2025/02/20 - 2025/02/20
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ペコちゃんさん
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2月の〇〇会は、午前中に坂戸にある日本最大規模の道教寺院「聖天宮(せいてんきゅう)」を見学・・・五千頭の龍が昇ると言われる聖天宮は、ダイナミックな龍の彫刻・絵画だけでなく、巨大な石柱や石壁などに精巧な意匠の透かし彫りが施され、一見の価値がある埼玉県の隠れた観光スポットです。
午後は1979年に操業を開始した(株)明治・坂戸工場の「明治なるほどファクトリー坂戸」を見学・・・ここはチョコレート菓子の製造ラインなどが見学出来る施設で、子供たちの社会科見学授業として親しまれていますが、大人でも楽しめるスポットでした。
写真は、黄色の屋根と龍の彫刻が見事な聖天宮の天門と、その先に見える前殿。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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聖天宮と明治・坂戸工場の最寄り駅は、東武東上線の坂戸駅のひとつ前にある若葉駅・・・明治の工場と同じく昭和54年(1979)に開業しました。
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駅前から北東方向にまっすぐ伸びる若葉台通り・・・商店街を過ぎると1979年から分譲を始めたURの若葉台団地があり、その先には川越・坂戸・鶴ヶ島の3市に跨る富士見工業団地が広がります。
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聖天宮は若葉駅から歩くと約40分・・・なので、川越行のバスに乗り、5分ほどで最寄りのバス停に到着。
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田園風景の中に、突如として現れる黄色い屋根瓦の建物・・・これが台湾・道教のお宮「聖天宮」です。
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境内案内図を見ると、天門 ⇒ 前庭 ⇒ 前殿 ⇒ 中庭 ⇒ 本殿 と続き、前殿の左右には鼓楼と鐘楼、左側に寿金亭があります。
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入り口の「天門」で拝観料(500円)を支払って境内へ。
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入場券の裏面には年間祭事・・・聖天宮は台湾の伝統宗教である道教のお宮で、三清道祖(元始天尊、道徳天尊、霊寶天尊)の祭事が書かれています。
道教は典型的な多神教ですが、聖天宮ではそれら神々のうち最高神の三清道祖を本尊とし、他に南斗星君・北斗星君・四聖大元帥も祀っています。 -
聖天宮を建てたのは、中国との貿易で財を成した台湾出身の康國典(こうこくてん)大法師。
四十歳半ばで不治の大病を患いますが「三清道祖」に祈願して一命をとりとめ、その深謝の念と、何人にも神様のご利益にあやかれるお宮を建てようと建造の地を探していたところ、何と生国の台湾ではなく日本のこの地にとお告げを授かります。
当時は若葉駅もなく雑木林だったこの地を整地し、台湾から一流の宮大工を呼び寄せ、1981年から15年かけて1995年に聖天宮を開廟しました。 -
天門の見事な彫刻・・・細かな装飾をよ~く見ると、獅子や象や鳥、様々な生き物が彫刻されており、台湾から呼び寄せた宮大工たちの色彩鮮やかで精密な仕事ぶりに驚かされます。
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龍もカラフルで、装飾が本当に素晴らしい!・・・聖天宮は2006年に放映されたフジテレビの「西遊記」(香取慎吾など)のロケ地にも使われました。
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天門をくぐり、前庭へ・・・中央が「前殿」で、右に「鐘楼」左に「鼓楼」と並んでいます。
太陽が昇る東側にある「鐘楼=陽鐘」は始まりを表し、太陽が沈む西側にある「鼓楼=陰鼓」は終わりを表しています。 -
前殿の柱や壁には、多数の精緻な彫刻が施されています。
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前殿の中央から奥に本殿が見えます。
きらびやかな扁額には「聖天宮」。 -
前殿の壁面や天井に施された見事な彫刻!!
