2023/12/27 - 2024/01/03
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gyachung kangさん
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日常を離れて異世界に溶け込む。見知らぬ街をあてどなくボンヤリ歩く。この楽しみは私の全ての原動力であり糧でもある。
封印されて3年10か月、待ちに待った海外渡航の再開。再開の旅では渡航先に南アジアで独自の生活圏を今に受け継ぐベンガル文化の粋バングラデシュを選んだ。長い長いトンネルを抜けたその先には、旅行者に会わない国、ツーリストを受け入れる体制が存在しない国が待っていた。刺激と戸惑い、これこそが旅の核心である、と私は思っております。
※能登半島地震で被災し甚大な被害にみまわれた全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ビーマンバングラディシュ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
2023年の年の瀬。
私はバングラデシュの首都ダッカにいた。12月29日、この日は早朝ホテルを立ち郊外にある長距離バス便の起点になるガブトリバスターミナルへ向かう。
朝7時過ぎターミナルに到着しチケットオフィスに駆け込んでチケットを確保。今から西部にあるインド国境に近い町ジョエプルハットが目的地。 -
ここはチケットを購入したオフィスの中
長距離のチケットは全て情報をPCに入力して発券するシステム。ところが最初に問い合わせたオフィスにてジョエプルハット行きを頼んだら私のバングラデシュ国内の電話番号が無効で入力できないと言われ発券を拒否されてしまった。まさかのピンチである。私が難儀している様子に気がついた向かいのオフィスの男性が俺に任せろ、と助っ人を買って出てくれた。自分の携帯に私からのコールを着信させて番号が有効であることを確認した上で発券、電話番号は手書き処理してくれた。
オフィスの中に入ってバス発車まで待機しなよ、と外国人旅行者にはありがたい親切対応! -
ダッカからジョエプルハットまで6時間かかる。
微動だにしない朝のダッカ市内の大渋滞を抜け出してバスはようやく順調に走り出した。 -
3時間半走って途中休憩
右のバスが私が乗るバス。この日の乗客は30人ほど。もちろん外国人は私一人である。
みんな下車してそれぞれ休憩タイム。 -
私もティーと
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ハンバーガーを補給。ハンバーガーは70タカ。日本円で100円ってとこですか。
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12時半、再出発して5分、車両にトラブル発生
ドライバーと車掌がバスを停めてエンジンを調べ始めた。どうも怪しい雲行きに。 -
最寄りの整備会社に緊急停止した。
エンジントラブルの不具合を修繕するためドライバーと整備会社の整備員がバスの下まで潜りこんで必死の対応にあたる。私たちは全員バスを下りて作業を見守るしかなく。旅道中でのトラブル発生には本が書けるほど立ち会っておりますが、バングラのこの地でバス故障は避けたい。ずえったーいに避けたい! -
私たちの祈りは通じ整備員の尽力の結果、修理は完了。約1時間後、バスはジョエプルハットに向けて快調に走りだした。
ところが、バスは再度道端でストップ。
車掌が何やら一言説明。ベンガル語なので何やらサッパリ飲み込めない私。数名が下車してアチラの建屋に歩いて行くぞ。あっあっあ、どしたの? -
集団お手洗いか?
