2020/02/24 - 2020/02/25
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たけむらあきとさん
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スイス、バーゼルからドイツ、ケルンへ。ズントー建築探訪第3段。小さなトラブルと、はたまた感動の出会い。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
ロンシャン訪問から一夜明けたバーゼルの午前8時。
月曜日の朝、日本と同じようこれから仕事や学校に向かうのでしょうか?
電車や人々が慌ただしく行き交います。
私も一路北上してドイツのケルンへ。列車で約4時間の道のりです。バーゼル中央駅 駅
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この約20年ぶりの海外旅行の予定には、当初ドイツは予定にはありませんでした。バルセロナからパリそしてスイス、そしてウイーンへと。
しかしスイスのズントー建築訪問でその思いはさらに募り、ここケルン及びその近郊にある2つの作品に出会うべく、ドイツ中西部に位置する人口第4の都市ケルンにやってきました。
列車を降りて駅構内を歩いていると何やら賑わしい。仮装した人がぞろぞろ歩いていて、何かのデモか何かかな?ケルン中央駅 駅
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ケルン中央駅のすぐそばに位置し、市のシンボルとも言えるケルン大聖堂の周りもこの人だかり。この時私は何が起こっているのかさっぱりわからず、只ただごとでないことは確かだと思い、とにかくまずは宿に向かいました。
ケルン大聖堂 寺院・教会
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道ゆく通りも人、人、人。前に進むのさえも一苦労です。
それでもなんとか宿までたどり着き、オーナーに尋ねてみました。
「フェスティバル?」
「ノー、カーニバル!」
カーニバルってなんだ?祭りじゃないの?フェスティバルでしょ??Hotel im Kupferkessel ホテル
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どうやら私はドイツの三大カーニバルである、ケルンのカーニバルに出くわしてしまったよう。ちなみにカーニバルとはキリスト教の宗教的な儀式「謝肉祭」のこと。
ケルンのカーニバルは毎年11月11日に始まって、2月中旬「灰の水曜日(Aschermittwoch)」まで続くようで、クライマックスはその最後の1週間をかけて行う仮装行列。
さらにその中でも「バラの月曜日(Rosenmontag)」と呼ばれる日は最大のパレードが行われるようで、その長さ7km、100万人の見物客が訪れるんだそう。
この日は、まさにその「バラの月曜日」なのでした。 -
カーニバルのため、主要な施設はすべて臨時休業。
目的のひとつだった「聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館」も中に入ることができません。
これを見るために来たのに、とほほ。。
この時は正直、かなり意気消沈してしまいました。 -
トラブルこそトラベル、こんな特別な日に出会すなんて、十分楽しんでやるぞと思い直し、あらためてカーニバル見物へ向かいました。
一眼レフを首からぶら下げ、うろうろしていると声をかけられました。
「おい、そのカメラで俺たちをとってくれよ」
「ファイスブックとかやってんのか?連絡先教えてくれよ、写真送ってよ」
ほんの数分の出来事でしたが、こんな思わぬ出会いが旅の思い出となります。 -
中世の衣装で仮装した人々、バスの上から手を振る人、それを見物する人、どこを見渡しても人人人。その起源は古くキリスト教の歴史以前まで遡り、病気が流行りや食べ物が不足しがちな暗くて寒い冬を追い払い、早く春を迎えようという意味で開かれたよう。街ゆく活気に溢れ、私もその英気を分け与えてもらえたように感じました。
そしてそんなカーニバルに集まった人たちも、夕暮れが近づくと、徐々にそれぞれの家路に向かって行っていったようです。 -
さて一夜明け、昨日の喧騒は何処へやら。
しかし強者どもが夢の後、たくさんのビールの残骸がその事実を物語っています。 -
そしてドイツといえばソーセージ。
宿の近くのファーストフードで朝食を済ませ、ケルン第2の目的地、ブラザー・クラウス野外礼拝堂へと向かいます。 -
ブラザー・クラウス野外礼拝堂はケルンから列車で約1時間かけて最寄り駅まで、そこからタクシーで向かうこととなります。
しかし昨日のこともあり、カーニバルの影響で臨時休業だったり、、と少しの不安を抱えながらも朝日の点す近くの公園を抜けて最寄り駅まで向かいました。 -
目的地は豊かな田園風景が広がるヴァッヘンドルフ(Wachendorf)という小さな村はずれにあります。最寄り駅のオイスキルヒェン(Euskirchen)からタクシーに乗り換えて15分、そこからさらに徒歩で15分です。
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田園地帯の間を縫って設けられた畦道を教会に向かって進みます。
田園地帯の一角にポツンと佇むその教会は、その視界を遮るものはなく、遠くからでもその姿を確認できます。
畦道を進むとともに、その姿は次第に大きくなり、今まさに手の届くところまで近づいてきました。 -
ブラザー・クラウス野外礼拝堂。
その大地から生え出てきたような土の塊の造形物は、周りの景色とも調和し、ただただ美しくそこに存在していました。 -
この礼拝堂は地元で農業を営むシャイドバイラー(Scheidtweiler)家が、農作業の途中でも「神様に感謝の祈りを捧げることができるように」との思いを込めて、2007年に地元の人々のために建てたもの。
祭られているブラザー・クラウス(Bruder Klaus/本名:Niklaus von Flüe)は15世紀のスイスの守護聖人であり、カソリック農村運動の守護聖人でもあります。
そしてズントーの設計を地元の住民たちがコンクリートを50cmずつ流し込んでは乾かし、また流し込む事を繰り返し、約一年もの歳月をかけてこの協会を作り上げたようです。 -
内部は黒く薄暗い。当時、庵の中では生活のために火を使い、それによって黒く煤けていたであろうことから、このような仕上げとしたそう。
そしてその工法も独特で、コンクリートの型枠としてテント状に組んだトウヒの丸太を、コンクリートが固まってから時間をかけて燻しながら焼いて乾燥させ、取り外したとのこと。焦げて黒くなった丸太の跡が残っているのは、その為です。
また当時はもちろん電気はなく、この建物も天井や蝋燭の光以外の明かりはありません。 -
そして壁のコンクリートを打設する際に残った無数のPコン穴にはガラスが埋められ、そこから微かな光がまるで星空のように内部に届きます。
また天井の開口は抜けていて、光とともに雨風を通し、ちょうど昨日の雨で建物内部には水溜りができていました。 -
現実とはかけ離れた空間体験は、まさに神との対話をするのにふさわしい場所と言えるでしょう。ズントーにしかできない表現が、この教会に想いを馳せたこの土地の人々によって作られたことで、ここにしかない特別な場所が生まれ、またそんな場所に身多くことができた幸せを噛みしめながら、教会を後にしました。
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この度最後のズントー建築。
いつまでもそこに留まっていたい気持ちを抑え、次の目的地に向かいます。
帰りは来た道と反対側のサッツベイ(Satzvey)の駅まで約1時間歩いて戻りました。途中花をつけた春の木に、季節の到来を感じずにはいられませんでした。 -
カーニバルとズントー建築、それぞれ思い出深いケルンの地となりました。
次の目的地はドイツ中南部の町ネルドリンゲン(Nördlingen)。
ケルン中央駅から夜行列車で向かいます。列車を待つ間ケルンのビール、ケルシュを堪能。いわゆるケルンの地ビールではあることはもとより、必ず円筒形の200mlサイズのグラスで提供されます。フルーティで飲みやすく、ついついお代わりしたくなりますが、飲み過ぎにはご注意。ほろ酔い気分で、聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館へのリベンジを誓いつつ、列車に乗り込みました。ケルン中央駅 駅
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