馬を応援に競馬場へ（千葉県船橋市中山競馬場）

2023/12/02 - 2023/12/02

実はワタクシ、馬主である。

まあしかし、演歌の借金王でもＩＴ長者でも
外資系インチキコンサルタントもないぼくが
動かせるカネなんて大した額ではない。

馬一匹買う資金なんて持ち合わせているわけ
がない。

しかし、である。日本には一口馬主という貧
乏人でもちょっとだけ馬主気分を味わえるシ
ステムがあるのだ。

例えば1000万円の馬を100口に分けて、１口
10万円で出資を募るというやり方である。

これなら、一般の勤め人でも馬を持った気分に
なれるというものである。

出資金はピンキリ。１口50万円で100口募集と
いう高年収の人向けのところもあるし、5万円
で500口というところもある。一番多いのは
500口募集の会社のように思う。

一口馬主制度は、突出した金持ちが少ないが競
馬好きが多い日本には実に合理的なシステムだ
と言える。

そして今日、ぼくが出資した馬がデビュー戦を
迎えるというので、中山競馬場までやってきた。

エリア 船橋・習志野(千葉)

• 旅行の満足度: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル 私鉄 徒歩

中山競馬場正門前。

さあ入ろうとしたら、正門はネットで
指定席の予約をした客しか入れないこ
とになっていた。

なんだこれ（怒）。

ということでかなり歩いて中央門まで
やってきた。ものすごく無駄な時間を
使わされた（怒）。

さて、やっとことさ競馬場のコース前に
到着。

んがっ・・・、

なんと全席指定だって。なんでだよ。

ここには座るな。

ここで見ちゃダメ。

ほぼ３年間来ない間にいつの間にか競馬
場はあれするな、ここは立ち止まるなと、
不快な規制だらけになっていた。

たぶんコロナ対策ということなんだろう
が、全席指定にしてしまったら立ち見の
ところに人が密集するから同じことじゃ
ないか。ＪＲＡはあほなんじゃないのか。

券売機もなんかわかりづらくて買いにくく
なっていた。

第１レースは終わっていたので、第２レース
から買うことにする。

ダート1800米の牝馬未勝利戦。要するにまだ
勝ったことのない牝馬たちによるレースとい
うこと。

レース前10分頃の時点で確認したオッズでは
固い決着になりそうなので、１～４番人気を
ボックスで買った。

最後の直線。

13番なんて買ってないよ（泣）。

⑨→⑬→⑭で決着。

⑬ムーンライトデイはぼくがオッズを取った
ときは５番人気だったので外したのだが、確
定オッズでは４番人気になっていた。
くっそお！

気を取り直して第３レース。

未勝利馬による芝1600米戦。

これも人気上位馬同士で決まりそうなオッ
ズだったので、１～４番人気をボックスで
買った。

最後の直線で⑤番と⑯番が競り合っている。
よしよしそれでいいぞ！

そこへ①ゴヴェルナーレリコが急追！
よしっ、そっちの方がいい！　
辻っ、差せ差せーっ！　差すんだジョー（違う）。

結果、⑤→①→⑯。馬連配当1290円。
取り返したぜ。　

第4レースもオッズを見るとそんなに荒れな
さそうなのだが、1番人気が休み明けの馬な
ので、ちょっと危険な感じがしたので買うの
はやめた。

で、正面入り口にあるクリスマスツリーを撮
ってみた。

第5レースの新馬戦もパス。

さて、いよいよ第6レース。

ダート1800米の新馬戦。

我が愛馬との初対面である。

出てきました。15番フラーハ。

厳しい鍛錬に耐えてよくここまでこぎつけ
たね（うるうる）。

それにしてもなんでこんな名前にしたのだ
ろう。由来はよくわからない。

デビュー戦を迎えた馬はチャカチャカして
落ち着きがないのが普通なのだが、牝馬に
しては落ち着いている。ダラダラ汗をかい
ていないし、いい感じ。

馬体を見た限りでは芝でも通用しそうな体つ
きをしている。

この馬は１口５万円ほど、500口だから、
2500万円くらいの馬である。

父ドレフォンは種牡馬ランキングで13位、
上には２頭姉がいるがいずれも未勝利のま
ま引退している。

それらを考えると2000万円以下の値段が
妥当のような気がするが、おそらく馬体と
動きが走りそうな雰囲気を持っていたのだ
ろう。

フラーハは茨城県美浦にあるトレーニング
センターにある嘉藤（かとう）厩舎に所属
している。

競走馬にとって所属する厩舎は大事である。

ＪＲＡの厩舎には年間50勝以上する厩舎も
あれば、10勝もできない厩舎もある。

優勝劣敗の業界でなぜ年間数勝しかできない
厩舎が存続しているのか理解できない。

勝てない厩舎はだいたいが、引退が近く、新
しく馬を仕入れていない老調教師の厩舎が多
いのだが、50歳そこそこの調教師もいる。
こんな厩舎に入れられたら、未勝利のまま引
退となることを半ば覚悟しておかなければな
らない。

