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タラに関わると国は興亡のフェーズへ!タラは大きな争いに発展する歴史を動かす恐ろしい魚。保存状態がよければ5年も持つという夢のような食材でもある。10年以上追いかけ、先だってのオランダドイツ旅でまとまったので各地の写真も豊富です。最後のムンクの絵画については、独断と偏見による日経新聞批判も書いちゃいました。<br /><br />------------------------<br />欧州旅ではなるべく魚を食べるようにしたところ、各地の市場を覗くのが楽しくなった。街中で魚屋を見かけることが少ない国もあるが、市場にはほぼ必ず魚屋があるし、燻製魚屋などもあって、魚食のバラエティに富んでいることもある。<br />この体験をきっかけに欧州の魚に関する歴史を調べ始めることにした。今回はタラ(鱈)である。油分の少ないタラはニシンよりも優れものの加工食の原料であった。タラに関わる国々はヴァイキングから始まりバスク、ハンザ同盟、スペイン、オランダ、英国、そしてアイスランドと連綿と連なる。そして、タラに関わると、各国漏れなく領土問題なども絡めて諸国勃興に関わる重要なタームを迎えるのだ。<br /><br />● 魚食で最強になったヴァイキングと加工改良をしたバスク人、超優良食材の鱈<br />● 鱈が関わるハンザ同盟からオランダ繁栄を経ての海洋王国の覇者英国の誕生、アメリカ独立の契機にも<br />● 英国対アイスランド、現代の大海戦でまさかのロイヤル・ネイビー惨敗<br />● 今でも鱈はごちそう、ムンクの自画像から<br /><br />優れもののタラは、大航海時代での遠洋航海の立役者となり、軍隊の糧食としても欠かせないものになった。なにせ保存状態がよければ5年も持つのであるから、冷蔵技術のない当時、夢のような食品であったのだ。<br /><br />中世の時代、ニシンで羽振りのよかったハンザ同盟は干しダラにも目をつけていて、アイスランドを漁場とする英国ブリストルと覇権を争っていた。が、後にニューファンドランド近辺まで足を伸ばすことができるようになった英国はアイスランドの漁場を手放す。<br /><br />一方、この間にハンザ同盟のドル箱であったニシン漁の主権を徐々にオランダに奪われ、ハンザ同盟自体が衰退していく。そしてオランダは1568年にスペインからも独立を果たし、ここで海洋大国オランダの時代が始まるのである。オランダ東インド会社(VOC / Vereenigde Oostindische Compagnie)の設立は1602年、バタヴィア/ジャカルタに拠点をかまえ、日本まで貿易対象にしていたのだから、その貿易網は巨大であった。<br /><br />その後、英国は1588年のアルマダの海戦でスペインを追い落とし、北米にも及ぶ広大なタラ漁場を確保することになる。そして、1651年から始まる英蘭戦争を境に、今度は北アメリカ大陸東岸のオランダ領であったニューネーデルラントをニューイングランドに完全に塗り替えてしまう。こうして北米の漁場を英国は一手にした。<br />ちなみに、干し魚を指すストックフィッシュは竿を意味するオランダ語の「ストック」からきている。2匹の尾びれを結んで竿にかけて干す姿が北米でも馴染みの景色になったのだろう。<br /><br />詳細はコチラから↓<br />https://jtaniguchi.com/fish-history-cod/<br /><br /><br /><br />

ヴァイキングから始まる『鱈―世界を変えた魚の歴史』を読む / 魚を巡るヨーロッパ史 2 タラ(鱈)

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2025/02/03 - 2025/02/04

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ごーふぁー

ごーふぁーさん

タラに関わると国は興亡のフェーズへ!タラは大きな争いに発展する歴史を動かす恐ろしい魚。保存状態がよければ5年も持つという夢のような食材でもある。10年以上追いかけ、先だってのオランダドイツ旅でまとまったので各地の写真も豊富です。最後のムンクの絵画については、独断と偏見による日経新聞批判も書いちゃいました。

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欧州旅ではなるべく魚を食べるようにしたところ、各地の市場を覗くのが楽しくなった。街中で魚屋を見かけることが少ない国もあるが、市場にはほぼ必ず魚屋があるし、燻製魚屋などもあって、魚食のバラエティに富んでいることもある。
この体験をきっかけに欧州の魚に関する歴史を調べ始めることにした。今回はタラ(鱈)である。油分の少ないタラはニシンよりも優れものの加工食の原料であった。タラに関わる国々はヴァイキングから始まりバスク、ハンザ同盟、スペイン、オランダ、英国、そしてアイスランドと連綿と連なる。そして、タラに関わると、各国漏れなく領土問題なども絡めて諸国勃興に関わる重要なタームを迎えるのだ。

● 魚食で最強になったヴァイキングと加工改良をしたバスク人、超優良食材の鱈
● 鱈が関わるハンザ同盟からオランダ繁栄を経ての海洋王国の覇者英国の誕生、アメリカ独立の契機にも
● 英国対アイスランド、現代の大海戦でまさかのロイヤル・ネイビー惨敗
● 今でも鱈はごちそう、ムンクの自画像から

優れもののタラは、大航海時代での遠洋航海の立役者となり、軍隊の糧食としても欠かせないものになった。なにせ保存状態がよければ5年も持つのであるから、冷蔵技術のない当時、夢のような食品であったのだ。

中世の時代、ニシンで羽振りのよかったハンザ同盟は干しダラにも目をつけていて、アイスランドを漁場とする英国ブリストルと覇権を争っていた。が、後にニューファンドランド近辺まで足を伸ばすことができるようになった英国はアイスランドの漁場を手放す。

一方、この間にハンザ同盟のドル箱であったニシン漁の主権を徐々にオランダに奪われ、ハンザ同盟自体が衰退していく。そしてオランダは1568年にスペインからも独立を果たし、ここで海洋大国オランダの時代が始まるのである。オランダ東インド会社(VOC / Vereenigde Oostindische Compagnie)の設立は1602年、バタヴィア/ジャカルタに拠点をかまえ、日本まで貿易対象にしていたのだから、その貿易網は巨大であった。

その後、英国は1588年のアルマダの海戦でスペインを追い落とし、北米にも及ぶ広大なタラ漁場を確保することになる。そして、1651年から始まる英蘭戦争を境に、今度は北アメリカ大陸東岸のオランダ領であったニューネーデルラントをニューイングランドに完全に塗り替えてしまう。こうして北米の漁場を英国は一手にした。
ちなみに、干し魚を指すストックフィッシュは竿を意味するオランダ語の「ストック」からきている。2匹の尾びれを結んで竿にかけて干す姿が北米でも馴染みの景色になったのだろう。

詳細はコチラから↓
https://jtaniguchi.com/fish-history-cod/



旅行の満足度
5.0
観光
5.0
グルメ
5.0
同行者
一人旅
交通手段
鉄道 徒歩
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