母と夜行寝台列車サンライズ出雲乗車、松江観光（後編）

2023/11/10 - 2023/11/10

母と大冒険の後編です。いよいよ夜行寝台特急「サンライズ出雲」に乗車し、東京から西へ西へと12時間の大移動。翌朝島根県へ到着します。
秘密基地のような狭い個室でドキドキワクワクな一夜を過ごしました。夜汽車に乗るという、ある意味レトロで貴重な体験、そのリアルな感想も述べたいと思います。
そしてあいにくの強雨の中ですが、母の念願だった松江城観光、そして宍道湖のシジミ汁の昼食をとり、最後は出雲空港からFDAフジドリームエアラインにて愛知県へと帰ってきました。
高齢者の母は意外にも、サンライズ出雲の個室がもの凄く楽しかったそうです！母娘ともに大移動の大冒険。本当に大興奮の2日間を過ごすことができました。ぜひ参考になれば嬉しいです。

エリア 松江・松江しんじ湖温泉(島根)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 4.5
• グルメ: 4.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: JR特急
• 旅行の手配内容: 個別手配

東京駅9番ホームに入線した夜行寝台特急「サンライズ出雲・サンライズ瀬戸」14両編成です。

横浜で乗ることもできますが、東京駅の方がゆっくり写真が撮れるのであえて東京駅から乗車することにしました。

ここが私の一人用個室です。正式には「ソロ」と呼ばれる個室です。
上階と下階があり、私は下階なのでホームの地面と目線が同じくらいの低い位置にあります。母も同じく下階の「ソロ」です。

10号車は通路が真ん中に、その両側に「ソロ」の個室がズラッと並んでいます。引き戸になっていて暗証番号式の鍵も付いていますのでセキュリティはバッチリ。他者とすれ違うのはけっこう狭いので、人が通り過ぎるまで部屋に引っ込みます！

引き戸を開けるとすぐにベッド（笑）！町医者の診察の時に横になるくらいの
幅のせまいベッドです。毛布と枕とブルーのストライプのパジャマがありました。

引き戸開けてすぐの足元です。スリッパがありました。靴が一つ置けるくらいの30㎝くらいの幅しかないです。荷物もボストンバッグやリュック一つを置けるくらいのスペースです。
つまり開けたらすぐベッドに座る以外に選択肢は無いって感じです。

しかしながらベッドの長さは220㎝くらいはあると思います。
そして頭上もけっこう高くて余裕があります。
私も母も小柄なので意外と快適に過ごせました。
枕は硬めです。毛布は防災仕様になっていて、重みがあって温かいです。私には合ってました。（真冬は厳しいかも）
ちなみに写真のハンガーは備え付けなのですが、カタンコトンと音が気になるのでコートなどを掛けない場合は外しておくのがベストです。
ハンガー左下の壁にある四角い枠はスピーカーです。車掌さんからの車内アナウンスが流れるところです。

窓のカーテンスクリーンを閉めた状態です。ペットボトルくらいは置ける棚が有ります。東京駅で買ったスイーツとコーヒーで「ひとりお茶会☆」
そしてしばらく読書していました。
列車のガタンゴトンという音と、この誰にも邪魔されない密室の秘密基地感で、読書がすすみます。
PC作業などもはかどるでしょうね。
私は（母も）お酒は飲みませんが、一人晩酌するかたも楽しいでしょうね。

ちなみに「ソロ」の上階の個室は、扉を開けるとすぐこの階段が有ります。

上階のベッドは天井に近く、窓も湾曲していて雰囲気イイですね。

シャワーカードが販売されています。
東京駅や横浜駅から乗車した人の分でほとんど売り切れてしまうようです。
330円のカードを購入し、シャワー室でお湯のシャワーが6分間出るそうです。
ロングヘアのかたには厳しいですね。
今回私も母もシャワーは使いませんでした。