違いました。ムスリムスンナ派一日5回のお勤めザヒート、お祈りタイムでした。バス車内ではアザーンが聞こえてこないため分からなかったすなあ。
履き物がビッシリ、ちょっと手狭ですね。 -
午後3時半頃、ジョエプルハットのバスターミナルに到着。ここはインド国境に近い田舎町。目抜き通りはこの道で画面の奥に向かって歩いていくと中心街にたどり着けるようである。Googleマップが守り神、ね。
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鉄道路線が走る町。この線路を過ぎたあたりにホテルが数軒ある、らしい。らしい、を信じるしかない。
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ホテルを発見して空き部屋があることを確認、部屋は確保できた。ふぅ。
今や主流となったホテル検索予約サイト、だがジョエプルハットで該当する宿は無かった。となれば昔ながらの当日出たとこ一発勝負式に賭けるしかなかったのよ。
とりあえずは、よっしゃあ! -
一泊700タカ。千円以下の宿にお泊まりするのは人生でも数えるくらいしかないが、コロナ明け初渡航の宿泊にあって原点に回帰した気もしないでもない。
鍵はホテル開業以来一度も変えていないであろう鉄製の施錠式。今までで最高重量間違い無し。 -
水シャワーには泣けてきたが打つ手は無い。
廊下はこんな感じ。
自由な独居房と思えば甘んじて受け入れる。 -
時刻はまだ日の入り前、ならばジョエプルハットを探検できる。早速、市場を発見。
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お魚を売っている。
ココ、ベンガル湾からはかなり遠いハズ。でも物流は機能しておりますね。 -
これは淡水魚でしょう
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路上八百屋さん
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トマト、じゃがいも、玉ねぎと来た。
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いいですね、いいなディスプレイがいい。
つい手が出てしまう広げ方だ。 -
これね、ちっこいけどリンゴなんですよ
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アイロンかけてます
クリーニング業でしょう -
おばちゃんは鍋に火を入れました
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デイツやナッツも実に豊富
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女性向けサリーのファブリック販売
バングラデシュはムスリムですが黒いアバヤとインド風サリーが入り乱れております。 -
街の真ん中に鉄道線路が走るジョエプルハット
踏み切りに出てみると線路脇には稼働式のお店がビッシリ。この光景はタイで有名ですがまさかのバングラデシュの田舎でも。 -
線路脇露店をぶらぶら見学していると切符がなくてもホームに入れてしまう。そしてダッカ方面から電車が入線してきた。このユルさが南アジアか!
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年末年始の帰省レベル笑
車両屋根の上に人はおらず。
デッキドアもハナから外されております。 -
小ぢんまりとした駅舎を見たあと宿方向に歩いて行く。
と、謎のお店。デスクに秤?こ、これはいったい? -
ちらちらっと覗いていると声がかかったので
この店に入ってみることに。 -
イングリッシュメニュー?
あるわけがない。ビリヤニとチキンをオーダー。日本人にも抵抗がないお味。 -
食後はスタンドで振る舞っていたティーを所望
熱々の状態でお客にサービスできるように常にグラスをお湯で温めている。ミントと生姜をミックスしてその場でグイッと飲むのだが、これぞ茶の本場、惚れ惚れする味わいであります。 -
宿に帰ってテレビをつけるとサウジアラビアの聖地メッカにあるカーバ神殿を世界中からのムスリムが巡礼するハッジのニュースが流れていた。
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翌朝
宿から歩いて10分、オートリキシャが集まる場所へ。
看板はパキスタンからの独立運動を率いた建国の父ムジブ初代大統領。 -
今からジョエプルハットまでやって来た最大の目的である古代の仏教遺跡を目指す。オートリキシャは難なく捕まった。朝は意外にも冷え込むのであります。
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30分程でパハルプールに到着。遺跡入り口の前に数軒の店。ひとまず腹ごしらえ。
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開場時間になりチケットを購入し入場すると
広大な敷地内にピンク色の蓮の花が咲く池が現れる。
遺跡はその先に。 -
世界遺産パハルプールが目の前に
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まず外郭。約300メートルほどのほぼ正方形で基礎土台が残っている。
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こんな具合に東西南北が囲われている。
で、この場所が創建当時の正門の名残り。 -
この四角いスペースが僧房だと言う。僧房は外郭部にグルリとあり全部で177。僧は1000人居た。
