霧の中の真実[桃太郎伝説]

2023/01/14 - 2023/01/14

西日本出張の折、訪れた岡山。岡山県と言えば桃太郎、駅前に桃太郎の石像があるくらい有名なキャラクター。岡山県初心者の私はまず桃太郎にふれてみた。

大和政権による中央集権国家を進める上で、地方の土着の豪族を従わせるべき戦いが古代行われてきた。東北の覇者「阿弖流為（あてるい）」のように、元々先祖代々住んでいた土地を守りそこで小政治を行い続け、大和政権に従わない者は悪とされた。
桃太郎伝説の原型とされる吉備津彦と地元の豪族「温羅（うら）」の物語でも温羅は鬼とされ退治されてしまう。
今回訪れた鬼ノ城は、その温羅の居城伝説がある古代山城だ。標高約400ｍにあり7世紀後半に築かれ、山頂の平坦地には石垣や土塁が全長2.8kmにも及んでいて、築城当時は南方面が広がっていて海が見え船の往来などが見えたという。
この日は霧が立ちこみ、こちらを阻んでいるのかはたまた受け入れているのかの天気であった。この霧が当時の戦いの真実をグレーに物語っているように思えた。
下山後は敵方に当たる吉備津彦を祀る吉備津神社（こちらは立派な比翼入母屋造の神殿）を訪れる。そしてこちらの神社には後年温羅を祀り、釜の音で吉凶を占う鳴釜神事などが行われている神殿もある。釜や鉄が温羅と関係が深いのあれば、もしかすると温羅の祖先は渡来人なのかも知れないなどと想像が膨らむ。

エリア 総社・吉備路(岡山)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• 交通: 2.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: レンタカー 新幹線 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

岡山駅でレンタカーを借りて鬼ノ城のある総社へと向かう。途中はそこそこの傾斜道であったが、歩いて向かっている人を見かけた。

ハイキングコースとなっているようだが、この時期歩いている人は少ない。
頂上付近は霧が立ち込めていた。

大きな石が所々にある。人の顔のように見えるこの石は鬼の顔には見なく、穏やかな顔だ。

復元された城壁が見えてきた。

霧の間から復元された西門も見えてきた

高さ6mの土塁は、版築土塁と呼ばれて土を少しづつ入れて突き固めたもの。

土塁の城壁は、全長2.8kmにも及んでいる。

西門近くの板塀。土塁の上にも築かれた。

城壁の説明書き

発掘された当時の写真が出ていた

城壁の内外に敷石が施されている

敷石の幅は、約1.5m幅で広い所では5mもある。役割は通路だけではなく、雨水等から城壁を守るのを目的としていたとされる。
このような敷石は朝鮮半島でしかみられず、日本の古代山城では鬼ノ城でしかみられないという。

西門

城門は4か所あったとされ、この復元された西門は南門と共に壮大堅固なものであった。東と北はやや小型であったとされる。

12本の柱が立ち、1Fは通路、2Fは連絡路、3Fは櫓、屋根は板葺きであった。

1Fの通路部分

文様が見える盾は本来内側に置くものだが、文様を見せるために外側に取り付けられていてそれらしく見せているとのことだ。

下山して鬼城山ビジターセンターに寄る。

鬼ノ城の地形模型

城門模型

市内に戻り、吉備津神社へ。

吉備津神社

備後国一之宮。国宝に指定されている拝殿、本殿は1425年落成。比翼入母屋造または吉備津造と呼ばれる独特な屋根の形状を有する。

随神門　国の重要文化財

内庭

398mの廻廊

廻廊

1579年再建、県指定重要文化財。

御釜殿


温羅の首を埋めたとされ、鳴釜神事が行われる。

宇賀神社

神池の島に鎮座

この旅行記へのコメント （2）

• 164-165さん 2025/02/14 06:29:33

  鬼ノ城

  ishigantouさん　おはようございます。
  ３月に鬼ノ城へ行くので、改めて拝見しました。
  吉備津神社他は自分の守備範囲ではないので行かないことにしました。
  １月でも雪は無いのですね。レンタカーだと楽でしょうが、私はタクシーで行こうと思っています。台数が少ないようなのでっ膳に予約しておいた方がいいかもです。
  
  　　　　　　　　　　　　【164-165】

  ishigantouさん からの返信 2025/02/15 01:43:09

  いつも拝見ありがとうございます

  164-165さん　こんばんわ
  　
  そうですか、鬼ノ城に行かれるのですね。私は古代山城と言われているところに興味が湧きました。現地では少し歩きますよ。
  私が行った時期はひとけも少なく寂しい場所でしたが、3月ともなればまた違うのでしょう！タクシーは待機してもらってた方が無難ですね。
  
  まだ少しの間寒い時期が続きますのでご自愛くださいませ。
  
  ishigantou