他にはシャワー室と別に、トイレが2室、洗面台も2室あります。
乗客それぞれのタイミングが有るので、行列を作るほど混み合うことはありませんでした。

自動販売機は飲み物だけありました。
種類は少ないです。
アルコール類は販売していません。

ちょっと見にくいのですが、、サロン室です。
窓側に長いカウンターが有り、それに向けてイスが4席設けてあります。
背もたれ代わりの柵が映っています。
真ん中の通路を挟んで左右両側、合計8席有ります。
ソロ個室やシングル個室に入ってしまうと、仲間や相方と話すことができなくなってしまうため、乗客の皆さんは睡眠前にここで、お酒を飲んで語り合ったり、明日の予定を確認しあったり、楽しそうです。
狭いスペースなので長時間は遠慮して、譲り合って利用したいですものですね。（遅くても0時には退散しましょう。個室まで声が響きます）

約12時間を掛けて東京から西へ西への大移動。その間　運転手交代などで何度も
途中停車をしました。

さて気になる寝心地はというと、、正直全然眠れませんでした（笑）。
個人差はもちろんあるので、あくまで私の経験ですが、
寝た状態で背中が揺れるというのは眠れない要因ですね。
また、下段の個室はガタンゴトンという音もかなり響きます。（耳栓は有効なアイテムです。）
寒さもあります。エアコンの調節ができますが冷気を感じます。
あと、私の個室だけなのかわかりませんが、早朝に車内放送用のスピーカーからほんのわずかですが「ジリジリ」という音がし出して、気になりました。

去り行く列車に大きく手を振っていたら、車掌さんが笑顔で手を振り返してくれました。

朝9時半頃に松江駅に到着しました。
駅は広くてお土産屋さん、飲食店、お弁当屋さんなどが充実しています。
コインロッカーも充実。これは助かりますね。

スタバで朝食を取りました。

あいにくの雨の中、階段を頑張って登った母は、念願の松江城の威風堂々たる姿に感動していました。
私も2回目ですが、思わず涙が出てきました。数々の日本のお城を巡ってきましたが、松江城は昔のままで古さを感じるところがもの凄く良いです。

お城の中は昔のままの急な階段で、私でも危ないので母には外観だけを味わってもらいました。

松江城の敷地内、一の門の向かいに稲荷神社が有り、その奥に歴史的な建物「興雲閣」が有ります。明治時代この地の迎賓館として建てられた様です。
和洋折衷の外観がレトロでエレガントです。

雨脚が強くなりバスを待つ時間ももったいなく、雨の中歩いて昼食場所へ。
この界隈では一番の老舗旅館「皆美館」さんに到着です。

名物の鯛めしと宍道湖のしじみ汁をいただきました。
写真では分かりにくいのですが、お茶碗にご飯をよそい、お皿に乗っている鯛や玉子の裏ごししたものをお好みで乗せて、だし汁を掛けて食べます。
そしてしじみ汁で温まってパワーをチャージできました。

日本庭園が素晴らしく、宍道湖の眺望も抜群のおすすめの旅館さんです。

さて最後は、松江駅前からリムジンバスで出雲空港へと移動し、FDAフジドリームエアラインに搭乗。15時台の便にて愛知県まで帰りました。
約４５分のフライトです。機内では小さなパックのお茶とお菓子を配られるのですが、すぐに食べ始めて、食べ終わるころにはもう着陸態勢でした。

というわけで、夜汽車では熟睡することはできませんでしたが、それをはるかに上回るワクワク感を体験できました。狭い個室とはいえ、女性でしたら密閉感は無く、文字通り秘密基地感が遊び心を刺激します。
帰宅して何日か経た後から、じわじわと蘇る楽しさ。
母は列車が駅で停車するたびに「今はどこかなー？」と窓の外を眺めながらの夜汽車が楽しかった様です。「なんかハマっちゃうね！もう一回乗りたい！」なんて言ってます。

そして調子に乗った母は、列車での大冒険第2弾を一人で慣行しました！
次回、東北編もお楽しみに！