そもそも、そんな厩舎に入ることが決まった
時点でその馬は走らないと思った方がいい。

嘉藤厩舎は開業２年目だが、今年は15勝して
いる。

個人的には年間20勝前後が及第点だと思うの
だが、２年目で所属馬が少ない中でこれくら
い勝てば十分だろう。

価格、所属厩舎以上に走るか走らないを決め
るのが血統というか配合である。

優秀な血統というと父がＧⅠ馬を何頭も出す
種牡馬で、母も重賞を勝った馬の仔を言うの
だろうが、それは血筋というもので配合とは
違う。

一見良血馬のように見えるからと言ってこう
した馬同士を日本で掛け合わせるとNorthern
Dancerのクロス（父母共通の祖先）だらけに
なり、スピード不足で看板倒れの良血馬とな
ること必至である。

今年のダービーはNorthern Dancerのクロス
を大量に持つ馬だらけで、おかげでひどく遅
いタイムの決着となってしまった。

フラーハの場合、Mr.Prospectorのクロスを
主導にした、最近日本でも世界でも成功例の
多い配合となっている。

似た配合馬では、タイトルホルダー、リバテ
ィアイランド、ヨーロッパではデビューから
10連勝したバーイードがいる。なお、昨年の
凱旋門賞馬、アルピニスタはMr.Prospector
の仔、Miswakiのクロスが主導となっている。

Mr.Prospectorは短距離馬で、この馬のクロ
スだけならスタミナ不足の短距離馬と思われ
てしまうが、必然的にこの馬の祖先Native
Dancerのクロスが増える。Native Dancer
はアメリカで21戦20勝の名馬中の名馬だが、
この馬のクロスが多いと、長距離でも強い
馬が現れる。タイトルホルダーやリバティ
アイランドがそれを証明した。

フラーハの場合、このほかに母系に流れる
長距離馬の血、Wild Riskもクロスもあり、
長距離でも走れるのではないかと思う。

ちなみにWild Riskのクロスは今年世界ラン
キング１位のまま引退したイクイノックス
も持っており、日本ではスタミナの血とし
て成功例が多い。

競走馬の血統を知らない人にとって何が何だ
かわからないだろうが、まあそういうわけで
ある。

「止まーれっ」の合図がかかり、騎手が整列
し、一斉に馬に向かい、騎乗した。

パドックから建物の中への入り口がいくつか
閉鎖されて少なくなっており、その少ない入
り口へ人が殺到し、身動きができない。なん
でＪＲＡは客に不便を強いるようなことをや
っているのか。有馬記念でこんなことをした
ら大混乱だろう。

何とか馬券売り場に行って単複馬券を買った。

誘導馬を先頭に全馬入場。

フラーハの返し馬。

いいのかどうかさっぱりわからないが、
まあいいんだろう。

12時50分。ドキドキの発走時間である。

ガチャンという必要以上に大きな音を立てて
ゲートが開き、全馬スタート！

初めて競馬界に飛び出していく馬たちである。


ここに自分が出資した馬もいるなんて感慨
深い。

フラーハ、大外から一気に先頭に出る勢い。

よしよし、スピードはあるぞ、行け行け！

早くも先頭に立ち、向こう正面では後続に３
馬身の差をつけておいでおいでの逃げ。

騎手の抑えが利かない状態ではないので、離
し逃げでも安心して見ていられる。

直線向いてもリードはそのまま。

よーしっ、勝てるぞ！　

そのままだああああっ！！

・・・と絶叫したものの、ゴール寸前で脚が
鈍ったのか、２頭に交わされてしまった。

勝ちを確信したのに・・・がっくり。

まあしかし、スピードがあることはわかった。
最後の最後まで粘れる底力もある。
負けはしたが、次に期待を持てる内容だった。

鞍上の横山武史騎手は「道中力みながら走
っていた。ちょっと距離は長いかも」とい
うコメントを残している。

距離が長いということはないと思うのだが、
初めての競馬ということもあって力んでし
まうのも仕方ないかもしれない。

クラブのホームページによると「走ること
はわかったので、一旦放牧に出し、成長を
待つことにする」というコメント。

12月以内に未勝利戦を使ってくれることを
期待したが、まあそういうことなら無理を
させず大事に育てて成長を待つのもいいの
かもしれない。

愛馬のデビュー戦を見届けたので帰路に就
くことにする。

有馬記念を勝った名馬たちのパネルが並ん
でいた。

これはシンザン。

これはハクチカラ。

1957年の有馬記念を勝った後渡米し、ワシ
ントンバースデーハンデという重賞を勝った。

日本調教馬による初の海外重賞を勝ち馬である。

フラーハがこんな名馬たちと肩を並べるよう
になるとは思えないが、なんとか２勝して競
馬場で長くその姿を見せてもらいたいものだ。