です。 -
レリーフ像下部にあったプレートで、作者や作品名などが彫りこまれています。
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レリーフ像のある建物の下方に石段があり、先に海が見えました。
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石段を下った先にテラスがあります。
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テラスにあった彫像です。
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彫像下部のプレートに「王と王妃 ヘンリー・ムア 1952-1953」とあります。
ヘンリー・ムア(1898-1986)は20世紀を代表するイギリス生まれの彫刻家で、一般的にはムアではなく、ムーアと表記されています。
「1952-1953」は、この作品が製作された年と思われます。 -
王と王妃がベンチに座って下方の海を眺めているブロンズ像、この場所にマッチしているように感じます。
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テラスから北側に20-30mほど進んだ美術館建物内に大理石が敷き詰められた「円形ホール」がありました。
ドーム状のホール天井に綺麗な文様が映し出されていました。「万華鏡」がプロジェクション・マッピングで投影されており、刻々と変化する多様な色彩はとても魅力的だと思いました。 -
色彩が寒色系から暖色系に変化しました。
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模様の形や色がダイナミックに変化する様子は、見飽きません。ホール中央で立って見ている人、ホール壁際のベンチに座って見上げている人など様々でした。
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「円形ホール」からエスカレータで上って、再度美術館を見学しました。艶やかな茶室が再現されていました。
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豊臣秀吉(1537-1598)が天正14年(1586)に築いたとされる「黄金の茶室」です。文献を詳しく調べて再現されたものだそうです。
茶道具だけでなく、茶室内部の壁や柱も金箔張りになっています。室町時代に足利義満が建てた金閣寺の茶室版といった感じです。権力者は、洋の東西や時代に限らず金を好むのでしょう。 -
「広重展」が開催されていました。
広重とは「歌川広重(1797-1858)」で、以前は本名が安藤重右衛門であったことから安藤広重とも呼ばれていた、江戸時代を代表する浮世絵師です。 -
「日本橋 朝之景」天保4-5年(1833-1834)
日本橋は東海道53次の出発点で、この絵には大名行列や魚屋などの姿が描かれています。 -
「日本橋 曙 旅立の図」天保13年(1842)
夜明け前に旅立つ町人達の姿が描かれています。 -
「品川 日の出」天保4-5年(1834-1835)
品川は東海道53次の最初の宿場町、朝焼けの海が描かれています。 -
「吉原仲之町夜桜」天保3-6年(1832-1835)
仲之町は遊郭があった新吉原の中央通り、夜桜を楽しむ遊女や客達が描かれています。 -
「湯島天満宮」天保3-6年(1832-1835)
湯島天神は丘陵上にあり、上野付近が見渡せる眺望の良い場所であったそうです。 -
「京橋竹がし」安政4年(1857)
京橋付近の川沿いに竹問屋が並んでいました。竹河岸と竹籠を積んだ小舟が京橋の下を通過する様子が描かれています。 -
「大はしあたけの夕立」安政4年(1857)
広重の晩年の傑作で、夕立にあって足早に橋を渡っていく人々が描かれています。オランダの画家ゴッホがこの版画を模写して「雨中の橋(広重を模して), Bridge in the Rain」と題した作品を発表しています(https://4travel.jp/travelogue/11934963)。西洋美術に影響を与えた作品でもあります。 -
「永代橋 佃沖魚舟」天保元年~7年(1830-1836)
月が照らす夜の永代橋と佃島、沖合に白魚漁の漁火が点滅する景観が描かれています。 -
「深川八幡山開き」安政4年(1857)
富岡八幡宮に隣接していた別当寺の永代寺は広大な庭園を擁しており、桜が咲く庭園が庶民に開放されていました。永代寺の庭園を描いた作品です。 -
「両国橋 大川ばた」安政4年(1857)
両国橋は明暦の大火(1657)の後に隅田川に架けられた2番目の橋です。繁華街として賑わっていた西岸と対岸の本所御蔵を行き来する人々が描かれています。 -
見学路の最後の所にミュージアム・ショップがあり、美術館の展示品に関連した品々が売られていました。
皿、花瓶などの陶器、木製の小箱など、展示作品を模したと思われる品々です。価格は高めですが、この美術館でないと入手出来ないようなグッズが殆どでした。 -
見学を終え、外に出てきました。我々の車が停めてあるのは、前方の角を右に折れたP2駐車場で、徒歩で2-3分で到着します。
国宝や重要文化財級の絵画、陶芸品、彫刻が展示されているMOA美術館、利便性がそれ程良くない熱海の高台なので、入場者数も多くありません。館内の広いスペースに作品が展示されており、ゆったりと鑑賞することができました。
入館料は大人2000円ですが、展示作品の内容を考慮すると高くは無いと思います。東洋美術に関心の高くない人でも、万華鏡展示が行われている「円形ホール」は、印象に残ると思います。MOA美術館は、多くの人にとって訪問価値のある美術館だと思います。
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