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台湾の宮大工の技に驚嘆します。
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台湾の観音山で取れる、5mの1本柱の観音石に施された「九龍柱」の彫刻・・・一つの彫り物に九頭の龍を施すのは最高位の神様の威厳を表したもので、また「九」は永久の「久」として縁起の良い数です。
龍の口や手には、力の象徴である「龍玉」があり、天象を左右する時に用いると言われ、爪の数は最強の「五爪龍」。 -
前殿の中央には、参拝者の邪気を取り除く一対の唐獅子・・・右側の雄は「陽」、左側の雌は「陰」を象徴しています。
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前殿に入ると、入り口の扉には「四大天王」像・・・高さ2.5mもある楠木の1枚板から彫像された武官神で、鎧をまとって神様を表す雲に乗り天衣を羽織っています。
右側が「風調雨順」の職調を司る「魔礼紅」で「碧玉琵琶」を持ち、「地水風火」を表す四弦を弾けば、地震・洪水・暴風・火事が治まるそうです。
左側が「風調雨順」の「調風」を司る「魔礼青」で、「青光宝剣」を持ち、風を起こすことが出来るそうで、扉を閉めると四大天王像は外に向きます。 -
入り口を入った所にある壁画・・・「三清道祖」を中心とした神々を描いたものでしょうか。
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目を見張るような装飾で囲まれた「前殿」の内部。
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釘を使わずに組まれた「八卦天井」・・・道教の宇宙生成の概念「八卦」から無限大に万物万象が広がる様子を表しています。
この天井の中には500柱もの神様がいらっしゃるのだそう! -
前殿からはガラス越しに本殿が見えます。
ここで台湾おみくじを体験・・・本殿に向かってまずは合掌・一礼をし、女性は左側、男性は右側の聖籤から番号が書かれた「籤竹」を1本引きます。 -
次に、先ほど引いた籤竹の番号でよいか?神様に尋ねながら、陰陽の文字が書かれた木製の「神杯(ポエ)」を床に落とします。(道教では、陽は始まり、陰は終わりを意味する)
陰と陽が出た場合は、先ほど引いた籤竹の番号でOK。
陽と陽が出た場合はやり直しで、陰と陰が出た場合は籤竹を引き直し、再び神杯を床に落とします。 -
陰陽が揃ったら、籤竹に書かれた番号の引き出しからおみくじを取り出します。
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2頭の龍が絡み合った「双龍柱」・・・観音石の一本岩に施された見事な彫刻で、二頭の龍の間には雲に乗った神様が彫られ、柱の下には鯉が彫られて鯉が龍になる中国の伝説(「登龍門」の語源)を表しています。
おみくじは双龍柱の下に縛るか、持って帰って読み直します。 -
前殿から本殿へと続く右側の回廊。
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台北の龍山寺を想い出す「本殿」・・・本殿は幅50m、高さ25mで、宮殿のように美しく豪華な造り。
屋根の端が反り返っている建築様式は、” つばめの尾 ” のように見える事から「燕尾脊」と呼びます。 -
台湾風の面白いデザインの扁額。
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本殿を守る龍の彫刻・・・髭やたてがみ、鱗の立体感や、今にも動き出しそうな躍動感が素晴らしい!
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本殿の前にも「九龍柱」。
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本殿の正面には、九頭の龍が絡み合うように彫られた「九龍網」・・・一枚の岩から彫られた見事な透かし彫りの彫刻です。
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本殿から見た前殿。
本殿前に置かれた「天公炉」には、ゴージャスな ” 金の龍 ” が施されています。 -
本殿内部の中心に祀られているのが「三清道祖」。
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三清道祖を守護する神像。
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本殿の天井は、釘を使わずに螺旋状に渦を巻きながら組んで造られた「太極天井」・・・宇宙やこの世のすべての始まりを表現して渦を巻き、このあと陰と陽に分かれるとされますが、その鮮やかさは圧巻!
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本殿を出て、左側にある客庁(休憩室)で一休み・・・螺鈿細工の家具や調度品が見事です。
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ここの天井にも龍の彫刻・・・この部屋だけで500頭の龍がいるそうです。
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客庁から「鼓楼」に登ってみます。
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登り口に掲げられた写真は、聖天宮を建立した康國典大法師夫妻・・・康國典の死後は子息の康嘉文(こうかぶん)法師が聖天宮を管理しています。
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狭い階段を登っていくと・・・
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鼓楼の一番上にある太鼓・・・午前8時と午後3時に鐘楼の鐘とこの太鼓が交互に12回自動で鳴ります。
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太鼓の下には紅い蝋燭(紅寿燭)を灯す場所があり、「陰鼓」の下で蝋燭を灯す行為は、物事の順調と延寿を賜ることに繋がります。
また、蠟燭の紅色には「授かる」の意味があり、幸福や良縁を授かることにつながると言われています。
(因みに、台湾では白い蝋燭は葬式でしか使いません) -
鼓楼の外は塔の周りが一周でき、本殿など境内が見渡せます。
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続いて鐘楼へ。
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鐘楼の1階に置かれている「陽紅布(陽の赤い帯)」・・・抱負や誓いの言葉を帯に書き、上階にある陽鐘の下で強い陽の気を授かって願いを叶えます。
日本の絵馬のようなものでしょうね。 -
階段の下に飾られた、桃を背負った可愛らしい子供の人形。
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鐘楼の上部に吊るされた梵鐘・・・どんな音なんでしょうか?