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中央にある大塔
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素材は赤レンガ
横浜にある倉庫と同じ。
バングラデシュには現在でも至るところにレンガの製造場所があった。大量のレンガが日干しされ巨大な煙突が備わっていて煙を噴き上げている。 -
雨水を掃き出す雨どい
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基壇部にはたくさんのレリーフ
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オリジナルはごく一部で他はレプリカであるが
ひとつひとつ見てみるとかなりユニーク
パハルプールは仏教遺跡であるがどこかしら大塔も含めてヒンズー的な匂いを嗅ぎとることもできる。 -
中央の大塔
現在は基礎部分のみで高さ約20メートル、
この上に大伽藍があったと言う。
いやあこれは見てみたい。壮観であろうね。 -
外郭には乗れるが大塔は崩壊の懸念があるため登ることは禁じられている。
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まとめ
創建は8世紀後半。ベンガルから北インドにかけて支配したパーラ王朝の2代王ダルマパーラが仏教を庇護して建てたのがこの寺院。当時のヒマラヤ以南の最大最重要拠点でありアンコールやミャンマーのバガンよりも古く建築様式にも影響を及ぼしたと見られているそうで。
1985年の世界遺産登録というあたりにパハルプールの歴史的評価が垣間見える。
いい遺跡だ。ジョエプルハットまで来た甲斐はあった。 -
さて、この場所に外国からの観光客は私だけだった。
地元バングラデシュ人からは圧倒的に注目を受ける。
歩いているだけですれ違いざまにナイス!と声がかかる体験は人生初。会話と写真リクエスト。私でよければ。 -
そ、旅の中のほんわかするいい時間であります。
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笑顔も柔らかい。バングラデシュ人の特徴かも。
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ちょうどランチタイムとなり敷地内に一軒だけあったカフェを発見。オーダーしたのは山盛り白飯キュウリ定食。
そんなわけはなく、この中にチキンが埋もれている隠しビリヤニ。誰もが一瞬騙されます。 -
帰りのオートリキシャで
相乗りメンバーで、やはりこうなる。 -
パハルプールを見学しとても良い時間を過ごした後、ジョエプルハットに戻ってきた。昨日に続いて町の中をもう一回りしてみる。バングラデシュの地方都市を体験する機会なんて滅多にないチャンス。
んで、その実態と言えば町には景観を保つ、という類の視点はほぼ皆無であった。堂々たる雑然ぶりには目を見張るものがある笑!ちなみに建設現場の足場は21世紀四半期を経過しても未だに竹であります、そんな~ -
町唯一のメインストリートは至るところでメンテナンス真っ盛り。どうやってお店に入るのさあ、とツッコミを入れたくなるばかり。インフラが未整備なのかポンコツなのかは私には分からないが公共事業にあてる予算の問題なんでしょうかね?バングラデシュの経済成長率は5%と聞く。伸びしろがある、いやあり過ぎる、ということで。
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線路併設の露店マーケットは夕方を迎えて本日もますます元気!
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ね。お茶目な売り子さん。
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どうやったら下のほうの服は見せてもらえるんでしょう
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と思えばこちらはワイルド過ぎる。
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子供服がやけに可愛らしいのがこれまたアンバランスで。笑えてくる。
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線路とは別に路地裏を発見
アジアの路地裏は人を誘う魔力があるが、ここもまた。 -
ゴールドスークと化した一帯があり
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いい味出してる金物屋があり
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食材ライブ販売があり
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カメラを向けると例外なくご機嫌に
みな楽しそうだ。
雑然の中に無償の笑顔、これがジョエプルハット、いやバングラデシュの真骨頂か。 -
夕食をとり、道をぶらぶらと歩きながら日本の尺度をバングラデシュに当てはめることの意味の無さを感じ始めていた。
と、素焼きの器に盛られた美味そうなスイーツを発見。店に飛び込んで食べてみた。バングラデシュの伝統的甘味、ドイ。これは銀座にも麻布にも無いだろう。この味が気になる方はバングラデシュに飛ぶべし。ジョエプルハットで最後になかなかイイものを食した。
明日の朝一番で大都市ダッカに戻る。ダッカ篇でお会いしましょう。
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