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梵鐘の下には「陽紅布台」・・・下階で陽紅布に書いた抱負や誓いの言葉を、頭上にある陽鐘のもとでその言葉に「陽(始まり)」の力を満たします。
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鼓楼と同じく塔の周りを一周・・・前殿の龍が迫ってきます。
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鐘楼の屋根に飾られた鳳凰と、その先には天門。
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鼓楼の左にある「壽金亭」・・・本殿で頂いた壽金(神紙)を焚きあげる炉で、お願をする時や願い事が成就した時、神様に壽金を焚きあげ、感謝の気持ちを表します。
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龍だけでなく細かいスポットに目を向けると、小さな神様や仙人たちが・・・見応えタップリの聖天宮でした。
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若葉駅近くで昼食をとり、明治・坂戸工場へ・・・バスもありますが駅から歩いても15分ほど。
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若葉通りを進むと、富士見工業団地の一角にある明治の工場が見えてきました。
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工場を囲むフェンスにも、明治ミルクチョコレートの飾り。
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工場の入り口にも大きな板チョコ・・・昭和54年に設立された坂戸工場は、広さが約3万坪、社員数は約900名で、チョコレートをはじめ、ビスケット・グミキャンデー等を生産しています。
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入り口の近くで ♪ それにつけても おやつは カール ♪ でお馴染みの「カールおじさん」がお出迎え・・・かつてカールは当工場で生産されていました。
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入り口の警備室で見学の旨を伝え、ここから入館。
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エントランスにもカールおじさんのウェルカムボード・・・今日も2組の中学校が社会科見学で訪れている人気の工場見学なので、一般の見学は早めに予約しないと、すぐにマンパイになります。
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1階入口で受付し、工場見学のお土産を受け取ります。
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今回のお土産は、アポロチョコレートと果汁グミでした。
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2階へ向かう階段の壁に描かれたイラストが、レトロで可愛い!
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エレベーターにも楽しいイラスト。
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2階の説明会場に鎮座する「ウカール神社」・・・ご神体は巨大な金のカールで、学業成績を司る縁起物です。
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大正5年(1916)創業の「明治製菓」と翌年創業の「明治乳業」は、2009年に共同持株会社『明治ホールディングス』を設立して経営統合し、「(株)明治」となりました。
会場の一角に明治のお菓子の歴史が展示されています。 -
(上の写真)1926年発売のミルクチョコレート
(下の写真)創業時から昭和初期のキャラメル群 -
(上の写真)1936年の缶詰
(下の写真)1962年に発売されたアーモンド・ヘーゼルナッツチョコレート -
(上の写真)1961年発売のマーブルチョコレートと1971年発売のコーヒービート
(下の写真)昭和40年頃のジャングル大帝キャラメルとアトムキャラメル
どれも懐かしいですね。 -
工場見学は14:00~15:20。
会議室で工場や会社の概要・商品紹介の映像を視聴した後、チョコレートなどの製造工程を見学します。
(工場内は撮影不可なので、以下4枚の写真はHPより) -
工場の入口はブラジルのカカオ農家をイメージして作られ、天井はカカオの木々の木漏れ日を再現しています。
最初にカカオのこと、チョコレートの歴史や健康効果等を学びます。
人類がチョコレートを口にしたのは、何と今から約4000年前・・・日本には140年前の明治時代に伝わり、製造が始まったそうです。 -
チョコレートの原料はカカオ豆・・・輸入した豆を工場で選別してローストし、すりつぶす・混ぜる・細かくする・練るという工程を経て美味しいチョコレートが完成します。
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ミルクチョコレートのゲートを通って、いよいよ工場見学路へ・・・ドロドロのチョコレートを型に流し込み、冷やして型抜きし、包装・検品する流れを見学します。
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この通路は「APOLLO SPACE SHIP」・・・明治の人気チョコ「アポロ」の製造工程が見学できます。
1969年に発売された「アポロチョコレート」は全て坂戸工場で作られており、チョコの形は、同年に初の月面着陸を成功させたアポロ宇宙船から生まれました。 -
アポロチョコに入っている星型のラッキースター・・・星型が出る確率は「100箱に1つ」とか「1万分の1」(?)
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久し振りに童心に帰った工場見学でした。
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